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ハリケーン或はピメンチーニャと呼ばれたブラジルの至宝、エリス・レジーナ #26
Elis (1980)
1980年12月にリリースされたアルバム『Elis』は、エリス・レジーナ・カルヴァーリョ・コスタ(1945年3月17日~1982年1月19日)の最後のスタジオ・アルバムとなりましたが、彼女は1年余りの間に37歳の若さでシーンから去ることになりました。
このアルバムは、エリスがフィリップスを離れて、WEAと契約する前に契約していたレコード会社であるEMI-Odeonから発売された最初で唯一のアルバムです。
セザール・カマルゴ・マリアーノのプロデュースで録音された『Elis』は、彼女のディスコグラフィーの中で最もポップなアルバムとなり、1980年代の10年間を通じて彼女が歩んできた道を示すものでありました。
1970年代末、エリスは独裁政権との闘いに音楽的に立ち向かったミナス系の作曲家たちの声を伝えるために、より軽く、より自由で、よりルーズなレコードを作るというリスクを冒したのでした。
この『Elis』では、MPBの世界から離れ、アメリカの黒人音楽により近づいていきました。しかし、このブラック・アメリカン・サウンドは、セザール・カマルゴ・マリアーノのポップなフィルターを通して、ピアノ・タッチのアレンジが素敵な、ラスト・レコーディング・アルバムの佇まいは希薄で、歌に生き、歌とともに燃え尽きた彼女の絶頂期の歌声を存分に味わえます。