「ドリフト文化」と「eモータースポーツ文化」の共通点
どうも、岡田です。
遂に静岡に引っ越してきました。
静岡県民の皆さん、宜しくお願いします。
各手続きやら荷解きやらで忙しいこの頃ですが、今回は「ドリフト文化」と「eモータースポーツ文化」って実は似てたりしない?って話です。
本編の前にお知らせを…。
久しぶりの有料noteを書いてみました!
eモータースポーツ・リアルモータースポーツ両方を体験した僕が、最近巷で話題の「メタバース」を絡めて予想する未来のモータースポーツについて書いています。
500円になりますので、居酒屋で僕にビール奢って話聞くイメージで読んでいただければ幸いです。
■始まりはどちらも「車好きの遊び」
実車のモータースポーツにおいて、D1グランプリやフォーミュラドリフトなどの、車体を滑らせてその迫力や美しさを競う「ドリフト競技」の文化。
かたや、グランツーリスモやiRacingなど、バーチャル空間でレースを行う「eモータースポーツ」の文化。
この2つはまず、どちらも車好きが高じての「遊び」が行き着いた文化という所に共通点があるのだろうと思います。
F1を頂点とした、車を運転してライバルより強く・上手くを目指す「レース」は、勿論遊びでやる領域もありますが、基本的にはどこまで上がっていけるかの「競技」。
当然勝ちを求めて、負け続ければレースを続けていけなくなる厳しい世界です。
しかし「ドリフト」や「eモータースポーツ」は、本来そこまでシリアスなものじゃなく、車が好きな人の楽しみ方の1つに過ぎなくて、スピンしたりアンダー出そうが、オンラインレースで負けようが、楽しければそれでOKな物だったはずです。
■競技化に至る成り立ち
ただ、「ドリフト」も「eモータースポーツ」も目指すものはレースと同じく「相手よりも強く・上手く」です。
当然突き詰めていくと、誰が誰より上手いとか、〇〇コースではオレが最速なはず!って話になっていきます。
ドリフトの世界ではまずこれが「いかす走り屋チーム天国」や「CARBOYドリコンGP」のような「コンテスト」で文化が育っていったように思います。
ドリコンで勝ったり活躍した選手やチームが、雑誌やビデオで有名になり、やがてそれらがプロとして稼げるようにと作られたのが「D1グランプリ」です。
eモータースポーツは、このドリフト文化の成り立ちによく似ているんじゃないでしょうか。
いわゆる一人で遊ぶ「レースゲーム」から、オンラインで競う「eモータースポーツ」と呼ばれる物になったのは2007年の「グランツーリスモ5プロローグ」が最初じゃないかと思います。
そこから様々なソフトのオンライン上でいくつものレースが繰り広げられて、2017年頃から「eスポーツ」という言葉が生まれ、今ではその中で活躍する選手がYoutubeなどで取り上げられ名前を売っています。
そして近年、eモータースポーツ選手が稼げるようにと賞金が用意された「インタープロトeシリーズ」や「JEGT」などの大会が、国内でも開催されるようになってきています。
ドリフト・eモータースポーツ共に、「遊び」の中で育まれた技術に価値を感じた人間が、それをやっていれば生きていける世界を創ろうとして競技化していく成り立ちにも共通点を感じます。
■「ステップアップのピラミッド」に属しないカテゴリー
ドリフトもeモータースポーツも、競技化すれば立派な「モータースポーツ」だと思っています。
しかし、レーシングドライバーとしての所謂「ステップアップピラミッド」には、ドリフトもeモータースポーツも属しない所でも共通点があるんじゃないかと思います。
参照:http://www.mugen-power.com/motorsports/race.html
幼少期からレーシングスクールなどに通いながらカートに乗り、スーパーFJやF4を経て、そこからは海外に出てF2やGT3耐久レースに出たりや、はたまた日本のスーパーフォーミュラやスーパーGTに出たりして、F1シートを目指す…というのが、モータースポーツにおけるレーシングドライバーのステップアップの「主流」です。
しかし「走り屋」が認められていた(ホントは今も昔も認められてはいないですが…)時代は、「ストリート/ドリフト出身」と呼ばれる選手もメーカー契約が狙える程にステップアップの可能性があり、「D1グランプリ」が生まれるまでドリフト文化が進んだ頃は、そういう選手も増えてきました。
国内有名レーサーで言うと、織戸 学選手や谷口 信輝選手などがこれらに挙がるでしょう。
この「主流じゃない成り上がり方」でレーシングドライバーになれる新しい方法が「eモータースポーツ」だと言えないでしょうか?
