
#ネタバレ 映画「エキストランド」
「エキストランド」
2017年作品
いらだつほど面白い
2018/1/17 18:08 by さくらんぼ
( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )
映画「東京ウィンドオーケストラ」の監督最新作と聞けば、観に行かないわけにはいきません。
先日の、古物商の裏側を描いた(!?)映画「嘘八百」は、多少の前知識もあってか、納得して鑑賞できました。
しかし、もの心ついて以来の映画ファン(!?)を自認する私も、映画業界の裏側についてはまったくの素人。だから、悪徳映画プロデューサーの言動がどこまで「リアル」なのかは分かりません。でも、「いらだつほど面白い」ことだけは確かです。
★★★★☆
追記 ( 公務員と会社員 )
2018/1/18 9:49 by さくらんぼ
3.11の津波被害をモチーフにした映画「君の名は。」のレビューを書いた時、私はマイページで「公務員と会社員の思考回路の違い」に言及し、「首長は管轄内の公平を求め、社長は自社の利益を求める」みたいな話を書きました。( 映画「東京ウィンドオーケストラ」の追記Ⅶより抜粋 )
追記Ⅱ ( 近江商人 )
2018/1/18 10:14 by さくらんぼ
映画「東京ウィンドオーケストラ」には役場の若い女性職員が、そして映画「エキストランド」では、若い男性職員が出てきました。
両者とも、ちょっと浮世離れしたところのある職員で、そんな人が、どちらも民間の組織と絡む構図なのですが、今回の映画「エキストランド」では、情念がさらにパワーアップしています。
その映画「エキストランド」の終盤、悪徳映画プロデューサーが、役場の、気の弱いオタクっぽい男性職員(フィルムコミッション)に対して、「俺は、お前みたいな奴が、大嫌いなんだよ!」と暴言を吐くシーンがありました。
これは、(厳しい)民間企業に勤めている多くの人が、(ぬるま湯に使っていると思っている)公務員に対して持っている気持ちを、代弁しているのだと思います。
しかし、最後には悪徳映画プロデューサーが負けるのです。
なぜなら、悪徳映画プロデューサーが露骨に「自分たちの利益のみ」を追求しているのに対し、公務員は「管轄内の公平」を求めているからです。
その「公平」は、あの近江商人にも通じるもので、世の真理であり、経営の極意でもあるのでしょう。それを無視して突っ走ろうとしたプロデューサーは、公務員だけでなく、地元住民の強い反感を買い、やがて、同じく力づくで、つぶされることになるのです。
参考:「 近江商人の思想・行動哲学
三方よし『売り手よし、買い手よし、世間よし』
売り手の都合だけで商いをするのではなく、買い手が心の底から満足し、さらに商いを通じて地域社会の発展や福利の増進に貢献しなければならない。」
( ウィキペディア「近江商人」より抜粋 )
追記Ⅲ ( ビットコイン )
2018/1/18 16:00 by さくらんぼ
下記の新聞記事を読みましたら、直感で、遠くに映画「エキストランド」のストーリーを連想しました。「ビットコイン」の向こうに、「劇中で作られる映画」の何かが見えるような気がしたのです。
「 『デジタル通貨の行方』 『ビットコイン相場 投機資産そのもの 使用控える矛盾に』 『公的な管理と 個人の自由と バランスどこに』
… だが、貨幣を使う経済は本質的に不安定で、安定性のために公共機関を絶対に必要とします。自由と安定性、個人と公共性のバランスを、どこに置くのか。個人が完全に匿名となる自由放任主義的な貨幣経済を演じようとしたビットコインの劇場は、そのような根源的な問題を、私たちに考えさせてくれているのかもしれません。(聞き手・吉川啓一郎) 」
( 2018.1.18朝日新聞(朝)13面 オピニオン&フォーラム 「デジタル通貨の行方」 インタビュー 経済学者 岩井克人さん より抜粋 )
( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)