親子の距離感。
aoykmです。今日は、私の働いている塾に通うある生徒の話を少し書こうと思います。
ある生徒は、テスト1週間前に夜10時半まで一人で自習をしていました。本人の意思ではなく、お母様の指示です。
「学校のワークが終わるまで、毎日10時半まで残らせる。」という連絡をいただきました。
自習の様子を覗くと、その生徒は「ワークを終わらせれば帰れるから、全部適当に書いた。」と言っていました。
実際、ワークには途中式は一切なく、問題も全く読まずに適当に数字が書いてあるだけでした。
塾講師としてきちんと注意し、やり直しをさせなければならないと、分かっていました。
でも、親にあれこれ指示され、それに従うことしかできないその生徒の苦しい気持ちが私にはよく分かります。
その時注意したとしても、きちんとワークをしないことも目に見えていました。
「今適当に書いてても、テストに出てちゃんと書けるならいいよ。」と言いました。
すると、解き方が分からないところをいくつか教えてくれて、そこを解説しました。
それから数十分ですが、その生徒は自分の意思で勉強しました。
その生徒は、お母様に「○○高校に合格できなかったら、留年させてもう一度中1の内容からやり直させる」と言われ続けていたそうです。
お母様が、お子さんを残らせるのも、勉強に関して色々な指示をするのも、全てお子さんのためだと十分に分かっています。
ですが、その生徒を見ていて、それがいい方向にはたらいているとは私には思えませんでした。
あれこれと指示をされ、窮屈な空間で生活をしていることの反動が、勉強に対する意識や、大人への信頼の無さに出ているなと私は感じます。
それが、その生徒が勉強をしない理由の一つでもあると思います。
こういう場合、どのように対応するのが正解かは、私には分かりません。
ですがもう少し、お母様にはお子さんのことをちゃんと見てほしいなと思います。
私は、親に与えられた選択肢を、ずっと選択肢だとは思えませんでした。そうしなければならないものだと思っていました。
親の意見に逆らって自分の意思に従って行動することは、自分勝手なことだと思っていました。
「親の望むようにしたい」と思う子も一定数いると思います。
子供に自分の意志で選んでほしいなら、子供に分かりやすくそう伝えてあげてください。
子供の人生は子供の人生であり、親は子供に通る道を用意するのではなく、ひとつの選択肢を与えるべきだと私は思います。
親はひとつの選択肢として提案しているつもりでも、言い方によっては子供にどう伝わっているかは分かりません。
(親の立場になったことがないので、、、不快に思われた方がいらっしゃったらすみません。)
難しいですね。。。
この記事が、親子の距離感に関して少し考える機会になったら幸いです。