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シェイクスピア劇よりチェーホフ調の映画か

『ゴヤの名画と優しい泥棒』(イギリス/2020)監督ロジャー・ミッシェル 出演ジム・ブロードベント/ヘレン・ミレン/フィオン・ホワイトヘッド/アンナ・マックスウェル・マーティン/マシュー・グード

解説/あらすじ
1961年。197年の歴史を誇る世界屈指の美術館・ロンドン・ナショナル・ギャラリーから、ゴヤの名画「ウェリントン公爵」が盗まれた。ロンドン警視庁はその巧妙な手口から、国際的なギャング集団による周到な計画による犯行だと断定。しかし、この前代未聞の事件の犯人は、ケンプトン・バントン、60歳。長年連れ添った妻と優しい息子とニューカッスルの小さなアパートで年金暮らしをするごく普通のタクシー運転手だった。孤独な高齢者が、TVに社会との繋がりを求めていた時代。彼らの生活を少しでも楽にしようと、盗んだ絵画の身代金で公共放送(BBC)の受信料を肩代わりしようと企てたのだ。しかし、事件にはもうひとつの隠された真相が…。当時、イギリス中の人々を巻き込んだケンプトン・バントンの”優しい嘘”とは―!?

頑固爺さんコメディ。名画盗難事件という実話だというから驚きだ。無職でもTVの視聴料を払わなければならないBBCに抗議して不払い運動をしたが逮捕されてしまう。そして名画盗難事件が起きるのだが。

その名画がゴヤの「ウェリントン公爵」というイギリスでは評判の良くない保守政治家だった。そんな者の為に税金を使うのはなんたることかという。東京都知事もそういうことがあったが、あれは自分の息子の絵だったか?

そういうことに文句を言える頑固爺さんは少なくなった。だから世の中は金持ちばかり優遇されて、貧乏人は貧しいまま。それでBBCの不払い運動でもイギリスは75歳以上の老人は無料化になったという。

前半は爺さんと息子が婆さんに内緒でゴヤの絵を人質にして、その金額を低所得者に回すように脅迫状を送る。だが警察ではプロの仕業と見て、脅迫状をまともに受け取らない。そして新聞社に送ることで、やっと信用されるが、長男の嫁がその絵を発見し、半分よこさないと密告するという悪妻だった。

それで美術館に返すのだが、誰も怪しまれることなく返却したのだが、警察に捕まって、裁判になるのだ。裁判で無罪を主張する爺さんと検察のやり取りなど笑える。

イギリス映画ということで脚本がしっかりしていて、爺さんも娘を事故で亡くしていたので、その脚本を書いては投稿していたのだった。やっぱシェイクスピアのことが出てくる。だがどっちかっていうとチェーホフ劇なのかもしれない。

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