
#ネタバレ 映画「ぶあいそうな手紙」
「ぶあいそうな手紙」
2019年作品
ふと、映画「ライムライト」を
2020/8/11 8:33 by さくらんぼ
( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。)
居心地の良い映画というものがあります。
それが、まさにこの作品、映画「ぶあいそうな手紙」。
なのに、タイトルで損をしているようです。
「ぶあいそうな映画」だと勘違いしいて、敬遠する人がいないかと心配です。
でも、安心してください。
とても「しっとり」と作られており、ふと、映画「ライムライト」を連想する出来栄えです。
★★★★☆
追記 ( 映画「苺とチョコレート」の品格と優しさも )
2020/8/11 8:49 by さくらんぼ
マイナーな作品でしたから、ご覧になった方は多くはなかったと思いますが、30年ほど前に映画館で観た、LGBTの映画「苺とチョコレート」の、品格と優しさが忘れられません。
今回の映画「ぶあいそうな手紙」は、LGBTの作品ではないと思いますが、その空気が流れています。シナリオに映画「苺とチョコレート」の原作者セネル・パスさんが協力していると知り、納得しました。
追記Ⅱ ( ふと、映画「ライムライト」を )
2020/8/11 9:33 by さくらんぼ
( 映画「ライムライト」などのネタバレにも触れています。)
遊び人の少女が、ひょんなことから仲良しになった、視力の衰えた独居老人の家に入り込むのです。そんな、住処が定まらない少女は、日本の都会にもいそうですね。
最初は老人が「手紙の読み書き」を依頼する程度でしたが、老人とて男です。さすがに手は出しませんが、プラトニックな淡い恋心を抱くのですね。
ベッドの上に恋人同士のように並んで座り、少女が手紙の読み聞かせをするシーン。映画「セント・オブ・ウーマン/夢の香り」ではありませんが、老人は少女のぬくもりと匂いを楽しんでいたのでしょう。
少女のことを老人は秘密にしておきたかったのですが、彼女の男友だちや、自分の友だち、そして息子が来たりしてバレてしまいます。
そして、皆に奇異な目で見られることで、さすがに老人も年齢差を意識するようになるのですね。
この辺で別れてしまうのが映画「ライムライト」で、老人は哀しい結末を迎えます。この哀しさは人生の真実に近いですね。
でも、映画「ぶあいそうな手紙」では少々違います。
昨今流行りの!?スタイル。 悲劇の名作を、今風のハッピーエンドに焼き直すのです。
冒頭に手紙の伏線が出てきますが、その伏線が回収されるのですね。
少女を手放した空白を埋めるため、勇気をだした老人は、手紙の相手の一人、「亡き友人の妻」を訪ねます。
歓待してくれる妻。
老いたもの同士で新生活を始めるのです。
残された少女はどうなるのでしょう。
残された老人の息子とは、年齢的には良いカップルになりそうですが。
追記Ⅲ ( 「求めよ、さらば与えられん」 )
2020/8/11 9:48 by さくらんぼ
少女が老人と知り合うきっかけは、買い物帰りの老人が持っていた食品を、犬が食べてしまったからでした。
犬も、少女も、老人も、欲しいものは躊躇していたら手に入りません。
独居老人の男女は、世に沢山いるはずです。たとえ結婚していても、いずれ独居になることがあるはず。
そんな時、勇気を持っての一歩が有る無しでは、老後の幸せが違ってこようというもの(らしい)。
映画「ぶあいそうな手紙」は、そんな主題の作品なのかもしれません。
( ちなみに追記Ⅲのタイトルは、ご承知のとおり聖書の言葉です。 )
追記Ⅴ ( セネル・パスさんが協力の理由は )
2020/8/12 8:48 by さくらんぼ
>今回の映画「ぶあいそうな手紙」はLGBTの作品ではないと思いますが、その空気が流れています。シナリオに、あの映画「苺とチョコレート」の原作者セネル・パスさんが協力していると知り、納得しました。(追記より)
少女はボーイッシュなヘアスタイルをしています。
リアルではどのようなヘアスタイルをしても良いのですが、映画のヘアスタイルには意味があると思いますから、あれは男の記号なのかもしれませんね。
つまり少女はLGBTかもしれないということです。性格もサッパリとしたところがあると感じましたし。
それから、少女にはストーカーのようにつきまとう、らんぼう者風の元彼(?)がいましたが、元彼のほうが、どちらかと言えば女々しい性格をしていたようです。元彼もLGBTでしょうか。
微妙なことはよく分かりませんが、やはり、この映画「ぶあいそうな手紙」にも、LGBTにしか分からない、何か記号が忍ばせてあるのかもしれませんね。
すると、老人は少女と同棲していると思っていても、少女は少年だった可能性があるのです。
( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)