選挙ポスターからみる色の効果
昨日から私の住む街は市議会議員選挙の期間がスタートしました。
20名の議席に対して立候補者は24名。
ズラッと選挙ポスターが貼られているのを見て、ポスターの色の効果を改めて考えました。
派手派手ポスターはどうなの?
選挙ポスターといえば、お決まりのビビッドカラーが主流。
まっ赤、まっ青、まっ黄色、ま緑、まっピンク、オレンジ。
水色も多いのですが、淡い水色ではなくブライトトーンと呼ばれる鮮やかめなブルー。
スカイブルーと表現すると分かりやすいでしょうか。
とにかく鮮やかで派手めな色。
それらの背景色に対して、ビビッドな色文字。
これでもかというくらいの派手カラーに、正直選挙ポスターの色ってどうなの?と思っていました。
けれど、何十人もの候補者(のポスター)が並ぶと、違いは一目瞭然。
ポスターが派手派手カラーである意味が分かりました。
やはり鮮やかではっきりした色は、見つけやすくて分かりやすい。
色彩デザインの専門用語でいうと
目立ちやすさの「誘目性」
見つけやすさの「視認性」
文字の読みやすさの「可読性」
が高いのです。
あえてビビッドカラーの背景を避けたもの、グレーなどの落ち着いたトーンのポスターは、全体で見ると超控えめ。
目立たないんですよね。
こんなことをツイートしたら、
「第一印象がポスターで決まり票に響きます」とデザインナーさんからコメントをいただきました。
第一印象をつかむためにも、目立ってナンボの選挙ポスターなんですね。
色選びで絶対に外せないこと
ここまで書くと派手ポスター否定派のようですが、派手が悪いのではありません。
選挙ポスターに違和感を抱いていた1番の理由は、色のイメージと候補者のイメージが一致していないから。
ビビッドな鮮やかなカラーは、良くも悪くも色のイメージがストレートに伝わってきます。
赤は情熱!
青は超クール!
黄色は元気!
落ち着いた雰囲気の候補者にこの色のイメージは違うな、と思うことが多々あるのです。
(政党カラーが決まっていると仕方ない面もありますけれど)
この違和感は、私が色の専門家だから感じるのではなく、誰でも無意識のうちに感じとっています。(それを色彩心理といいます)
ある色を見ると人は特定のイメージを喚起するのですが、そのイメージに候補者の雰囲気が重ならないと「なんか違うな」「なんか信頼おけないな」になってしまいます。
候補者にとっては1番避けたいことですよね。
また、色はメッセージを伝達する作用もあるので、候補者が何を訴えているか、公約内容と色のイメージが一致していることも大切です。
公約内容と色のメッセージが一致すると、訴求力はとても高くなります。
が、残念ながら色のイメージを加味して作られた選挙ポスターはごく少数なのです。
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専門家はやっぱりスゴイ
最後に色の話とは違いますが、プロってすごいなと思ったことを。(表現力…)
ポスターはデザイナーが作っているわけですが、選挙ポスターを生業にしている業者のクオリティは違いますね。
並んだときの見やすさといったら。
それこそ色使いにしても構図にしても、いかに見やすく分かりやすいかを追求されています。
選挙ポスターはデザインの洗練感よりも、王道のポスターらしいポスターの方が圧倒的に訴求力がありますね。
(派手なビビッドカラーも王道のひとつ)
写真も同じで、選挙ポスターを熟知しているカメラマンが撮ったであろう写真とそうでない写真の違いも何となくわかります。
やはり餅は餅屋。
その道のプロに任せることの大切さも実感です。
兎にも角にも、選挙ポスターは見やすく分かりやすく正しく伝わるかがとても大切。
最終的には候補者の方々の血のにじむような活動がどれだけ市民に伝わるかなのですが。
仕事柄ポスターの色が真っ先に気になりますが、いち市民として色だけで候補者の判断はいたしません。
自分の住む街を心から良くしようと活動してくださる方に1票を投じたいと思っています。
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