【46話】闇スロ②【人間廃業】
済んだバカラの話は終わりにして、少し前に共通の友人の出店祝いとして、ポーカー専業の先輩と一緒に東京のアミューズに遊びに行ってきた。
折角の遠征という事で、パチスロでも遊びに行こうかと、夜20時くらいに六本木のホテルを出発し、コロナ過の繁華街へGoToチケットをタク代に意気揚々と出発した。
以前遊びに行ってアテのあった闇スロは少し前にガサが入ったとの事で、新宿を根城に活動する友人へ、「どこかスロットで軽く暇つぶせる所を紹介して欲しい」と電話を入れると、事務所が近いから案内してあげるとの事で、親切にわざわざ迎えに来てくれた。
元は一緒にコッチでライブポーカーに明け暮れていた彼と久しぶりに再会したのだが、誰か見られたくない相手でも居るのか、パーカーのフードを目深に被り、もともとキツい目つきはより鋭さを増していたような気がした。
日本最大の繁華街のストリートを地で行く彼は、年齢的に結構後輩なのだが、知らない相手ならまぁ近付かない感じの見てくれだ・・
龍が如くでいうところの↑の場所、通称「ホス看前」から歩く事2分、目的の場所、闇スロット「モ〇〇〇〇」へ到着。
そこまでの道中で色々な話を聞いた。
ポーカー界では著名な先輩と僕の2人のだったので、目的はポーカーハウスじゃなくて良いの?と聞かれたが、ちょっとポーカー気分ではなかったからと伝えると、最近のポーカーハウスはとにかくイカサマが横行していて、安全に紹介できる場所が少ないとの事。
バカラ場も同じくで、最近のアングラギャンブラーではインカジ屋が流行りらしく、サビガジりで結構遊べるけど紹介するかいとの事だったが、そんなに長くは滞在しないから今回はいいよと断った。
もちろんこの時は例のイカサマの話を知る前なので、後に納得するわけなのだが・・・
闇スロは21時開店、翌朝の普通のパチ屋がオープンする朝9時まで営業が普通だ。(ギャンブラー暇無しである)
到着した時はちょうど開店10分前くらいで、雑居ビルの非常階段前にすでに行列ができていた。
どうやら今日はイベント日だったようで、整理券を引きに多くの人が集まっていたので、このへんは普通のパチ屋と変わらないのが面白い。
整理券を配る前に店員が、マスク着用のチェックと、検温、アルコール消毒まで徹底していたのは結構笑えた。
こんなところに抜き打ちで保健所が入って、「ちゃんとコロナ対策しなさい!」なんて行政指導なんてされようものなら、客も黒服もみんな立ち上がって「そこかい!」って平手打ちでツッコむところだ。
新規顧客には身分証と携帯電話番号のチェックまで行っており、昔と違ってかなり慎重にやっているようだ。そこまでやって私服警官と分別がつくのかは謎なのだが・・
番号付きの棒を引かされて、サイコロを2回振る謎の宗教のような抽選方式を行い、どうやら僕の42番は運良く、かなり早めの入場となった。
「沖スロの7台シマに必ず⑥入り」、というイベントで、僕は丁度1台空いていた40スロ(コイン1枚40円)の南国育ち(表)に座る事ができた。
投資もそこまで入らずに初当たり1発目からバタフライランプ点灯to3連という好調な滑り出しだったが、うろ覚えな当時の記憶を思い出すも⑥の挙動にしてはちょっと不自然、単発を挟んで飛ぶのだが、2単挟んだり、4連が連飛びしたりと、出玉はあるけど変な動き。
数時間経ち、⑥の可能性は薄ーく僕の台か左カド2のイミソーレの2拓になっていたが、どうやら軍配は向こうのようだ。
ちょこちょこ黒服が後ろに来て、僕の台のデータカウンターを勝手にいじって「おかしいですね笑」とか「このカドの南国ってみんな変な挙動するって言うんですよ笑」とか話しかけてくる。
ぶっちゃけ闇スロなんてホールコンありきだと割り切っているので、適当に合わせて笑っていたが、最後の2単からの2連ストップで辞めた。
一方相方の先輩は40スロ大花火(裏:関西爆裂バージョン)とかいうわけのわからない台にめちゃめちゃお金を突っ込んで2000ゲームくらい回してレギュラー2回引いていた・・・
その隣で兜(裏:チェリーバージョン)で少し暇を潰して、僕は5万くらい勝ち、たくさん負けた先輩に安い焼き鳥を晩飯にご馳走してホテルへ帰った
※余談だけどこの「兜」の筐体のthere is no regret of a piece!! ってのが凄い格好良くて好きなんよね
こういうご時世でも人は朝方までたくさんだった。
僕は国の偉い人でもなんでもないので、自粛できる人は自粛して、若くて元気と金のある奴は勝手に表へ出て金を使って経済を回せば良いと思っている。
焼き鳥屋で男女わいわい楽しむシティボーイ達、闇スロで気合を入れてレバーを叩くオジサン。表の世界も裏の世界もコロナには負けていない。
いつか子供の教科書に載り、「あったね~コロナウイルス、懐かし~」なんて笑い話をできるようになる日がきっと来るだろう。
~続く~