見える化の歴史~可視化からカオスマップまで~
進む見える化
これ、最近よく見ませんか?
カオスマップってやつです。
カオスマップとは
カオスマップとは「業界地図」というもので、とある業界に企業やサービスが乱立する様をそのまま見せているものです。
2010年にアメリカのLUMA Patnars社が発表した業界地図のうち、ディスプレイ広告業界をまとめた「Display LUMAspace」が広くシェアされたことで認知度が高まりました。
ひとつひとつの企業名なんて、もはや見えません。
この状態を日本では「カオスマップ」と表現しました。
見える化のはじまり
「見える化」という言葉を日本で初めて使用したのはトヨタ自動車です。
トヨタ自動車の工場における生産方式では「見える化」がよく用いられています。
生産現場における作業の方法や順序、物の管理、作業の進捗管理、安全管理などにおいて正常と異常を明確に示すために用いられています。
1998年にはもう使われていた言葉のようです。
可視化と見える化はどう違うの?
わたしは、新しい言葉になじむのが苦手なので、この「見える化」って「可視化」のことなんじゃないの?と思っていました。
熟語に動詞を交えることで、表現を柔らかくしただけじゃないの?と。
どうやら、可視化と見える化にはこのような違いがあるようです。
可視化
情報を目で見える状態にすること
見える化
可視化した情報の理解を促し、改善までもっていくこと
工場で生まれた「見える化」だけあって、結果の改善がないと効果があったとは言えないようです。
広まる見える化
1998年にトヨタ自動車が始めた「見える化」は、どこまで広まっているのでしょうか?
見える化は技術系の現場だけではなく、産業全体にも広まっています。
2017年には産総研(産業技術総合研究所)ががん検知やインフラ監視などの分野で「目に見えないデータを可視化する」技術を実用レベルで研究していました。
カオスマップを含め、情報をパッと見て相手に伝えられる道具が広まっています。
見える化の課題
ときに「見える化」された資料が苦手という人もいます。
理由としては「見える化」は数値をともなった客観的なデータとは、異なってくるからです。
「このマップは客観的なのか?」
「編集した人の主観で歪んでいるのではないか?」
このような疑問を相手に持たせるのは、「見える化」のわかりやすさと引き換えに失われているものです。
「見える化」と「可視化」、そして数値の「測る化」を使い分けながら、データを見られるとよいですね。