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数十年振りに現実に戻りつつある不思議

ここ数ヶ月、数十年振りに自分が人生を送っているのだと実感している。

まだ学生だった頃以来だ。
その時は既に、将来なんてものは見えなくなっていて、自分に人生があるとは思えていなかった。

多くの人が自分の成りたいものや欲しいもので悩み、どう生きていくかを考えている時に、私は自分の人生が続いていく実感が無かった。

当時、「将来」という言葉をよく聞いた。それは私には「後世」より現実味の薄い言葉だった。ただそれでも、まだ活きのいい細胞が作る若い肉体と鋭敏な感覚は、視界をくっきりと映し、音はそれだけで世界を感じられるほど鮮明で、自分が現実の中にいると感じられていた。

その現実にいる感覚を、ここ最近になってまた感じるようになった。

数十年間何もない時間を過ごして、摩耗なのか麻痺なのか、何も感じなくなった感覚が、今になって少し戻った。

なんでだろう。

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