実際、海外ではルーカス・オルドネス選手が「GTアカデミー」で一つ事例を作り、日本では冨林くんが「eモータースポーツ出身」という道を切り開こうとしてます。
僕はその冨林くんが開けた道を、いつの間にか辿ってるのですが…(笑)
そういう所もまた、ドリフト文化と似ているんですよね。
■"その道"だけで食えるか?
一方でドリフトもeモータースポーツも「レーシングドライバーになる為のプロセス」とは限りません。
ドリフトならD1グランプリでチャンピオンを獲得して、レジェンドと呼ばれるドライバーも存在しますし、eモータースポーツも勝てばリアルレース以上の賞金が貰える大会もあり、歴史を重ねればいずれ「レジェンド」と呼ばれるプレイヤーも現れるかと思います。
ただ昨今のドリフト競技事情を端から見た感じ、ドリフトドライバーとしてのみで食って行けている選手は、レースをするレーシングドライバー以上に少ないように見えます。
ドリフト競技の選手は選手として以外にも、チューニングショップや整備工場を経営している方が多く、中にはその会社の宣伝を兼ねたドリフト競技参戦…というパターンもチラホラ。
eモータースポーツの選手も将来的には、この「選手+会社経営」の形になっていくのかなと、ドリフト競技を見本に思います。
なかなか優勝賞金だけ高額でも、それで生きていくのは難しいでしょうからね…😅
■選手の"裏歴史"
皆さん、ドリフト競技界のレジェンド・野村 謙選手で浮かぶのはどんなシーンでしょうか?
大抵、D1スカイラインでの活躍やビデオオプションでのシーンなどが浮かぶかと思いますが、九州の走り屋チーム時代の事を浮かぶ人は少ないでしょう。
そりゃそうですよ。超アウトローな話ですもの。
その時にその峠にいた人にしか見られていない走りやバトルのエピソードが、おそらく野村選手にはあるでしょう。
…浮かんだ人は同じ時代に走り屋だった人のはず😅
ここも結構、eモータースポーツは似てます。
eモータースポーツの選手も「公になっていないレースのエピソード」があったりします。
というのも、eモータースポーツっていつでもレースできるので、クローズド(観客がいない)な状況でレースする事の方がむしろ多いんです。
リアルモータースポーツはやること自体が大規模なので、誰も見てない中でレースすることって無いと思います。
「チーム〇〇に所属してた」とか「〇〇峠では▲▲選手に挨拶しないと走れなかった」みたいな話がドリフト競技の選手からは掘ると出てきてたりしますが、ゲーマーからも出て来ます。
ちなみに、僕はグランツーリスモ5プロローグ時代にはドリフトチーム「TEAM-REV_LIMIT」なるチームに所属した後に、グランツーリスモ6時代に「LITTL3CHAMP(リトルチャンプ)」というチームに入り今に至ります。
JEGTチーム戦で優勝した山中さんはグランツーリスモ5プロローグ時代もランカーでしたが、より尖ってたし当時の僕は怖くてチャットで話しかけることはできませんでしたね。💦
ちなみに、冨林くんは「ギャラクシーレーシング」なるチームに所属した後に「LITTL3CHAMP」に入り今に至ります。
(2020年86レースの冨林くんの車にステッカー貼ってあります。)
…これ以上掘り起こすと非常に恥ずかしい上、他の人に怒られそうですが、まあこういう選手の「裏歴史」が結構ある点も、ドリフト文化とeモータースポーツ文化の共通点じゃないかと思いますね。
■ドリフト文化から学べるか
ここまでドリフト文化とeモータースポーツ文化の似ている所を書いてきましたが、今のeモータースポーツってドリフト文化で言えばD1グランプリの2〜3年目くらいの時期じゃないかと思うんですね。
メーカーワークスチームの参戦や大会スポンサーが増えてきて、お客さんも入ってきた時代ですよ。
今GTSportでもiRacingでもアセットコルサでも、そういう感じになってきてませんか?
であるならば、ドリフト競技の文化から学んで、eモータースポーツのこれからを見据えることもできそうですよね。
「ストリートリーガル」みたいに、eモータースポーツにも「ピラミッド」ができるかも?
高い筐体やハンドルが無いと勝てなくなって、eモータースポーツでも参戦コスト問題が出てくるのかも?
ドリフト競技のツインドリやロデオ乗りみたいな「ファンサービスのパフォーマンス」は、eモータースポーツにも必要かも?
色々考えちゃいますね🤣
超長くなりましたが、今回はこんな所で終わります。
ではまた!
岡田