6.「がんばってね」
他人に「がんばってね」と言うことに、いささかためらう時がある。
とはいっても「既に頑張っている人に『がんばってね』と伝えるのはいささか失礼だ」というよくある話とはちょっと違っていて、
自分が伝えたい想いと微妙にずれているのではないか、と考えてしまうのである。
経験上、大抵こういう時は言葉が元来持つ意味と乖離している場合が多いので、
高校時代使っていた電子辞書を引っ張り出して意味を調べてみることにした。
がん-ば・る【頑張る】
⦅自五⦆
(「頑張る」は当て字。「我に張る」の転)
①我意を張り通す。「まちがいないと―・る」
②どこまでも忍耐して努力する。「成功するまで―・る」
③ある場所を占めて動かない。「入口で―・る」
(広辞苑 第六版)
「頑張る」って当て字なんだ!って思ったのはさておき、、、笑
今回は当然②の意味で使われているのだが、
僕が思う「頑張る」のニュアンスは、
それこそ②に記載されている通り、「努力」という側面が強い。
そして「努力」というものは、
「(例えば試験で言う)試験当日以外の日々の勉強でやること」
というイメージがある。
試験当日に大幅に能力値(=学力)が向上するというのは、所詮絵空事に過ぎない。
月並みだが、結局は日々の積み重ねでしかないのである。
そして、試験当日に出来ることは、能力値を向上させることではなく、
「『これまで頑張ってきたこと』を最大限発揮する」
ということではないだろうか。
だから僕は、
「ベストを発揮できるよう願っているよ」とか
「ここまできたら、後はメンタルが重要になってくるから、予想外のことが起こっても冷静でいられるよう最悪な状況も想定しておくといいよ」
ということが伝えたいのであり、
「『がんばってね』はちょっとニュアンスが違うんだよなー」と少しモヤモヤしてしまう。
ただ、ここまで文章を紡いできてなんだが、
細かいニュアンスまでいちいち面倒くせえな、ってときに、
様々な意味を包括した上での「がんばってね」なのかな、と思うと、
モヤモヤしつつも、結局は「がんばってね」が最適解なのかな、と一応は結論付けざるを得ないのである。。。
(実際自分も言ってもらえると、邪な気持ちもなく嬉しくなるしね。)