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展覧会の前日にすること思うこと

展覧会が始まる前日にはいつもお花とお菓子をたくさん買い込む。
白白庵から表参道方面に抜けて、いくつかあるお花屋さんと、いろいろあるお菓子屋さんをその時にしっくりくるものを目指して巡る。
会場を素敵に仕上げるために、そして翌日からの来客のためにとたくさんのお花とお菓子を抱えていると何か善いことをしている気分になる。
世界を少しだけ美しくして、誰かを少しでも楽しませるためのことだからきっとこれは徳を積んでいるんだ、とすら思える。

特に今日みたいな初夏の陽気で買い出しに行くと最高。最高。
ウキウキと会場に花をいける。

白白庵での展覧会は土曜スタートで、基本的な会場設営はその前の木曜に行う。
金曜は大体自分一人で、お花をいけて会場撮影をしつつ、オンラインショップの情報も整える。
会場の細かい部分を調整しながら、オンラインのデータと店頭で実際に並ぶ作品たちを独り占めして吟味する時間となる。

作業量は多いし、修正すべき点を探したり、抜け漏れがないかをチェックしたりとシビアな視線が要求されるけれども、この準備日が自分にとっては重要で、会場の隅々までを自分の身体感覚にインストールするタイミングでもある。
朝から晩までの時間経過の中で作品がどう見えるかを観察しながら、よりよい見せ方を探る。この箱のことはだいぶ、というか誰よりも知っているので、木曜の時点であらかた予測はつくけれども、作品そのものにはいつも予想もつかない何かが潜む。並べてみると気づく面白さもたくさんある。朝と夜での顔も違う。
明日からどんな風に来場者を出迎え、それぞれの作品について話を求められた時にどんなことを言うべきかを考える。

書きながら思ったけれども、買い物以外では誰にも会わずに作品と向き合うことができるこの展覧会前日が作業スケジュールの中で一番好きかもしれない。贅沢な体験をしている。

とはいえ展覧会が始まればそんな呑気なことも言ってられず、賑わってもらわないと寂しいし何より困る。

ひとつひとつの展覧会には、そしてそこにある作品それぞれには作家のあらゆることが詰まっている。たくさんの人に見て触れて楽しんでほしい。

明日からはツタンカーメン堂『神秘の世界展』
インタビューも作成済み。謎に包まれている。神秘的。

先週までの『死んじゃいけない星』とはガラッと変わるけれども、それも白白庵の醍醐味。
そして先週の内容は再構成して三階へ。同じテーマを全く別の展覧会として再編完了。

全フロアとても見応えがある。
最高。

明日からよろしくお願いします。


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