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設営の終わり、展示の始まり

今日は大槻香奈さんの個展『死んじゃいけない星』の設営日だった。

設営の日はいつも二、三日前から眠りが浅くなる。「どんな風に作品を展示しようか、あの作品をここに展示するなら、その隣はあれで、いやそうするとここに出す作品が、でもあの作品はここにすると絶対見映えが良いから…」ということが頭から離れなくなり、常にうっすら展示構成を考えていることになる。
そうやって考えたことの半分は捨てて、半分は採用する。
結局のところ、その場で体を動かして、ギャラリー空間の中で作品を体験しながら作るのが一番良いのは分かっている。しかし徹底的に考えた上でのその半分が大事で、それがきっちりハマると空間が力を持つ。
綿密に練られた美術館展示とは違い、ギャラリー空間はアドリブの効くライブ空間だ。いかに作品同士の共鳴から豊かな和音を作るか。そこからどんなメロディラインが聴こえるようにするか。どれだけを鑑賞者委ねるか。考えることは無限にある。

ましてや今回は大槻さん。
前回の個展終了後から毎年一緒にチームの一員として『日本現代うつわ論』を作り、その間に行われた都内の個展はほぼ覗いている(はず)。受け取っている情報量も多く、ゆえに分からなさの大きさも何となく分かる。面白さと不思議さと僕の理解と。
しかも展覧会前にかなり長めのインタビュー記事も作成した。

個展というのは、その時の作家の全部がやってくる。その全部をどれだけ、どのように見せるか。とにかく今日は疲れた。頭が空になった。
ぜひ展覧会にいらしてください。
きっとじっくり覗き込んだあなただけの物語が見つかるはずです。そんな展示になったはず。そうなる事を祈ってます。

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