夫の怪我と入院と。(2)
昨日の夕方から麻酔説明が始まり、夫の腓骨骨折の手術が無事にすみました。
基本的には、プレートとスクリューで折れた部分をぴったりと接合するというシンプルな手術ですが、もし関連する足首の靱帯が緩んでいる場合は、隣接する脛骨を腓骨と一緒に貫いて一本ボルトを通す必要があるかもしれないこと。
その場合は、再度、ボルトを抜く手術をする必要があることをお聞きしていました。
プレートもやっぱり後々には外す手術が必要なんだけど、こっちは2泊3日くらいでいける手術なのだそうです。
結果的には、予定していたベストな状態で、腓骨のみのプレート&スクリューで処置ができました。
術後のカンファレンスで執刀医の野瀬先生から画像を見せていただいたら、あんなに哀しくぎざぎざに折れてずれていた部分が、どこかわからないほどの素晴らしいくっつきぶり。
おおおおおお!!
と思わず叫んでしまいました。笑。
執刀主治医の野瀬先生に加えて、もともと外来で飛び込んで、退院後は在宅リハビリ通院することになる大森整形外科の大森先生まで、わざわざオペ応援に来てくださったというありがたさ。
心から感謝です。
実は、夫の場合、骨折のための足の骨折そのものは野瀬先生も何百(何千かもしれないけど)と執刀してきた術例ですが、一つだけ懸念事項がありました。
夫は、今年の4月に、狭心症のため2度のカテーテル手術でステントを入れています。術後は、というか、これから生涯、血栓をつくらないように血をさらさらにする薬を毎日2種類服用しなければなりません。
「手を深く切ったりすると血が止まらなくなるので、くれぐれも怪我には注意してください」
退院時に、重ねて言われていました。
脳梗塞や心臓疾患の方には、同じようにその薬を飲んでいる人が多いと思います。脳梗塞で倒れた実父も、生前はずっとそうした薬を常飲していました。
でも、外科手術となるとメスを入れておこなわれます。当然のように出血がある。できるだけ出血を抑えるように太ももを強めに止血はするけれど、その薬を飲んだままでは手術の危険性が高すぎる。
まずは、その薬を身体から抜いて、血が固まる身体に戻す必要がある。そのために手術前に1週間かけて薬をまず抜くところから入院生活は始まったというわけでした。
ただ、薬が抜けるということは、同時に、血栓ができる可能性が高まるわけなので、心臓への負担や脳梗塞の発祥などの影響がいちばんの懸念となりました。
夫もやはり心臓が怖い。なので、当初はやっぱり手術は嫌だとも言い出したほど。
でもね、それで例えば心筋梗塞や脳梗塞を起こしたら、誰がいちばん嫌だといえば、本人以上に病院が避けたいことですよね。
医療事故なんて起こしたくない。理論的に考えれば自明の理。
そのため、夫が心臓病の手術を受けた大阪の病院の担当医師と連携して、綿密にデータを確認しながら、最終的には服用していた弱めの1種類だけは飲み続けて、心臓へのリスクを減らしつつ、出血が止まらなくなるという危険が低いタイミングを狙って、それぞれの担当医が合意した日程で手術がおこなわれたという経緯です。
今回、つくづく、病院連携というのがこんなに重要なのだと実感しました。それぞれの担当の先生が、どちらもエキスパートであったというのもほんとうに幸運でした。
今日の昼には尿の管も外れて、術後24時間を待たずしてリハビリ開始です。
前回は手術前なので病院名は控えていましたが、入院している新長田の野瀬病院は、リハビリがかなり定評があり、有名なアスリートもわざわざリハビリ通院するほど。
その分、リハは相当キツいらしいので、頑張るしかないようです。
でも大森先生が手術を勧めてくださり、おかげで治りも早くなります。入院中のリハビリも万全。退院後は、オペ応援にも来てくださった大森先生の病院にリハビリ通院なので(自宅から徒歩5分)、安心感とスピード感がはんぱありません。
野瀬病院には高齢の患者さんも多いのですが、夫の入院している急性期とリハビリ期を足したような病棟フロアは、関西で有名なアメフトのクラブの学生や、夫と同じ「高齢者前」世代が多く、早速仲が良くなった元校長先生の誘いで、同じ病室に変わり(入院当初は個室でした)、共有フロアで一緒にご飯を食べたりと交流があるようで、鬱々とした入院生活ではまったくなさそうです。
というか、昨日も手術中に共有フロアで待っていたら、何人かの方に「あ、奥さん? いま手術ですよね」と声を掛けられて、どんだけ友達つくってるんやーとちょっと笑いつつ、わたしもついつい「そちらはどうなさったんですか?」とインタビューを始めてしまうという職業病が出たり。
ちなみに執刀担当医でもある野瀬先生(理事長でもある)は、ラガーマンで、日本でおこなわれたワールドカップ時にはメディカルサポーターのドクターとして参加されていたそうです。
看護師さんも、感じ良くて頼もしい人ばかり。
リハビリの担当OT(作業療法士)さんは元サッカーチームのトレーナーさんといういわばアスリート。
手術前からリハビリは始まっていたのですが、腹筋も鍛えたり、リハビリという名のほとんど筋トレ。
断酒は当然ですが、夫の場合、上半身の体重が足に負荷をかけすぎるということで、ダイエットのような、でもプロの管理栄養士さんが出してくれる病院食(もちろん薄味で好みには合わないけど血圧は下がる)。
というわけで、術後の経過も良好で、家にいるよりよっぽど健康的なリハビリ生活が始まったというご報告(2)でした。
ご心配くださった皆さん、ほんとうにありがとうございます。