3.株式投資ね...

さきほど食べた家系ラーメンの旨味を口に残しながら、1人暮らしのアパートに到着した。
このアパートは産業道路に面した6部屋のアパートであり、一部屋当たり16㎡と中々にコンパクトな作りだ。私の部屋は道路側の角部屋、部屋の電気を消すと街灯に照らされた街路樹の影がカーテンがスクリーンとなり映し出される。大型トラックが通れば、多少の振動もあるが、そこまで気にすることもない。
そのコンパクトな部屋の中、暗がりに佇み、秋から冬にかけて日が落ちる時間が早くなる季節の移り変わりを実感しながら、なんとも物哀しい気分に浸るのが好きだ。

腰を下ろしPCを起動する。興が削がれる。昨日見たいかがわしいサイトが閉じられていなかったのだ。欲求に逆らい、株式の銘柄検索を再開した。
日本国内にもこんなに上場企業があることを初めて知った。普段、CMやインターネット広告で出てくるような企業だけではなく、地方の製造メーカーやら、聞いたこともないアパレルメーカーまで探せばあるものだ。

とはいうものの、自分が投資できる金額は限られている。何系にしようか、やはり個人的にはモノ作り系が好きだから製造業だろうか。そういえば、先日、原宿に行ったときに面白そうなグッズを扱うセレクトショップがあった。そこのサイトに掲載されている、人気が出そうと思われる製品のメーカを探し、もしその会社が上場しているようであれば検討することにした。

しばらくサイトを回遊していると、良さげな折り畳み自転車を見つけた。そして、メーカー名はアシスト精工、ネット証券内の検索窓にて確認、ヒット!
株価は…300円/株、100株から購入できるから30,000円である。失敗するかもしれないが、とりあえずやってみよう、やってみないと何も始まらないし、工夫のしようもない。方針が決まったからには、早く証券口座開設の連絡が欲しい。

株式投資への妄想を膨らませながら、例のセレクトショップで購入したLEGOの1/10スケール フェラーリF1のパーツに手を伸ばした。
気付くと深夜になってしまうが、無心に組み立て続けられることで雑念から解放される。今の自分にとっては、有効なリフレッシュツールである。と、言い訳をしながら、いつものモラトリアムな夜が更けていった。

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