INDIKAノススメ
19世紀の架空のロシアを舞台に、修道女である主人公のインディカちゃんが大冒険するアドベンチャーパズル、INDIKA。
舞台がロシアでかつ宗教を取り扱っているということもあって
ロシアも宗教も何も知らない自分が楽しめるものかと敬遠していましたが
一念発起してプレイしてみた結果ハラショー過ぎるゲームでした。
・美麗なグラフィックで描かれる寂寥感漂う世界
何よりも先ずグラフィックに目を奪われます。
ロシアということもあって雪景色がメインなんですが、雪面のきらめきや
溶けた雪の泥濘、寒々しさを感じる室内の表現がたまらないです。
・奇妙な展開、奇妙な音楽、奇妙な景色
長い間修道院から出ることを許されなかった修道女インディカが
手紙を届けるというお使いを命じられ、外の世界へ旅立つ。
しかし自分にしか聞こえない悪魔の囁きや、行く先々でトラブルに見舞われていく中でインディカは自分の在り方を探してゆく…というお話なんですが
これが全編通してまぁ奇妙で最高なんです。
上で美麗なグラフィック云々言っていましたが開始直後いきなり
なんの前触れもなくドット絵のミニゲームが始まります。
すぐにこれはインディカちゃんの頭の中で起きていたことだと分かるのですが、礼拝中に妄想ミニゲームを始めちゃう時点でこの子が決してただ敬虔深いだけの修道女じゃないことを教えてくれます。
その後も非現実的なシチュエーションで、拍子抜けするような奇妙なビットサウンドが流れる中インディカちゃんは大冒険していきます。
ここでパズル要素やアクション要素が出てきますが、難易度は易しくゲーム全体の味付け程度に収まっています。
・インディカちゃんが魅力的
主人公のインディカちゃんが良いキャラをしています。
タフって言葉はインディカちゃんの為にあると言っても過言ではないほど
ぶっ飛んだ状況も割とすんなり受け入れて突き進んでいくんです。
デフォルトでは英語音声ですが、ロシア語に変更することをオススメ。
ロシア語を話すインディカちゃんが可愛いからです。
・宗教に明るくない方こそオススメのシナリオ
ゲームをしていると場面転換の際に聖書の一節が表示されたり
聖遺物を入手することでポイントが得られます。
こういった宗教的な部分にある程度造詣が深くないと物語が楽しめないゲームなのではないかとはじめは思っていましたが、これは間違っていました。
ネタバレになってしまうのであまり言えませんが、宗教に対してあまり興味がない、あるいはシニカルなスタンスを取っている方にこそオススメです。
あらゆる状況を信徒として解釈し、受け入れ、乗り越えようとするインディカちゃんに対する悪魔のロジカルな指摘につい膝を打ってしまいます。
この相容れない二人が最終的にどうなるのかも見届けて欲しいゲームです。
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最後にちょろちょろと画像を貼っておきます。フォトモードもありますよ。
・ちょっとだけネタバレ感想
最後にインディカちゃんが一人称視点になるのは、それまで自分の中にある
信仰に対する懐疑的な気持ちを悪魔のモノとして引き離していたものの
最終的には自分自身が信仰から目覚めたのを受け入れた=悪魔と視点が合致した…ということなんでしょうかね。空っぽの神器を見た直後に悪魔が消え去り、ずっと握っていた十字架もバラバラに砕け落ちましたし。
それと二周目にちょっと確認してみたんですが、どうやら三人称視点は悪魔の視点みたいなんですよね。
カメラを動かすとインディカちゃんの目線もチラチラこっちに向くので
これは単にカメラ目線ってわけじゃなくて悪魔を見ているんですかね。