【告知】シラスでのお勉強会【オリジナルってなあに?】
またまた大槻香奈さんのシラスに呼んでいただきました。今回は『日本現代うつわ論』を作るゆめしか出版メンバーとしてですね。
みんなで気楽に芸術に関するお勉強会をしましょう、というお茶会の配信です。(入れ子構造でうつわ的な告知文!)
有料配信ですが有意義な回になればいいなぁとレジュメも準備しました。みんな好きですよね?芸術における「オリジナル」の話。
干支も二周目に入るくらい古い話にはなりますが、大学では哲学を専攻しており、卒論は『音楽における模倣』で書きました。
当時バンドをやってライブハウスに出演したり音源を作ったりいろいろやっていたのですが、そうすると自分たちが「オリジナル」と思ってやっている音楽は果たして本当に「オリジナル」なのか?「オリジナル」と言える条件は何か?と自然に考えるようになります。
そして自分は「オリジナル」な表現をしたい、という欲求も強くありました。
自分にとっては切実な問題でしたが、哲学や美学、あるいは美術史に触れたことのある方ならご存知の通り「オリジナルとは何か?」とは非常にラディカルでハードコアな問いです。足の踏み場もないくらいの茨の道です。流派によっては問いの成立可能性も問われるでしょう。
学部生程度が真っ向から「オリジナルとは何か?」と問うと広大すぎるのでまずは「オリジナルでないものは何か?→模倣とは何か」と問うことにしたんですね。まずは手近なところから耕すことにしたわけです。
しかし当時は音楽ばかり聴いて過ごしていましたので、言うなれば鍬一本で土を掘り起こすことになり、結局「この土地で作物を収穫するのは大変だ」程度のことしか書けず、謎は謎のまま社会に放り出されました。
時は流れ、今は陶芸や絵画など様々な芸術に多角的に触れて仕事をしながら感覚をインストールし、様々な創作活動のそれぞれの話を聞き、あるいはそれなりにいろんな本も読みながら考え続けてきました。
同じ問いに対して、ここはまぁ芝刈り機を使ってもいいや、とかあの辺りは焼いて肥料をまいた方が良い、みたいな塩梅もある程度分かり、小さな畑くらいは作ることができるようになりました。解決したわけではなく、その問いを抱いたまま別の形に移し替えることもできるようになったということです。
それがうつわ本でもありますし、このお茶会はまたその畑に種を蒔くような勉強会になるのではと思います。
カボチャの種を蒔いたつもりがアボガドができたみたいなことになるかもしませんが、それはそれで美味しい収穫です。
ということで何かしら実りある回になればと思いますし、そのためにはコメントとかご意見とかで盛り上がれば良いなと願います。
先にちょっと触れたように「オリジナルとは何か?」と問うと哲学と美術史の領域が交錯し、さらには著作権という非常に複雑な成り立ちの話が姿を見せ、さらにはそれらが作者の実感とは異なる、もっと言えばその作者の実感すらも人によって異なるために、筋道を整理しないと議論が成立しません。
だからこそお茶が必要です。茶飲み話です。
皆さまのご視聴とご参加お待ちしてます。
追伸:明日5月25日(土)は写真家でモデルの七菜乃さんとの配信もあるそうですよ。
これも面白そうですのでみんな見ると良いです。僕はリアルタイムは無理ですがアーカイブでみます。