チャレンジ精神を忘れずに
フランスレストラン文化振興協会(略称、APGF)note編集部員です。
APGF公式noteの 第二回目の記事は、APGF副代表の明治記念館青柳総料理長からのメッセージです。
是非、青柳総料理長の貴重な経験談とともにお楽しみください。
コンクールを通して学んだ大切なこと
コンクールを経験し私自身得たものが在ります。
27歳位から様々なコンクールにチャレンジし1996年に31歳の時、FFCC主催“メートル・キュイジニエ・ド・フランス”ジャン・シリンジャ―杯“に参加し、初めての予選落ちを経験、私の低いレベルでは無理だと実感しました。
翌年に当時の上司にリベンジしなさいと背中を押され、再チャレンジし優勝することが出来き、15年後、プロスペールモンタニエ国際大会にも出場させて頂き、約37年間の料理人生でコンクールを通じフランス料理に対する考え方の大きな変化・そして導いて頂いた多くの方々の出会いが私にとって大切な事と思います。
コンクールでは順位がつきものですが、日々の仕事の延長線と考え、厨房でもいつもきれいで整理整頓ができ、食材を仕入れてから一皿の仕上げに向けしっかり段取りも描け、お客様に提供する考え方を常に思う大切さを学んだと思います。
一皿に対する考えの伝え方
まだコンクールを始めた時、それぞれのテーマに添い自分の知識の全て一皿に埋め込んだ思いがありますが、やはり無理のあり、主となる食材対しての調理法、ガロニ、ソースに積込み過ぎ、バランスが悪く何が主なのか何を食べて頂きたいのかがぼやけてしまいます。
主となる食材をメインに対してのしっかりとした火入れ、それに合う付け合わせ料理、ソースを作る時のしっかりとしたフォンの作成で、欲を言えば、勇気をもっての塩・胡椒と一皿にイメージできる料理の香りはとても大切で食欲もそそり、その一皿に対して考えも伝わってきます。
温かい料理ならしっかりお皿、料理を温め逆算して盛り付け提供できるかが日々の仕事の延長線です。
コンクール挑戦へのお誘い
今は、コンクールの運営を行っていますが、以前は選手で参加していた経験を活かし、いかに選手主役、目線を意識しコンクールの運営を行っています。
向上心高い選手、審査を行うシェフの皆様、来日フランス人シェフ、来年には第19回のコンクールを向かえますが、過去支えて頂いた料理長の皆様には多くを学び、料理以外でも得たものは数多くあり、コンクールとは選手同士、運営、審査委員と関係なく交流、出会いの場ではないかと思います。
コンクールで学んだ日々の延長線と多くの出会いは今後も継続していきたいと思い、これからコンクールに挑戦しようと思う皆さんにもお会いしたいし、微力ですが御協力出来ればと心から思っています。
是非、ご自分を信じチャレンジ精神を忘れずに参加してください。
明治記念館調理室 常務取締役統括総料理長
青柳 義幸
※ヘッダー画像:アグー豚とフォア・グラのフォンダン ルッコラのラビゴットとトリュフの香り