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ネタバレ 映画「ジゴロ・イン・ニューヨーク」
「ジゴロ・イン・ニューヨーク」
2013年作品
ジゴロと書いて宗教ととく
2014/8/23 9:40 by さくらんぼ
( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )
ジゴロと書いて宗教ととく。
その心は…どちらにも本気で惚れてはなりませぬ。
そして、ジゴロは隠れみので、主題はシリアスな宗教の原理主義批判なのでしょう。
原理主義は恋愛の三角関係にも似て、それは、あなたを幸福には、してくれないと、遠まわしに言っているのだと思います。
たとえば趣味のサークルなどに通うと、いろんな人との出会いがあります。それは、とても新鮮ではありますが、反面、ストレスがたまったりもします。なぜなら、仲間の人生観が会社以上にバラバラな上、趣味のサークルには会社的秩序も少ないから。
うっかり自分の流儀(原理主義)でみんなを律しよう、などと思うものなら、トラブル必至です。
そこで、お経のように唱えるのは、こんな歌。
「いいかげんな奴らと 口をあわせて
俺は歩いていたい
いいかげんな奴らも 口をあわせて
俺と歩くだろう」
( 吉田拓郎さんの「イメージの詩」より抜粋 )
ホント、それくらい、いつもニコニコ、ゆる~い関係でちょうどいいんです。
そして、忘れていけないのは、この映画は音楽が最高にステキなこと。ジャズですね。サントラが欲しいくらい。
ジャズはご承知のとおり、アドリブの芸術で、どこかで読みましたが、ジャズを聴くと、人間関係まで上手になるのだそうです。ジャズのアドリブが心の柔軟性をアップするクスリになるのだとか。マレーは営業が上手ですからテーマ曲としてピッタリですね。
それから、ときどき3Pとかいうセリフが出てくるのに、あんまりHなシーンも無くて、まったくケシカラン映画だと思ったのですが、三角関係がこの映画のモチーフなので、それを使ったエピソードのワン・ピースとして挿入されているだけだったんですね。例えば、幼馴染と未亡人とジゴロ、もそうです。
私はこの映画が好きです。やっぱり毎日は楽しく生きなきゃね。
明日になれば良い事があると青春時代は夢想するんですが、明日になるだけでは良いことなど起こらないと、年を取ると悟るのですから。
★★★★
追記 ( 欠席する自由 )
2014/8/23 9:58 by さくらんぼ
>私はこの映画が好きです。やっぱり毎日は楽しく生きなきゃね。
勘違いする人がいるといけませんので、蛇足と承知で付け加えますが、これは大人にのみ許された、紳士・淑女の高度な行動規範内で行うものです。
たとえば成人式などで酒に酔っ払って、奇声を上げ、醜態をさらし、皆に迷惑をかけている人がいますが、人生楽しんだもん勝ち、と甘えてはいけません。
成人式の堅苦しい雰囲気に縛られるのが嫌なら欠席すべきです。そして、どこか迷惑にならないところで有志のパーティーでも開けばいいのです。成人式に出席して皆に迷惑をかけるのを自由とは言いません。
ちなみに私も堅苦しいのが嫌なので、その昔、迷うことなく欠席しました。
「欠席」が私の成人式の思い出です。
まだ式が粛々と行われていて、騒ぐものなどいなかった、古き良き時代の話です。
( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)