中山信子(2023)『尊敬する人はいません(今のところ)』文研出版

若羽と慧の視点から交互に語られる物語。
若羽は、尊敬するひとがおらず、何をして生きていくかもまだよくわからない。
慧は父のようになれるように、期待にこたえられるように生きていくことに必死になっている。しかし、それはほんとうにじぶんがやりたいことなのか、疑問を持ち始める。

尊敬する人、目標とする人は、今のところいない。
しかし、その分自由に生きることができる。これから生きていくうちに、次第にやりたいことが見えてくる。
将来の夢や尊敬する人がいないと、なんだかだめな人間のような気がしてしまうけれど、常に何か別のものを追いかけていなくてもいいのではないか、とおもわせてくれる。

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