フィジカルコーチの父より息子への30のアドバイス
君の健やかな成長を願って。父より
※このnoteは30まで加筆されていきます。
①基礎持久力
高校生で全国レベルで活躍したいなら、12分間走で3300mを基準にすれば良い。 これを逆算すると、中3で3200m、中2で3100m、中1で3000mだよ。
このレールに無理なく乗せるには、小学校のうちに1500mを6分で走れれば良いと思う。 中1のペースで半分の距離を走る計算だ。
君は先日、1570mを6分21秒で走った。
1500mなら6分10秒をきれるだろうし、去年から20秒以上伸びている。
もう既にレールには乗ったと考えて良いと思う。
であれば現状サッカーの中で頑張れば大丈夫で、走り込みのようなトレーニングは不要。 他のことに時間を使って総合力を伸ばそう。
ちなみに、
大きな武器にしたいのであればさっきの距離に200mほど足して考えれば良い。
でも今それを考える必要はないと思うよ。
3300mを越えたらスピードを何回も発揮できる持久力を重視して考えるようにしていこう。
間欠的持久力って言うんだけど、サッカーの持久力はむしろこっちだからね。
でも間欠的持久力は基礎持久力が高い方が伸びやすいんだ。
だからまずは基礎持久力をテーマにすることが大事なんだよ。
②力を抜く
今日の朝練でリフティングをしている途中「もっと力を抜いてみよう」って自分で言いながらやってたよね。 あれ凄く大事で、その後上手くいきやすくなったよね。
無駄な力が抜けるとスムーズに動きやすくなるし、周りも見えやすくなる。
どちらもサッカーで大事でしょ?
逆に力んでいると、動きにくくなるし視野が狭くなる。
でもさ、力を抜くって難しくない? 力が抜けたら身体がグシャって崩れちゃうはずだよね。
でも今日はうまくいった。
その理由はいつも最初やってるあれ(腸腰筋活性化)なんだよ。
あれで一番大事な筋肉のスイッチオンにしてるわけ。
そうすると身体を奥から上手くコントロールしやすくなる。
だから「力を抜く」こともやりやすくなるんだ。
正確に言うと「余分な力を抜く」だね。
でもこの筋肉(腸腰筋)はスイッチオフにもなりやすい。
例えばイスの背もたれに寄りかかって腰を丸めた姿勢とか、ソファでゴロゴロしている時だね。
もちろんそうしない方が良いってのはあるんだけど、それも大変だから、とりあえず「やる前にスイッチオン」。
これだけは意識して欲しい。
今は毎朝やってるけどチームの練習前とか友達とサッカーする前にもやっておくといいと思うよ。
とにかくスイッチオンにして、そのあとは気持ちよく動けばOKだよ。
③スピード
足の速さはとても大事なことだよ。
高校生で全国レベルを目指すのなら、30mを4.2秒以内に走れるようになるのが基準だね。
学校では50m走を測ると思うけど、サッカーの全力ダッシュはほとんどが30m以内。
だから30mが基準になることが多いんだ。
30mを4.2秒以内で走れれば、まぁ弱点にはならないと思う。
4.1秒以内で走れれば相当速いレベル。
3秒台で走ることができればスピードスターだ。
高校生ならヨーイドンでぶっちぎれちゃうレベル。
これらの基準はプロでも同じ。
逆に4.3秒より遅いと弱点と言えるかもしれない。
じゃあ4.2秒切れないとプロになれないかと言えば、そんなことはないよ。
但し、他に大きな武器があることが必要だね。
注意しておきたいのは、サッカーのスピードは足の速さだけじゃないということ。 動き出すまでのスピードもサッカーではとても大事。
むしろそっちの方が大事と言う人も多い。
だけどやっぱり、足が遅いと不利だし、速い方が有利。
例えば守備。
足が遅いと相手の近くまで寄せるのが難しくなる。
遅いから早く寄せ始めないといけないし、パッと抜かれたら追いつけないから。
じゃあ抜かれないように距離を取ると、相手は好きなようにプレーできてしまう。
ドリブルでスピードに乗られるときつくなるよね。
足が遅いと色々と困ることがあるんだ。
サッカーでは切り返したり、方向を変えるスピードが大事で、それはアジリティって言うんだ。
このアジリティも直線のスピードと関係が深い。
だからやっぱり直線のスピードは大事なんだよ。
④スピードを伸ばす
足が速くなる方法を教えるね。
足の速さは確かに遺伝もあるかもしれない。
才能もあるかもしれない。
でも、だからと言って速くならないわけじゃない。
誰でも速くなることはできるし、前に話した4.2秒まで引き上げることは多分誰でもできる。
方法は色々あるんだけど、特に大事なことがいくつかあるから覚えて欲しい。
まず一番はサッカーの中で、必要な時にしっかりダッシュをすることだ。
相手と競争になってすぐに諦めたり、間に合うかもしれないボールを諦めたり、抜け出せばチャンスなのにスピードに自信がないからそれをしなかったり。
そういうことがないかをまず考えてみる。
必要ならダッシュする。
それを繰り返すだけでも足は速くなる。
まずはそういう習慣をつけてみると良いよ。
後は「走り方」。
きれいなフォームだとスピードだけじゃなくてプレーもしやすくなる。
走り方のトレーニングは今の段階からやると良いね。
ドリルは色々とあるんだけど、改善したい1番のポイントはズバリ「膝のタイミング」。
走っていると地面に一歩一歩着地するよね。
その着地した瞬間。
その瞬間に両足の膝の位置がどうなってるか。
着地した脚の膝よりも逆脚の膝が前にあればOK。
つまり、軸足の膝を追い越せているかどうか。
足が遅いとこれができていない事が多い。
これが脚が遅い原因になるんだ。
「着地した時に膝が膝を追い越してる」 そういう身体の動かし方が大事なんだ。 つまり、動かすタイミングだね。
他にもあるんだけど、一番重要なポイントだと思う。
腸腰筋にスイッチを入れてからドリルをやって、きれいな走り方を身につけていこう。
それをしながら今度はスピードを上げる。
スピードを上げたら元に戻っちゃうことも多いから、スピードを上げてもできるようにするんだ。
後は、きちんと地面に力を伝えることも大事だから、バネを鍛えよう。
オススメは縄跳び。
二重跳びを練習してみよう。
二重跳びは瞬間的に跳ばないとできないから、全力ダッシュにつながりやすい。
足首とふくらはぎのいいトレーニングになるんだ。
中高生になったらそこに筋トレが加わってさらに速くなることができるよ。
そのためには、まずは練習でダッシュする習慣ときれいな走り方を身につけることが大事なんだ。
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