【34話】仮想通貨②【まだ人間?】
-前回の続き-
Tさんからの電話で詳しく話を聞いた。
この先輩は信用できる人だ。
話を要約するとこんな感じ
ICOという新規公開予定の仮想通貨を購入できるらしく、これは通常日本国籍の人間は買う事ができないらしい。
話が来たのは某繁華街の俺でも知っている有名なホスト兼オーナーで情報の筋としてはしっかりしている
購入して予定通り上場すれば少なくても5倍、良ければ100倍近い高騰を期待でき、しかも同じパターンの過去例で確かに同様の値上げが発生している事が確認できている。
このホスト兼オーナーはTさんに借りがあり、この期に及んでTさんを騙す可能性は無く、本人も逃げる所なんて無い。経営も順調で金策に困っている様子とかは無い。
この案件に金を投げてみないかというものだった。
過去に失敗をした俺も確信的に「コレはいけるぞ」と判断した
購入する権利に枠があり、元々そんなに大金を投資する事はできなかった。
結局相談の上、俺とTさんは100万円、俺の相方のYは30万円、もう一人の先輩のBさんは10万円という配分で投資する事にして、指示通り、一旦現金をビットコインに替え、指定の口座(電子ウォレット)に送金し、上場のXデーを俺達は待った。
しかし当初の予定の月には上場しなかった。
待てど暮らせど上場の気配は無い。
「来月こそは!」という情報が流れては、「延期になりました!」みたいなアナウンスがあり、俺らは殆ど狐にでもつままれたと思って諦めていた。
話を持ってきたホスト兼オーナーの彼は1000万投資しているというのだから、俺らも文句は言えない。
と、この34話まで読んでくれているもの好きな人は「どうせ前回と同じ失敗談でしょ」と思っているだろうが、今回は一味違う。
なんと俺達のコインは無事上場したのだ
俺達は億万長者だ。
老後はバハマに別荘でも買って、コロナビールでも飲みながら美女を抱いて過ごすのだ!ガハハ
さて、この綺麗な直線美のグラフを見て欲しい
俺の100万円は上場した瞬間に1万円になった
すっごいね仮想通貨!!
母ちゃんごめん!!
-続く-