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004.物件が見つかった経緯 その3

そんな中
夫のBarに週に2日立ってくれているヨシオがある日突然言いました

「自分が立ってる日に不動産屋さんのお客さんが来て
今度あっちの通りの物件が空くらしいんですよ
そこはカウンターとカラオケできる少し広い空間があって
音も多少なら出してもよいと思うし
駅からすぐだし
まだ表に出てない物件だから口きけば抑えておけると思うし
このお店(夫のBar)はそろそろキャパオーバーになってるから
2人で料理もできるお店をやるには調度よいと思うんだけど
よかったら視察がてら見に行きます?
このお店は誰かに任せたりたまに立ったりして残しつつ
2人でLIVEも料理もできるお店を新しくやったらいいと思うんですよ」

…!!!???

私は急な話に驚いた…のではなく…
コッソリそういうつもりでそういう物件を探していたので
思わず夫に「ヨシオには話してあったの?」と聞いたくらい

夫も目をまん丸にして首を横にふって「話してない」と…!

「あんたは神かー!行く、すぐ見に行くー!」
興奮しながら、お店までの歩く道でヨシオに私たちの計画を話したけれど
ヨシオは何も驚く様子はなく
「そうそう、それがよいですよ
場所もここと駅を挟んで対岸だし
それくらいの距離感がちょうどよいと思うし
多少の料理もできると思うし音も出せるし」
って、本当にエスパーかと思うくらいで

時が来る、というのはこういうことなのだと
なんだかしみじみ思いながら
私は興奮を隠しながらただのお客を装い
ヨシオとそのお店に入っていくのでした…

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