矢沢あい展@大丸ミュージアム〈京都〉
矢沢あいファンとしては、これだけは絶対に逃せない!
矢沢あい作品を愛する人と興奮を分かち合いたく展覧会レビューいたします。
矢沢あい❝ベストアルバム❞
りぼんの中で大人びた漫画『天使なんかじゃない』を経て『ご近所物語』の主人公とともに思春期を過ごし
りぼんから卒業しても『下弦の月』『Paradise kiss』に心を動かされ、『NANA』をいまだに愛読する
矢沢あいど真ん中世代です。
矢沢作品の中でも大ヒットしたこの5作を中心にした展覧会。
原画が観られる
ただそれだけで感動の嵐です(語彙力)。
5作品とともに青春を過ごしてきたわけで、作品を観ると当時の記憶ー感覚や匂いーが蘇ってきます。
きっと展覧会に足を運ぶ人それぞれがそんな懐かしい記憶を辿っているのではないでしょうか。
多感な少女が矢沢あいにハマった時代背景
私が語るまでもなく、矢沢作品の魅力はストーリーと個性が際立つキャラ設定。
純粋でまっすぐなヒロインに憧れたり、ちょっとひねくれたヒロインに自分を重ねたり。
ヒロインと一緒になって喜び、悲しむ。
本気で感情移入できる数少ない娯楽でした。
当時(1990年代)のメディアといったら、雑誌(漫画・ファッション)かテレビくらいでしたから。
雑誌と音楽番組黄金期の時代に、『ご近所物語』はファッションの一部と化していましたね。
JUDY AND MARY(ジュディマリ)を口ずさみ、雑誌Zipperを買うのが私たちの一番のおしゃれ。
そんな空気感を反映しまくった『ご近所物語』。
『ご近所』ファッションに影響された中学生がどれほど多かったことか。
純粋に「絵」を観賞するとみえてきたもの
漫画を読んでいた頃は、絵が可愛いな・おしゃれだなとみていたものの、絵だけをじっくり眺めることって少なかった。
展覧会でひとつひとつの絵を改めて観賞してみると、矢沢あい独特の配色センスやデザインセンスを窺うことができました。
きっと配色理論がどうとか考えずに感覚で彩色されているんでしょうね。
上の写真は、「紫と緑」 反対色の配色で、それぞれが際立ち個性的な配色。
絵の中のコーディネートも紫と緑の対比が効いています。
こちらの絵を色素分解すると、小豆色(赤みの茶色)、オレンジ、紫、ピンク、青。
色みだけでいうとエキゾチックな組み合わせです。
それがエキゾチックにはならず、矢沢あい独特のデザイン表現になっていますね。
時間に余裕をもって
平日は空いていて観やすいと思いますが、矢沢ファンだとつい読み込んでしまうので、全部みるのに思ったより時間がかかりました。
一緒に行った妹(同じく矢沢世代)いわく「アンディ・ウォーホルよりも観る時間かかった」だそうです。
観て、読んで、過去の記憶に想いを馳せて
絵画の観賞とは一味違う展覧会です。
矢沢ファンのみなさん、ぜひ展覧会に足を運んでみてくださいね。
<展覧会情報>
京都会場
2023年1月4日(水)~1月22日(日)
※全日日時指定制
今後は、札幌・福岡・名古屋会場で開催予定
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