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Japan Power Platform Conference 2023 ハッカソンに参加して
こんにちは!株式会社エイペクスです。
今回は、ハッカソンの参加レポートをお届けします!
2023年12月9日(土)、Japan Power Platform Conference 2023の一環として
東京、名古屋、大阪、広島の4都市にて開催されたPower Platformハッカソンに、エイペクスから3名が参加しました。
その中で「Teams会議の文字起こしファイルを文章に要約する」ソリューションにて最優秀賞を受賞した「MISOチーム」のメンバーに、イベントの概要と学びについて振り返ってもらいたいと思います。
ハッカソンの概要
ハッカソンのテーマは
「Power Platformを使ったソリューションを作ろう!」
Power Platformを使用していればOK!という自由度の高い課題でした。
当日は、会場全体あわせて約80名の参加者が小規模なチームを組んで
アイデアを出し合い、Microsoftの最新技術であるCopilotや生成AI機能を駆使してPower Platformでのソリューション開発に挑みました。
ハッカソンとは、エンジニアやプログラマー、デザイナーなどが集まって、限られた時間内に何かを作り上げるイベントのことです。ハッカソンでは、新しいアイデアや技術を試したり、チームワークやコミュニケーションを学んだり、自分のスキルや知識を発揮したりすることができます。
Japan Power Platform Conference 2023とは?
Japan Power Platform Conference 2023 (JPPC2023)とは、
Microsoftが提供するローコード・ノーコードのサービスである
Power Platformに関連するコミュニティ主導のイベントです。
今年の10月にアメリカで行われたPower Platform Conferenceの日本版と言えます。
JPPC2023のメインイベントでは、Power Platformの新機能やそれらを使用した業務改革の事例紹介、Power Platformのプロフェッショナルによる発表などが行われました。
参加のきっかけ
今までハッカソンや外部のコミュニティイベントに参加したことのない筆者ですが、参加を決めた理由は2点あります。
1つ目は、「社外の参加者と交流して、より実践的なアイデアや活用方法を学ぶ機会にしたい!」と思ったこと。
2つ目は、同じ組織の先輩がJPSPSというコミュニティ主催のSharePoint勉強会に参加して成長していく姿を間近で見ていたので、自分もコミュニティの雰囲気を味わいたいと思ったからです。
振り返ってみると、目標はおおむね達成できたと思います!
ハッカソン開始
当日ランダムに会場の参加者が振り分けられ、即席でチームが結成されました。チームメンバー全員が愛知か近隣に住んでいること、名古屋会場にちなんだ名前を付けたいということから「MISOチーム」に決定。
話し合いの結果、「Teamsの文字起こしから自動で議事録を作成する」という課題に取り組むことになりました。
テーマを決める
Teamsには会議中に音声を文字に変換する「トランスクリプト」機能がありますが、該当機能で生成されたファイルは発言がすべてタイムスタンプと共に記録されるため、全体の流れを掴みづらいという問題点があります。
そこで私たちは、「SharePointライブラリにアップロードされたTeams会議の文字起こし(トランスクリプト)を、Azure OpenAIと連携して議事録の形に要約し、Teamsのチャットで文字起こしファイルのアップロード者に議事録形式のメッセージを送信する」仕組みを開発することにしました。
このソリューションによって、オンライン会議の内容を簡単に振り返ることができるようになります。
Teams Premiumの機能を利用すれば、会議の終了後、自動的に会議の要約やタスクリストが生成されます。便利ですね!
しかし、今回のソリューションはAzure OpenAIに渡すプロンプトによって、”文字起こしからどのような形式で情報を抽出するか”をカスタマイズできる点がポイント(Teams Premiumの機能との違い)です。
担当範囲を決める
ハッカソンの開始から発表の時間までは、なんとわずか4時間…!
常に時間に追われながらの開発となりました。
弊社メンバーがSharePoint/Teams周りの実装と発表資料の作成を、他のメンバーがそれぞれAzure OpenAI環境の設定と連携方法の調査、一連の処理を自動化するPower Automateフローの作成/調査をそれぞれ分担して担当することになりました。
情報共有の仕方を工夫する
情報共有の手段としてTeamsでチームを作成し、
それぞれの進捗や連携に必要な情報を共有しました。
(ハッカソン用にMicrosoft 365環境をご用意いただいていました!感謝)
限られた時間の中、共同で資料を仕上げないといけない状況では、
Teamsのファイルの共同編集機能が大変便利でした!
