デジタルに頼る
何かを作る時、きっちり図面を書いてから始める人、特に何も定めずイメージで作業する人、色々、人それぞれやり方はあると思います。
木材のような自然素材を相手にするとき、事前に寸法をキッチリと決めてしまうと、色々と不都合が生じることがあります。
あって欲しくない場所に節があったり…
そこは困るという場所に割れや腐れがあったり、
一番目立つ場所の色が悪かったり…
あと、5ミリ幅が足りないばっかりに、なけなしの材料を持ち出さなくちゃならなくなったり…
なので、イメージだけ作っておいて、後は適宜対応というのは、工場生産的な現場では有り得ない生産スタイルだと思いますが、一品物が主体の個人工房では、ある意味、合理的なやり方ではあると思います。
作りながら考えるって、アマチュア的でもありますよね。
ただ、自然素材にありがちな不均一さやエラーをリカバリするだけでなく、杢という自然の造形を活かすためには、一番、理にかなっているともいえるかもしれません。
自分の場合は圧倒的に後者でした。
図面はおろか、スケッチすら書かず、
製作のために工房に入って材料を作業台に置いたは良いが、そのまま腕組んで考え込み、そのまんま一日が終わって材料を元に戻して終わり…
なんてことも良くありました。
別に芸術家を気取っていたわけではなく、優柔不断で材料に鋸を入れる勇気が無かっただけだと思います。
木材は切ってしまったら最後、元には戻せませんから。
でも、ここ最近は、限界を感じるようになりました。
少し前までは、まだ、いくらかは頭が働いていたから、イメージから寸法を追い出すことが出来てたんですが。
あまりにもミスが多くなって、作品を作ってるのかゴミを作ってるのか分からん状態になってしまって。
仕方なく、数か月前から3DCADを導入しています。
随分前にsketchupというCADを使っていたことがあって、なかなか便利ではあったんだけど、2Dの図面が出力できなかったのと、Free版がクラウドベースになって、何となくな感じになってしまったので、今はFreeCADを使っています。
慣れるまでにそれなりに時間は掛かりましたが便利ですね。やっぱり。
3D CADなので、3Dモデルでプロポーションを確認出来たりするので、モデルをああだこうだといじったり、イメージ固めにも使えます。
2Dの図面も出力できるので、制作時の勘違いが格段に減りました。
図面に出ている寸法さえ間違えなければ、ミスする事も無い。
寸法、間違ってないかな…
そんな風に悩んでいる時間が格段に減りました。
半面、パソコンと睨めっこする時間が増えて、若干、ストレスな面もありますね。
FreeCADのバージョンは、この時点で0.19でたまに変な動きをしたりイマイチな使い勝手なところもあるけど、自分の用途には十分って感じです。
テクスチャマッピングが出来れば最高なんですけどね。
今後に期待したいです。
CADの導入を迷われている方がいらっしゃったら、選択肢の一つとして検討されてみては如何でしょうか。