なぜ私たちは北欧デザインを好むのか
京都文化博物館で開催されていた「創業200周年記念 フィンレイソン展」を観に行きました。(残念ながら1月10日で会期終了)
休日ということもあってか、親子連れから若いカップル、ご年配のご夫婦まで、老若男女問わず観覧されていました。
私もご多分にもれず可愛いデザインにくぎ付けになったわけですが、ふと「なぜここまで日本人が北欧デザインに魅了されるのだろうか」と疑問が湧いてきました。
展覧会を観ながら、私なりに好まれる理由を考察をしましたので綴っていきます。
北欧デザインを好む3つの理由
北欧ブームが到来して以来、インテリアや雑貨などのいち選択肢として根づいた北欧デザイン。
展覧会に出品されていたフィンレイソン社のテキスタイルも、どれを観ても文句なくかわいい。
かわいいんだから好まれるんだ
と言ってしまえば身も蓋もありませんよね。
一体私たちは何をもって「かわいい」と感じているのか。
3点理由を考えてみました。
1.自然から派生したデザイン
2.作り手の温もりを感じるデザイン
3.日本人のDNAにはないポップカラー
1、自然から派生したデザイン
フィンレイソン社のデザインは、草花、動物、こども、家のある風景がメイン。
日常風景を切り取った、馴染みのあるモチーフばかり。
草・木・花から着想を得たシンプルなデザインは、たとえ自然界の色と異なっていたとしても、違和感や不快感がわきません。
四季折々の自然とともに歩んできた日本人にとって、草花のモチーフは心地よく受け入れられるのではないでしょうか。
デザイン性に凝った柄は好き嫌いが分かれますが、シンプルな自然柄はずっとみていても飽きがきませんね。
2.作り手の温もりを感じるデザイン
私はフィンランドのデザインに精通しているわけではないので、フィンレイソン社のデザインに限ったことかもしれませんが、デザインひとつひとつに作り手の感性が浮かびあがってくるようでした。
デザインに落とし込むために対象物をよく観察した眼
吟味して残した線の一本一本
色と色の組み合わせのこだわり
作り手の息づかいを感じるような、人の温もりを感じるデザイン。
パターン化され機械で量産されていても、無機質な感じがしないのです。
非常に抽象的で言葉にしにくいのですが、心を込めて作られているのが伝わってくるようで。
大量生産、大量消費の時代が過ぎた今、プロダクトの神髄をついている気がします。
3.日本人のDNAにはないポップカラー
北欧デザインの配色は、ややスモーキーでやわらかい色といわれています。
北欧インテリアは確かにそうなのですが、テキスタイルデザインをずらっと並べてみると、非常にポップな色合い。
日本古来からあるスモーキーカラー(くすんだ色合い)とは全く違うのです。
ポップな色は、見ているだけで楽しく明るい気分になりますね。
大胆なデザインと相まって、心を元気にさせてくれるよう。
ポップな色に明るい希望を感じ、好む人が多いのではないかと感じました。
色についてはまた別記事でくわしく解説しますね。
私たちを魅了してやまない北欧デザイン
北欧デザインは日本人の感覚に通ずるところがありつつ、日本にはない新鮮な感覚に触れられる両方の良さがあります。
そのため、インテリアに取り入れても居心地よく、かつオシャレなくらしを叶えられるのでしょう。
北欧の美意識を反映したデザインは、私たちの感性を刺激しつづけてくれる存在です。
<展覧会情報>
創業200周年記念 フィンレイソン展
2022年1月15日(土)〜2月27日(日)
福岡市博物館にて開催
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