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#ネタバレ 映画「アメリカン・アニマルズ」
「アメリカン・アニマルズ」
2018年作品
友を選ばば、書を読みて、…
2019/6/10 22:40 by さくらんぼ
( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )
「 成長できない者にかぎって、飛躍したがるものである 」
( エリック・ホッファー )
飛躍したいという野心は、成長できない者が破滅する前奏曲だったのかもしれないのです。
映画「アメリカン・アニマルズ」を観たら、この言葉を思いだしてしまいました。
犯罪を楽しむ映画と言うよりも、映画「手紙」のように、心に刺さって、犯罪抑止力のある作品です。
破滅していく大学生たち。
本当に友は選ばなければ。
★★★★★
追記 ( リーダーも色々 )
2019/6/11 10:07 by さくらんぼ
「天安門事件」で戦車の前に立ちはだかった無名の男がいました。タイトルは忘れましたが、後に「タンクマン」と呼ばれるようになったこの男を、「リーダーとは彼のこと」と書いた本を読んだことがあります。( 今では、彼を轢かなかった戦車にも英雄がいたことに、気づく余裕も生まれましたが。)
その本では、「リーダーはまず一人で歩き始め、道すがら同士を集める(集まってくる)、その点で、童話『桃太郎』の鬼退治もそうである」と書いてありました。
しかし、「タンクマン」のような正義のリーダーもいれば、この映画「アメリカン・アニマルズ」のように、善人を、ローリスク・ハイリターンだと悪へ誘い、道ずれにして破滅させるリーダーもいるわけです。
昔から、若者には自由な行動が出来る、古い常識を打ち破ろうとする力がありますが、いつでもそれが成功するとは限らない。多くの老人たちは、その恐ろしさも知っているのです。彼らは老人の変装をしていますが、「もし本当の老人に相談していたら」と思います。
追記Ⅱ ( 痛いチラシ )
2019/6/11 17:26 by さくらんぼ
映画「アメリカン・アニマルズ」のチラシでは、老人の変装をした男たちの顔が鳥になっています。
そして、盗もうとした本にも鳥の絵が。
この男たち、
大学生ですが、服装は老人で、お頭は鳥並の生き物。
だから鳥を盗もうとした。
彼らは、人呼んで、「アメリカン・アニマルズ」。
と言うのは、チラシの解釈であって、私の悪口ではありませんので、念の為
追記Ⅲ ( イエスの言葉 )
2019/6/13 9:35 by さくらんぼ
この映画は実話であり、ラストには本物の4人が出てきて、一人ずつ反省を述べています。
彼らは(たしか)7年の実刑を受けたようです。盗みは未遂に終わり、本に被害はありませんでしたし、担当の女性をスタンガンで襲って、口と手足を縛りましたが、気絶したわけではなく、幸い大きなけがはありませんでした。
その代償として7年の実刑が適当なのか。日本と比較して少し重いような気もしますが、素人の私にはよく分かりません。
出所した今の彼らは、本(自伝?)を書いたり、自営業をしているようですが、さすがに大企業の会社員になっている者は、いないようでした。
イエスの言葉に、「あなたたちの中で罪を犯したことのない者が、まず、この女に石を投げなさい」というものがありました。演技ではない、本物の悔いる姿を見ると、犯罪を犯すことの恐ろしさを見せつけられると同時に、真に悔いている人たちを排除しない理想郷を夢見るのです。
( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)