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大槻香奈作品集『ゆめの傷口』出版記念展@神保町画廊

大変お世話になっている大槻香奈さんの新しい作品集『ゆめの傷口』が出版された。素晴らしいことです。おめでとうございます。
白白庵で僕が撮影したデータも使って頂いているのでこっそり誇らしいです。

書籍になることで、情報の届く距離と時間は遥か遠くまでを可能性として含むようになるので、夢があるなぁと思います。

そしてその出版記念展が神保町画廊にて8月2日(金)よりスタート。初日を逃すと最終日まで行けないと気づき、長めの昼休みを取ってオープンとほぼ同時にお伺い。

撮影可エリア、覚えのある作品

作品集装画の作品は、うつわ的な両義性を感じさせる素晴らしいものでした。
描かれたものであることを示す画面表層の筆跡やテクスチャーと、その向こう側にいる少女の像は実在感を持って視線を投げかけてきます。
背景は霧中あるいは光に包まれているような幻視感覚を想起させつつ、故に少女の存在がより力強く浮かび、画面の向こうのすぐそこで、鑑賞しているこちら側との境目で夢と現実がせめぎ合っている、という印象。
表情から何が読み取れるだろうか、何を思っているんだろう、と眺めているといろんな可能性が浮かび分からなくなります。結局のところそれは眺めている僕の心の動きであって、ある種の禅問答のように、確かな心の震えとその捉えきれなさを示してくれます。
この分からなさも大槻さんの作品の力であり、イラストレーション少女画との違いでしょう。
などと考えているうちに昼休みを切り上げる時間に。
ポートレートは6点。会場はポートレートサイズ以上の作品がメインで、点数は少ないながら情報量たっぷりで見応えのある展覧会でした。
とてもじゃないけれど時間が足りなかったので最終日にもう一度行こうかと思います。

そして画集掲載の、白白庵でたっぷりと眺めたいろんな作品たちも、場所が変われば全く違う作品として目に映ります。目に入るディテールのポイントが変われば全体のバランスも変化して見えるわけで、あれだけ眺めたのにまだ知らないことがたくさんあることに驚かされます。

会期は8月11日(日)まで神保町画廊にて。
会場で先行販売、オンラインや書店ではもう数日後に入手可のようです。

画集を手に展覧会へ。
きっと圧倒されます。

この画集のデザインはナツメミオさん。
『日本現代うつわ論』各巻のデザインも担当のナツメさん。
会場では『日本現代うつわ論』も各巻お取扱いいただいてます。
こちらもよろしくお願いします。


大槻さん在廊日にはサインも貰える。
一番乗り。やったぜ。

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