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【アジア人差別】アメリカは移民と暴力を拒否できない【ヘイトクライム】

アメリカのニュースで報じられる、相次ぐアジア系への暴行事件。

どうしてアジア系はいじめられるの?


ヘイトクライムとは

人種、宗教、出身国、性的指向、性別、障害などに対する偏見に基づいて動機付けされた犯罪。


相次ぐアジア系への暴行事件

人権団体「ストップ・AAPI(アジアンアメリカン及び太平洋諸島系)・ヘイト」に報告されたものだけでも、昨年2020年3月19日から今年2021年2月28日までの間に、アジア系に対する憎悪犯罪は3,795件に上る。カリフォルニア州立大サンバナディーノ校の憎悪・過激主義研究センターの警察データの調査によると、全米の主要都市で2020年にアジア系に対する憎悪犯罪の件数が前年比2.5倍、2021年1~3月期に前年同期比2.69倍に急増した。以下に一部を列挙する。

昨年7月、89歳の中国人移民の女性が、ブルックリンで顔を叩かれ、シャツに火をつけらた。

昨年9月、ハーレムで日本人ジャズピアニストが、8人ぐらいの黒人の若者グループに、体が触れたと因縁をつけられ、中国野郎とのののしられ、集団暴行を受け、全身に怪我をして、鎖骨を骨折した。

今年1月、84歳のタイ人男性、サンフランシスコで突然地面に突き倒されて頭を強打し、その後死亡した。

今年1月、61歳のフィリピン系アメリカ人男性、マンハッタンの地下鉄で、頬を横一直線にナイフで切られ、100針を縫う怪我。

今年2月、52歳のアジア人女性、クイーンズ区フラッシングで、パン屋の列に並んでいた所を男に突き倒され、頭部を地面で打ち気絶した、10針縫う怪我。

今年2月、27歳の韓国系の男性が、ロスのコリアンタウンで、ヒスパニック系の男二人組に暴行を受け、鼻の骨が折れ、目にアザを負う。

今年2月、マンハッタンのチャイナタウンで、36歳のアジア系男性が目つきが気に入らないという理由で、中東系の男に背中を刺され重体。

今年2月、日本人女性がシアトルのインターナショナル・ディストリクトで、石を入れた靴下で殴打され、鼻を骨折し、歯が折れ、意識を失った。

今年3月、75歳男性、オークランドの路上で強盗に襲われ、顔面を殴打され転倒、その後死亡した。

今年3月、ジョージア州でマッサージ店が白人男性に銃撃されて、アジア系女性6人を含む8人が死亡した。

今年3月、75歳女性、サンフランシスコで顔面を殴られ左目が見えなくなる怪我を負う。

今年4月、30代のアジア系アメリカ人男性、サンフランシスコで子供をベビーカーに乗せて通行中に黒人の男に押し倒され、頭や背中を13回ほど乱打された。

今年5月、ボルティモアも酒店で、店主である韓国人の姉妹を男にレンガで襲撃され、一人は30針を縫う怪我。

今年5月、85歳と65歳のアジア系女性2人、サンフランシスコのバス停で黒人の男に襲われ、85歳の女性は刃物が刺さったまま搬送され、肺に穴が開く重傷。

今年5月、31歳と29歳の台湾系の女性、ニューヨークのタイムズスクエア近くを二人で歩行中に、黒人の女にハンマーで攻撃され、31歳女性は7針を縫う怪我。

今年5月、55歳アジア系女性、ニューヨークのチャイナタウンでホームレスの黒人男性にすれ違いざまに顔面を殴られ脳震盪を起こす。

ジョー・バイデン大統領の声明「彼らはアメリカの通りを歩くだけで命の恐怖を強いられている。それは間違っている。そんなのアメリカらしくないから、止めなければならない。」



どうしてこうなったか


[アメリカにおけるアジア系の歴史]


現在、アメリカに迫ってくる、中国の経済及び軍事的台頭がアメリカの脅威となり、差別を生み出している。さもなくば、どんなに政治がひどくても誰も気に留めない。


それは、過去からの一連の流れの中にある。

yellow peril(黄禍論)

19世紀半ばから20世紀前半にかけて白人国家により起こった、優秀なアジア人が白人を征服する恐れがあるとする黄色人種脅威論。アジアに対する欧米諸国の侵略や、白人社会からのアジア人の排斥を正当化するために用いられた。

1850年代、初期の大勢の中国人移民は、ゴールドラッシュ、大陸横断鉄道建設、鉱山労働に携わった。だが、競争が激しくなるにつれて風当たりが強くなっていった。

1871年、ロスのチャイナタウンで中国人20人ほどが殺される。

1882年、低賃金労働を厭わない勤勉な中国人労働者が反感を買い、議会が「中国人排斥法」(人種を理由に移民を禁じたアメリカ史上初の法律)を制定し、中国人労働者はアメリカへの入国を禁じられ、在アメリカ中国人は市民権が得られなくなった。

