体幹⑩ 足底
体幹⑩ 足底
<アーチの役割>
・トラスト機構
足底アーチの役割として、1つは足部へかかる着地の衝撃の吸収である。足底腱膜の伸張、アーチ構造の潰れにより緩衝作用を持ち、足部だけでなく下肢から脊柱への荷重をスムーズにさせている。
荷重曲線を考えると外側アーチ→横アーチ→内側アーチの順に荷重が誘導されるため、どのアーチの崩壊も固縮も機能低下につながると考えられる。
・ウィンドラス機構(巻き上げ機構)
アーチのもう1つの役割は足部の安定である。ターミナルスタンスからプレススイングの際に足趾が伸展(背屈)することで足底の筋、腱によりアーチが持ち上がり剛性が増し足部を安定させる。
特に内側のアーチの母趾の巻き上げは歩行やランニング動作時の蹴り出しにおいて重要である。
<内側縦アーチ>
・内側の縦アーチは通常3つのアーチの中で最も重要とされ、踵骨、距骨、舟状骨、内側楔状骨、第一中足骨で形成される。正常では舟状骨をトップに、その舟状骨の位置が正常位置より高いとハイアーチ、低いと扁平足とされる。
・機能的に「距骨、舟状骨、内側楔状骨」tじょいう舟状骨前後の足根骨の配列を狭義の内側アーチとして考える。この3つの足根骨が造るアーチを機能的な内側アーチとして考えることでアーチの状態把握をしやすくなる。
<内側アーチと長母趾屈筋>
・内側のアーチはターミナルスタンス時に母趾への荷重が誘導される際に最も働き、ウィンドラス機構によって剛性を高める。
その際に特にアーチの剛性や安定性に関わる筋肉が長母趾屈筋であり、筋走行は極めて特殊であり理解が必要である。
・長母趾屈筋は母趾末端から腓骨へと筋走行をとり、途中内果の前下方で長趾屈筋とクロスする。「下腿屈筋の深層繊維で唯一距骨の後方内側を通るため距腿関節の関節運動に影響を及ぼす」
<足関節と下腿骨間膜>
・下腿屈筋深層繊維は下腿の骨間膜から起始し、足底へと走行するため骨間膜の緊張は足関節の背屈制限の原因となる。
下腿骨間膜は脛骨、腓骨の間に張り、基本的な膜繊維の流れの方向は脛骨から外側下方であり腓骨の過度下方偏位を防ぐ。
・前脛骨動静脈、腓骨動静脈を通しているため、血管絞扼の原因となる。
1.足底筋リリース
2.長母趾屈筋リリース
3.長母趾屈筋ストレッチ
4.下腿骨間膜リリース