【38話】オンラインポーカー【まだ人間?】
-前回の続き-
オンラインの世界でも毎日ポーカーで莫大なテラ銭が上がっている。
自分が過去に大きく関わった事があるのは2ヵ所のクラブで、どちらも関東発祥のクラブ。北海道勢数十人のプレイヤーと関東の胴元を繋げる「エージェント」という立場で参加していた。
自分でアカウントを勿論持っていたので、プレイする事もできたのだが、どうもオンラインは性に合わなく、ライブで知り合い相手にプレイするのはまったくティルトしないのだが、どうもオンラインだとダメなようで雑になってしまう傾向がある。
というのは建前で、黙っているだけでもレーキが上がるから何もしないだけ
昔初めてエージェントをやった時はレーキは3BBキャップの3%が上限だったのだが、今では5%まで取れるようになった。
3%の時代でも週間でクラブは800万近くの収益を上げていた時もあったので、もはやライブよりも大事に胴はオンラインのテーブルを稼働させていた。
1つのクラブには数名~数十名のエージェントが存在し、エージェントの下に複数名のプレイヤーが存在する。プレイヤーが上げたレーキの数十パーセントがエージェントに落ちる代わりに、金銭のやり取りを管理する。
リスクはプレイヤーから金銭を受け取らずにチップを先につけてしまった場合に、プレイヤーにトンズラされる事と、胴元に裏切られる事。
その2つさえなければ、基本的には黙っているだけで毎週チャリンチャリンとお金が落ちてくる。
まぁ大体稼働が夜中なので、深夜に「チップ頂戴!」みたいな連絡に、レス良く対応しなければならないのと、アウトがやたら細かいプレイヤーにはかなり振込みのやりとりが多くなる。
振込手数料くらいは気にならないのだが、一度だけ、あまりにも個人間の大きい金額のやりとりが多すぎて、楽〇銀行から電話が来た事がある。
尊敬する金貸しの先輩から聞いた情報を元に整理すると、楽〇銀行は特定のタイミングで個人名での7ケタ以上の取引が多い口座相手に電話によるヒアリングと、場合によってはどのような金銭のやり取りかを証明するエビデンスを提出要求される場合があるらしい。
次第によっては半年以上の口座凍結が執行されるとの事
他にも色々詳しい人から話を聞けて住〇のネットバンクが一番凍結リスクが無いという事でそれに切り替えてからはそのようなトラブルは無くなった。
手前味噌だが金銭のやり取りはかなり丁寧に対応してきた。
振り込んで欲しい金額は起きている時間ならば麻雀中だろうが、映画館で映画を観てようが、大至急ネットバンクで振込み、反映が翌営業日になる銀行相手には振込のスクショ画面を送ってあげた。
銀行を使いたくない人には市内ならどこへでもお金を届けたし、逆に預かりにも車で駆け付けた。
また、待って欲しいお金はなるべく待ってあげるようにしたし、基本的に個人的な繋がりのある人間が、信用できる人間の紹介しか相手にして来なかったので、プレイヤーに裏切られる事は無かった。
そうして集客力と信用度を認められて、このコロナ渦に発足したクラブにもエージェントとして誘ってもらい、若干のトラブルもあったが、結果はちゃんと収益の出る形でクラブが潰れるまでは関わる事ができた。
クラブの殆どは、胴元の金銭の取り扱いのだらしなさか、あるいは純粋なレク勢を、専業が食い荒らしてしまい徐々に廃れていく。
もし、よーいドンで自分がクラブオーナーとなり、ビッグクラブを作ろうと本気で動いたなら、日本最大のコミュニティを作れるような自信が少しあるけど、今は自分の稼働時間に余裕が無い。
いつか、世界一辛くて、世界一甘い、オンラインポーカーコミュニティを作れたらと少し思っているけど、それはしばらく先の話になりそうだ。
-続く-