クレイ爺も丸くなる
『C.R.A.Z.Y.』(2005/カナダ/モロッコ)監督ジャン=マルク・ヴァレ 出演ミシェル・コテ/マルク=アンドレ・グロンダン/ダニエル・プルール
解説/あらすじ
1960年代の保守的な家庭で、5人兄弟の4男として育ったザック。「特別な子」と呼ばれた彼は、軍で働き音楽を愛する父親と過保護気味の母親、それぞれ文武に秀でた兄2人、問題だらけの次男を観察しながら幼少期を過ごす。やがて思春期に足を踏み入れる1970年代。ザックは自らのアイデンティティと、父親の価値観の間でもがくようになる。
ロックテイストな反抗期息子が親父と和解する映画。ありがちといえばありがちで、文学だと志賀直哉『和解』だ。ただ流れてくる音楽がいいのと、60年代からの反抗のロック歴史が2000年ぐらいになると和解するというか、ロックも親父世代になったということかな。ひとつだけ同性愛の問題が80年代っぽい。
ジャン=マルク・ヴァレ監督は去年58歳で亡くなっているんで、その追悼映画(2005年作)のようだ。カナダらしい感じなのはアメリカよりは保守的にならずに尖っている感じはする。まあ大家族映画に当時の音楽がバンバンかかるという反抗のロック、音楽映画だ。
ピンク・フロイドは『炎』から「狂ったダイヤモンド」が流れてくるだけで感動してしまう。