1885年、ワイオミング州ロックスプリングズ虐殺では、中国人鉱山労働者が28人以上殺される。鉱山のある街、ワシントン州シアトル、タコマなどでは、中国人の強制退去、居住地域の焼き打ち。

1887年オレゴン州での、ヘルズキャニオン虐殺事件では中国人31人が殺された。

~1900年代、初期の日系人はハワイやカリフォルニア州の農園等で、アメリカ人の何倍も働いた。

1924年の移民法により、アジア人移民の全面禁止。

1942年、12万人の日系人は敵性市民のレッテルを貼られ、住む場所を含めた全財産を没収され、強制収容所送りとなる。

ジョー・バイデン大統領の声明 (第二次世界大戦時)「日系アメリカ人は彼らの生まれだけを理由に標的にされ、投獄され、非人道的な強制収容所で生きることを余儀なくされた」「アメリカは、すべての人の自由と正義という建国以来の理想を実現することはできなかった」

※しかし例外的に最前線のハワイにおいて日系人はほとんど収容されなかった。参戦の前年1940年時点で、ハワイ全人口の約37%を占めるまでに増加していたからだ。

1960年代から1980年代にかけての日米貿易摩擦、アメリカは対日赤字が拡大し続けて不況に沈み、アメリカの自動車メーカーは壊滅的な打撃を受ける。これによりジャパンバッシングが起こる。

1992年のロス暴動と2014年ファーガソン暴動及び2015年ボルティモア暴動では、治安の悪い低所得者層の居住地において、最も成功を収めていたことで韓国系経営の多数の食料品店などが略奪や放火等のとばっちりを受ける。



[アメリカにおける移民と暴力の歴史]


○移民は増え続ける

アメリカというと、白人が最も多く、次に黒人というイメージもあるが、20世紀後半よりヒスパニックの流入が大きく、2000年頃には黒人との割合は逆転している、白人にも迫ってくる。トランプ大統領はメキシコとの国境に壁の建設を進めた。予測によれば、2045年ぐらいには白人が全体の過半数を割り、有色人種の方が多数派になるらしい。そして、アジア系も勢力を拡大中、黒人に迫ってくる。


○それでも銃規制はない

2020年のアメリカの銃による殺人は19,000件以上であり、近年類を見ない記録的な数字となった。殺人件数は日本の少なくとも60倍以上。銃さえなければ、大半の事件は解決しそうにも思える。

  


どう対処すべきか

のさばる変質者に対処する術はない。自衛して下さい。

・・・

曖昧な空気感が誘発する、決して許されない卑劣な犯罪に対し、警察には断固たる姿勢で取り締まって頂きたい。

どんな理屈も通用しない。相手に振り回され競い合っても勝てない。自分のやり方で主張し続けるしかない。

アジア系の、活躍する芸能人や政治家などがより多くなれば、いずれ譲らざるを得なくなるだろう。



まとめ

今アメリカで生活していると、人におおらかさは全くなく、隙あらばいちいち難癖をつけようとするのが多い。東洋的な顔に対すれば、なんでいるの、なにじんなのと、イニシアティブを取らせまいとの反感を持たれる。どこもピリピリとした不信感が漂っているが、治安の悪い所で更に警戒が必要になった。コロナ発生の前から、ニューヨークは既にヤラレてた。世界一面白くて、世界一住みにくい街。一発触発的な雰囲気があって、その時点で自分は退散した。暴動が起き、マンハッタンの店舗が軒並み襲撃を受けたのは、そんな空気を作り出している店舗のオーナーにストレスが返ってきたからで当然のこと。そしてそのあとに、そんな一部のくすぶったニューヨーカーの屈折した自尊心の矛先が、今度は仕返しを受けなさそうな社会的身分の低いアジア系へと、物理的に向けられる。というような現象がアメリカの都市部で起きている。ちなみに田舎は、そもそもが保守的。

アメリカは、「移民の国」である。それでも人間は、縄張り意識にすがりつく。

彼らは権力に抵抗する手段を与えられている。だから、アメリカは暴力を拒否できない。日本人のように、お上に従順に従うことの代わりに守ってもらうことはできない。それが悪用される。

危険のさなかで、口先だけでなく、中国とは違って、アメリカンドリームやポリティカルコレクトネストといったアメリカを規定する価値観に基づいて集結した人間なのか、あるいは排除されるべきなのかどうかが、明らかになる。


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