「リキッド消費」まとめメモ

バウマンの「リキッド・モダニティ」

リキッド消費の概念は、バウマンの提示したリキッド・モダニティの概念を下敷きにしている。
我々は、前期近代(固定的近代・ソリッドモダニティ)の硬直性を、自由の徹底により乗り越えた。しかし、後期近代(液体的近代・リキッド・モダニティ)においては、自由に伴う流動性により、不安定性や不確実性がもたらされ、解決困難な問題に直面することとなった。これが、バウマンの論の概要である。
こうしたリキッド・モダニティの不安定性のもとでは、軽さや流動性を受け入れ、アップデートしていく能力が求められる。

リキッド消費とは

リキッド消費は、上記したバウマンのリキッド・モダニティの概念を「消費」の文脈に適用したものであり、イギリスの研究者であるバーディとエッカートが提唱した概念である。
バーディらによれば、リキッド消費とは、①短命で、➁アクセス・ベースで、③脱物質的な特徴を持つ消費を指す。

短命性とは、価値が特定の文脈においてのみもたらされ、価値の有効期限が短くなっていることを意味する。社会構造変化や技術の進歩の加速がその背景にある。

アクサス・ベースとは、所有権の移転を伴わない消費を意味する。レンタル、シェアリング、サブスクを想起すればよい。アクセス・ベースは、所有による経済的・心理的負担等を避けることを可能にする。

脱物質とは、同じ水準の機能を得るために、物質を全くあるいはより少なくしか使用しないことを意味する。物質的な写真ではなく、スマホに画像のデジタルデータを残していることを想起すればよい。その背景には、デジタル製品の普及や、物よりも経験を重視する傾向の強まりがある。


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