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蝉時雨も暑すぎると止まる夏

猛暑続きで寝苦しい夜が続いている中で本文を書いています。
あまり暑いと蝉も鳴くのをやめ、昼の一番暑い時間はただただ太陽がジリジリと照っているだけですが、夜も夜で寝苦しい日が続きます。

暑い夏の夜を迎えるといつも思い出すのが、和歌山で働いていた2011年の夏。東日本大震災があって、次第に原発が止まっていく、そんな時期のことです。当時、住んでいた築古の和歌山城近くのライオンズマンションですが、私は冷房を設置していませんでした。普段は会社にいるわけで、部屋に戻るのは夜だけ、冬の寒さを凌ぐための暖房は必要と思っていましたが、夏の暑さを耐えるための冷房は必要ないのでは、と思った次第。また、部屋は北向きで、12階の部屋の窓を開け放てば十分に涼は取れるとも感じていました。

それでも、昼の暑さは別です。東日本大震災から始まった節電要請、逆にこれがあるからと冷房温度を高めに設定しました。ただでさえ収益状況が厳しい中で、電力料金の値上げもこたえていたからです。当時はまだ円高も続いて1ドル八十円を割る場面も。こんな電気料金が高く、円高が続くのであれば、工場を日本に持っているのはやっぱり無理なんじゃないかと思いもします。

同僚の柴田氏からは「青柳さん、(海外に移転していく流れを招いている)マクロに戦っては勝ち目はないよ」とも言ってきます。マクロには勝てないのと同じように夏の暑さにも勝てません。せいぜい私ができるのは工場の中に鳩が入らないようにする対策くらい 苦笑。いや、鳩対策も結構大事で、精密機器を作っているにも関わらず鳩が工場内を飛んでいるのはなんとかしないといけない、と要所に網を張ることを指示すると、住みにくいと思ったのか、鳩はぱったりとでなくはなったのです。

それでも、結局大きな流れの中で、我々にできるのは手に負える範囲のサイズの問題解決だけなのかもしれません。マクロには勝てないよ、という言葉を含めて、夏の寝苦しい夜を思い出します。

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