共同編集無しの作業はもう考えられません…
チームで共有したファイルはチームサイト(SharePoint Online)上に保存されますが、SharePoint OnlineやOneDrive上に保存されたファイルであればほとんどの環境(※)で共同編集が可能です。
※2010以降のデスクトップ版Office(Excelのみ例外)、ブラウザー版Office、モバイルアプリ
取り組みの中で苦戦する
開発の中で苦戦した点が「Power AutomateとAzure OpenAI間でやりとりされるデータ形式の変換」と、「文字起こしされた内容から適切な情報を抽出し、望む形式で出力するプロンプトの作成」でした。
実装方法に悩む私たちを会場のスタッフ陣(Power Platformの有識者の方々)が親身にサポートしてくださったおかげで次のステップに進むことができました!本当にありがとうございました。
特に「プロンプトの作成」については、Azure OpenAIの”プレイグラウンド:チャット”で試行した結果、「求める役割」「成果物の種類」「条件」「形式の例」を含めるのが望ましいということが分かりました。
以下がプロンプトの例です。
#命令書
あなたは議事録の作成者です。
以下の制約条件、フォーマット、入力文を用いて議事録の作成をお願いします。
#制約条件
・主に決定された事項、検討された事項、および参加者の一覧を800文字程度でまとめてください。
#フォーマット
以下はフォーマットの例です。
## 開催日時
2023年12月9日 11:00~
##参加者
参加者A,参加者B
##議題
・夜ごはんのメニューについて
##要約
夜ごはんの献立について議論された。
##決定事項
・夜ご飯はシチューです。
・ホワイトシチューです。
##検討事項
・唐揚げを食べるタイミングについて
##入力文
[トランスクリプトファイルの全文]
フローが完成する
ついにフローが完成!全体の流れは下図の通りです。
![作成したフローの概要](https://assets.st-note.com/img/1702536534690-xHg5tKU4lS.png?width=1200)
入出力の例
当日使用したデータそのものではありませんが、社内の検証環境で動作させた際の入出力結果です。
![](https://assets.st-note.com/img/1702974006980-46VR7zN1hF.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1702974172971-ey3P7rQqff.png?width=1200)
発表&投票
発表の様子はTeams会議でも配信され、リアルタイムで投票が行われました。現地/オンラインの視聴者は各チームの発表について「ソリューションの価値」「革新性」「完成度」「組み合わせたサービスの数」等の評価項目に基づいて投票を行います。
他のチームの発表では、生成AIを使用した挿絵や独創的なスライドデザインなど”見栄えの面での工夫”や、開発の背景/期待される効果を盛り込むことで”説得力を高める工夫”が見られ、参考になる内容でした。
ちなみに、生成AIで作成した画像を使用する際(特に、業務で使用する場合)は商用利用が可能なサービスを選ぶことが重要です。
MicrosoftのEdgeで利用できるBing Image Creatorは便利なツールですが、利用規約には商用利用の許可に関しては明記されていないため、利用目的に合わせてツールを選択するよう注意しましょう。
そしてついに、結果発表…
なんとMISOチームの作成したソリューションは最優秀賞に選ばれました!
3位から順番に発表されていく中、最後に「MISOチーム」の文字が映し出された際にはチーム内で歓声が上がりました。
どのチームのソリューションも構想、設計、発表の完成度が高く素晴らしかったので、多くの方に評価されたことは大変光栄です。
今回作成した「Teams会議の文字起こしファイルを文章に要約する」ソリューションが評価された理由について、以下の通り推測してみました。
Teams会議を含めたWeb会議の機会は増えてきており、会議の内容を効率的に振り返ることが業務効率化や品質向上につながると考えられる。
文字起こしファイルをただの発言記録としてではなく、議事録文書として活用できる例を提示できた。
ハッカソンの時間内に想定していた構成でソリューションを完成させることができた。
参加した感想
様々な分野の方々と一緒に課題に取り組むことで、自身のスキルや知識のレベルを客観的に知ることができ、良い刺激を受けることができました。
さらに、チームワークの大切さも学びました。1人では解決できないような課題でも、チームメンバーのそれぞれが持つ専門性や知見を活かせば、解決できる可能性がぐっと広がります。
また、大規模なイベントをも開催するコミュニティの方々の熱意を間近で感じることができ、良い経験になりました。
ワークショップ、メインイベント、ハッカソンという4日間にわたるイベントの開催に携わる運営の方々、スポンサーの方々に心から感謝いたします。
最後になりますが、現地で「MISOチーム」として一緒にハッカソンに挑戦したチームメンバーの方々にも感謝を申し上げたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!
![](https://assets.st-note.com/img/1702864764916-SNhMYTRSMv.jpg?width=1200)
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