桜の木のスプーン。小。デザートなどに。
しばらくの間、スプーンを作ることをやめていました。4年以上作りませんでした。趣味で始めた木工で最初に作ったのがスプーンでした。趣味とはいえ、200本くらい作ったのではないでしょうか。
時たま、クラフトフェアに出たり、雑貨屋さんに納品したりもしましたが、あくまでも務め仕事をしながらの製作でした。アパートの居間で音をたてないようにしながら作っていました。
仕事や家庭の事情で作ったり作れなかったりでしたが、作るにしても、スプーンは作りませんでした。
二月くらい前、にわかにスプーンを作りたくなりました。しばらくトレイばかりつくっていたので、気分転換に作ってみたくなりました。
ただし、以前作っていたものとは全然違うやり方で、です。以前はかなり大雑把に木を切り、そこから鑿で削り、紙やすりを15工程くらいかけて繊細に作っていました。
今回はフリーハンドの線を糸のこで切り、鑿で削って、胡桃油を塗るという工程です。フリーハンドの線を切るので、ひとつひとつ形はまちまちですが、これが楽しい。1本作ってそう思いました。
糸のこで切る際もフリーハンドの線を参考にはしますが、きっちりと線の上を切るというふうにはしません。切る際に一番心掛けているのは、線の上を切るではなくて、ずれてもいいから、きれいなラインで切るということです。
木の硬さや木目で糸のこのライン(刃)は微妙に乱れようとします。組み木などを作るときは、それでもきっちりと線の上を切りたいところですが。
ここのところのスプーンづくりでは、ずれてもいいけど、きれいなラインで切るという意識で切っています。なんだか矛盾しているようなことですが、そんな心づもりで切っています。
左右非対称だったりしますが、意外と使いにくくはないと思います。私が鈍感なだけかもしれませんが。