#ネタバレ 映画 「さらば、わが愛/覇王別姫」
「さらば、わが愛/覇王別姫」
恋愛スイッチ
2016-11-24 08:16byさくらんぼ
( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )
この映画も劇場で観ました。でも、どなたかのレビューにお邪魔したことはあっても自分のレビューは書いていませんでした。もう記憶が薄れ詳しいことは書けませんが、感想ぐらいは書いておこうと思います。
この映画は前半が良かったです。
「 1925年、北京。娼婦の母親に連れられ、孤児や貧民の子供たちが集まる京劇の養成所に入った9歳の少年・小豆子。新入りの小豆子は他の子供たちからいじめられたが、彼を弟のようにかばったのは小石頭だけだった。2人は成長し、女性的な小豆子は女役に、男性的な小石頭は男役に決められる。…」 ( 「ぴあ映画生活」より抜粋 )
古い木造の校舎が、私の小学校時代を思いだしました。いじめられっ子だった9歳の少年・小豆子と、彼を助ける男気のある小石頭。男でも惚れてしまうのに、実は小豆子はLGBTだったのです。
そして…
「…小豆子は「女になれ」と老師爺(黄斐)に躾られ、数え切れないほど殴られた。彼らは演技に磨きをかけ、小石頭は段小(張豊毅)、小豆子は程蝶衣(張國栄)と芸名を改め、京劇『覇王別姫』のコンビとして人気を博す。…」 ( 「ぴあ映画生活」より抜粋 )
LGBTの小豆子は、惚れた男・小石頭とコンビを組んで恋愛劇を演じられる毎日。それは幸福なものでした。
しかし、小石頭は性的にストレートなので、小豆子の恋愛は実ることはありません。
つまりゲイの小豆子は、仕事をするたび、毎日、恋愛の成就と失恋を繰り返すことになったのです。
そして、いろいろあって…
「…77年、蝶衣と小は無人の体育館におもむき、11年ぶりに2人だけで最後の『覇王別姫』を演じる。舞い終わった時、蝶衣は自らの命を断った。」 ( 「ぴあ映画生活」より抜粋 )
当時の私は、蝶衣(LGBTの小豆子)が、恋愛成就を永久に固定するため、舞台が最高潮に達した瞬間に命を断ったのだと思いました。
それは失恋経験豊富な私の胸に刺さる衝撃のラスト。
今、もういちど観れば、もっと複雑な感情が彼の胸にあったことが分かるのかもしれませんが、当時の私にはピュアすぎる恋の物語と思えました。
★★★★★
追記
先日、ラジオを聴いていたら、この映画とは無関係な話ですが、「女優は恋愛ドラマの中では本当に恋をする」と女性DJさんが語っていました。
もちろん演技の上で恋愛をするのは当たり前ですが、女優の心には「恋愛スイッチ」のようなものがあって、ONにすると演技を越えた恋愛が出来るのだそうです。そうすると目の輝きが違うのだとか。
もちろん演技が終わるとOFFに出来るから良いのですが。
( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)