見出し画像

【体外受精】お腹に子どもが来た日から1年 

子どもが生後4ヶ月になりました。
今の私は朝目覚めた時に、おしっこでタプタプになったオムツを交換する時間が好きです。
1年前のこの時期は、ちょうど受精卵を子宮に移植しソワソワとしていた時でした。

本来なら生理が1週間来ないことで「ひょっとして…」となり、検査薬で陽性を知る
大多数の人がそれで妊娠に気づくように、私もそうなるんだろうなぁと長いこと思っていました。

だけれど、現実は違った。
自然妊娠ができず、人工授精を5回行うも結果に結びつかず、ついに体外受精をすることとなった。
ちょうど1年前に3回目の移植をして、やっと初めての妊娠判定が出た。

どうして不妊治療というのは
こうも心を苦しめるんだろう

元々、できた人間では無かった私だけれど
より更に心がすさんで嫌な奴になっていった
ただ、子どもができたら良いなという希望のためなのに
こんな自分がとても嫌で、でも逃げ場の無い気持ちにヤキモキしていました。

治療により妊娠が確実にできるものであれば
きっと家族や友人らに打ち明けられたかもしれないし、心から応援してもらえたかもしれない。

けれども、現実は不規則な休みを貰うために職場の上司に報告した以外には誰にも言えなかった。
家族や友人との話の中で出現する「子どもどうするの?」の一言が怖くて仕方なかったし
テレビに映り込んだり、街中で会う親子連れや赤ちゃんを心の中でいつも恨んでた。

どんなに頑張ろうが解決できない可能性もあるし、まとまったお金も要してしまう。
病期と違って人生におけるマストな治療では無く
子どもを授かりたいも授からないも
私の思いに委ねられている。

誰にも治療について咎められない代わりに
じゃあ、いつまで続けたら私が納得するのか?というクエスチョンに囚われているのがとても辛かい期間でした。 



月日が経過し、今では子どもがいる生活が当たり前になっている。
不確実だった未来が現実になっている。
当時の自分の殺伐とした感情は少しずつ鮮明では無くなっていき
代わりに子どもと過ごす新しい日々に塗り替えられている。  
過ぎたからこそ、不妊治療を乗り切ったことは私の人生の大きな肥やしになれたと振り返られる。

けれども、通っていたクリニックに多くの人が診察に来ていたように
きっと今もどこかで同じように、人知れずに耐えながら戦っている人が多くいる。
そんな人たちに希望が持てる日々が来ますように
全員がこの先、良き思い出として振り返られますように
不妊治療を終えて1年経ったいま、改めて感じています。







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?