朝日新聞のフェイクニュース
(2020年4月2日)
今まで私はマスコミ報道を批判する場合でも特定は避けてきた。報道の自由を尊重する立場からだ。
しかし、このニュースは、新型コロナウイルス感染拡大を阻害する誤導であり、フェイクニュースとすら言えるものなので、敢えて特定した上で批判させていただく。
それは、「布マスクは有効?WHOは「どんな状況でも勧めない」と題する記事だ。
公正のために内容を詳しく紹介し、分析する。
記事はまず、専門は植物学・生態学である大学教授を、そのことは秘した上で「生命科学」といかにも医学分野の専門家であるように紹介た上で、布マスクは折り目のサイズが大きいだの、管理が悪いと雑菌がはびこる可能性があり不衛生になる可能性があるだの一般論を述べさせることから始まっている。この方のマスクに関する意見は当たり前のもの、マスクをよく洗濯すれば良いだけのことだ。
次に、5年前の出典も論文名も著者名も不明な英国医学誌の論文とやらを紹介する形で、医療用マスク、布マスク、マスク(おそらくは不織布)のをつけた人を比べて布マスクがもっともインフルエンザ症状などを示した人が多かったとしているが、これもまた当たり前。
装着者の感染防止という観点からすれば、医療用マスクがもっとも性能が良くなければ困るし、当然の結果。また、不織布が次に優れていることも予想はできるが、そもそも医療用を除き、マスク装着は自分への感染防止のためにするのではなく、他者への飛沫感染防止のためのもの。そこに異論を挟む日本の医学者は見たことがない。
そして、WHOの見解として、新型コロナ感染拡大期における布マスク使用について「いかなる状況においても勧めない」と助言しているとも書いているが、これは正確には「いかなる種類のマスクの使用も推奨しない」という少し前の見解(読売新聞)。別に布マスクに限った話ではないし、着用者自身への感染防止効果に着目してのものだ。しかし、現在では、WHOは飛散防止の観点(感染者からの拡大防止ができるので、感染拡大防止効果がある)からマスク着用の効果を認める方向で検討を進めている段階だ(BBC)。
もっとも作為的なのは、記事の最後にとってつけたように、まさに専門家である公衆衛生学教授の「「他人にうつさないという目的のためには『つけないという選択肢はない』」との一番大事な専門家のコメントを紹介しつつ、これは無視して、冒頭に紹介した「布マスクは有効?WHOは「どんな状況でも勧めない」」という煽動的なタイトルを付けているのだ。とても天下の朝日新聞が、今この時期に、日本の命運を左右するような問題について書いた記事とは思えない。著しく誤導に満ち、読者を誤らせる。
この記事を書いた記者は、自分のしたことの意味がわかっているのだろうか?
今は、欧米諸国から新しく輸入された変異型のウイルスが日本で火がついたように流行し始めている時期。あのトランプ大統領がこれからは「地獄の2週間」になると呼び、2週間後にはアメリカで8〜20万人もの死者が予測されている、まさに地獄への道を日本も辿るか否かへの分岐点に我々は立っている。
そんな折、1億枚もの布マスクを配ることによって、公共スペースにいるほぼ全員がマスクを付けて、自分への感染防止ではなく、飛沫による他者への感染拡大防止を図ることによって、結果自分への感染防止も図るという、政府の渾身の政策を無にして、日本を地獄に導くかも知れないような誤導に満ちた記事を朝日新聞は平然と公にしているのだ。
既にこの記事はSNSで拡散され、誤った認識が日本中に拡散しつつある。
朝日新聞は一刻も早くこの記事を訂正・撤回し、正確な記事を記すべき。朝日新聞は、日本を悪夢に導いた戦前の誤導の歴史を今また繰り返すのか。
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