『ことば』という観点から読むシャニマス~第4部『小宮果穂の台詞表記』編~
お久しぶりです。青雪です。
「1月末はそろそろ霧子じゃないですかね、アンティーカP大変ですね」などと煽りながらストレイライトのニコ生を見ていたら芹沢あさひでしたね。動き回るメイドあさひがかわいかったし、ノクチル構成におけるフリー枠候補のようなので悩みます。あとかわいいし。
ていう下書きを最初に書いて、書き切らないうちにグズグズしてたら雛菜が来てしまいました。恒常でよかった……のだろうか。ただあのSSR演出はめちゃくちゃかわいい。ずるい。
今回もシャニマスの『ことば』に注目して考察をしていきます。「なんで?」が気になる方は第1部をお読み頂ければと思いますが、別に読まなくても平気です。
今回は『小宮果穂の台詞表記』です。
【第1章】なぜ台詞表記に注目するのか
なぜ台詞の表記に注目するのか、どこに注目するのかですが、それを説明するためにコミュの1場面を貼ります。
果穂の台詞では「おうえん団」と表記されていますが、プロデューサーは「応援団」と表現しています。
もちろん効果としては、果穂の子どもっぽさというか、幼さを表現したいものと思われます。でも「応援」って小学生でも読めないか・・・?
ということで、調べました。
小学校の学生指導要領には「援」が入っていませんでした。
もしかして、果穂の台詞はすべて学生指導要領に沿っている・・・?
了解の「了」も万端の「端」も、小学校では習わないようです。これは・・・。と思いましたが、例外もあるようです。
「多勢に無勢」=多(小学2年)、勢(小学5年)、無(小学4年)です。つまり、小学6年生の果穂は全ての文字を習っています。
ちなみに、あまりにも頻出なんで確認が遅れましたが、「ちょこ先輩」の「輩」は中学生で習う漢字なので、実は果穂はまだ習っていません。
つまり「小宮果穂のひらがな表記は小学校の指導要領準拠ではない」ということです。それならば、ひらがな表記も表現として使用していることになります。
次に、ひらがな表記を採用する理由についてを考えていきましょう。
【第2章】ひらがな表記の採用理由を考える
一般的な文章表現として、ひらがなでの表記に対しては幼さやぎこちなさを感じ取ることができます。
ただし果穂のひらがな表記は固定的な「小学6年生」に焦点を当てたものではないようですので、状況ごとに狙いがあるものと思われます。これは台詞ボイスにも表れています。
先ほど例に挙げた「たぜいにぶぜい」の台詞も、言葉をゆっくりと、強調して発音しています。これにより、普通に「多勢に無勢」と表記・発音した時とは異なる印象を聞き手に与えています。
では、下記の表記はいかがでしょう。
ボイスを聴くと『効率的』もゆっくりと強調したような言い回しで、ぎこちなさを感じます。ただし、ここでは「こうりつてき」ではありません。ちなみに『効率的』も小学校5年生までに全ての漢字を習います。
同じようにちょっとぎこちないボイス、同じように『』で括られたことばですし、カードが同じ(=コミュが作られた時期が同じ)ですので、このふたつで異なる表記であることには意図があるものと考えられます。
また、どちらも使用方法に間違いが無いので「理解していない言葉を使っている」という解釈は取りません。
【第3章】『効率的』はよくて『多勢に無勢』はダメ?
前章の2例にて差がある仮説を立ててみます。ちなみに比較はあくまでも「表記」ですが、「ボイス表現」も重要な比較要素となります。
仮説① 『効率的』はひとつの単語だが『多勢に無勢』は慣用句である点
最も予想される理由がこれです。しかし「単語ではないこと」がひらがな表記には直結しないので、もう少し追求する必要があります。例えば「使い慣れていない」ことが要因にはなるかもしれません。
つまり
仮説①改 『多勢に無勢』という慣用句は果穂にとって非日常的である
という解釈はあるかと思います。
仮説② 『効率的』を強調したかったことによるボイス表現である
次に考えられるのがこちらです。つまり「あくまでも果穂が"効率的であることを強調したかった"という表現であり、『多勢に無勢』の強調ボイスとは類似していない」ということです。
果穂は作中でも6年生としては十分に賢い子として描かれており、効率的という表現が自然と発せられても強い違和感はありません。ただ言葉選びとして大人びすぎる印象を感じることも事実です。
そのため若干背伸びした言い回しを意識して、あのようなボイス表現になったという解釈です。これも十分納得がいくものと思っています。
どっちも同じじゃね?と考えたあなたは正しいです。こんな文章を真面目に読んでくれてありがとう。
仮説として「表記が違う」ことと「ボイス表現が違う」ことからアプローチしていますが、私の解釈ではどちらも「果穂にとって非日常的な表現である」がゆえに差があるとの結論が出てしまいました。
要約すると、以下の通りです。
『効率的』
→言葉は普通に知っていて(漢字表記)、強調したい気持ち(ボイス表現)
『たぜいにぶぜい』
→言葉に親しみが無く(ひらがな表記)、日常的に使わない(ボイス表現)
別の例で新たな仮説が立てられるのか考えたいところなのですが、残念ながら時間が取れず例が見つかりませんでした。
他にもあった気がするので、見逃してるのかもしれません。見つけた方は教えて頂けるとウキウキで上記の仮説と比較します。
【終わりに】果穂の台詞を書いてる人も表現してる人もすごい
今回もわかったような、何も進んでいないような結論となりました。当然ながら他の解釈もあるでしょうが、これだけ考えることができる台詞の完成度の高さは素晴らしいと思います。
果穂ならどんな言葉を使うのか、どんな言い回しをするのか、それがどういった心情から発せられているのか。キャラクターを突き詰めていなければこの考察は成り立ちませんでした。
それが23人分(+Pや社長やはづきさん、その他登場人物も含めるともっと)に対して行われているのですから、制作陣の熱意には尊敬しかありません。
その熱意をもっと追求したいと思いますので、次回もことばに着目して考察を進めます。
次回もまた未定です。透、果穂の台詞の一部分に着目したので次はまた別ユニットに注目しようかと思います。
それでは今回はこの辺で。
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