いち世界の果てに、”仮想の歌姫”の物語(じんせい)を見た ―AZKi 4TH LiVE『REPEAT THiS LiFE WiTH U』ライブレポート―
2019年12月29日、ホロライブプロダクション イノナカミュージック所属のVSinger、AZKiの今年4回目となるワンマンライブ『REPEAT THiS LiFE WiTH U』が開催された。
2018年11月15日のデビューから僅か1か月で発表された『8ヶ月連続オリジナル楽曲12曲リリース企画』、その間に開催された3度のワンマンライブ、そして新曲11曲を引っ提げ初の全国流通アルバムとして発売された『without U』と、活動1年余りでありながら躍進的に活動をしてきた彼女。
そんな彼女の年内最後となったリアルライブについて、個人的主観を混じえてレポートに書き起こしていこうと思う。
それは正しく”輪廻に至るに相応しい晴れ舞台”
日も沈み、夜の幕開けが近付きつつある東京・池袋。
建ち並ぶビル群と人混みを道一つ抜けた広場の向かい、本ライブの会場となった池袋harevutaiには、500人近い開拓者(AZKiファンの総称)達が開演を今か今かと待ちわびていた。
会場内には彼女が配信内で普段流しているBGMが流れ、ステージ上のモニターにはライブのキービジュアルが。
幕開け前の喧騒、ライブへの期待の高まりが肌に伝わり、自然と胸の鼓動が速くなっている事に気付いたのも束の間、BGMのフェードアウトとともに照明が暗転。
ーーーここから、輪廻への”旅”が始まる。
もどかしかった”過去”から抜け出し、ひかりある”現在(いま)”を駆け抜けろ
2ndライブ『A GOOD DAY TO DiE』から恒例となった、逆光を受け表情の見えない姿のAZKiが現れるアタック演出を経て、ライブの皮切りとなったのは先に記載したアルバム『without U』収録曲である「コトノハ」。
これまでの楽曲の割り振りでは"AZKi BLaCK"に当たる曲とあって、会場のボルテージは一気に上昇。輪廻の幕開けに相応しいスタートを飾った。
続けて、同じく『without U』収録曲の「虹を駆け抜けて」へと繋がる。
既存曲「さよならヒーロー」を彷彿とさせる清々しさを備えた楽曲に、会場の熱気は留まることを知らない程に燃え盛っていく。
そこから"AZKi BRaCK" シリーズ2曲目の「ひかりのまち」へ。
恒例となったサビ最後の「ひかりのまちへ!」コールも、ライブを追う事に完成されて行くのを感じていたが、今回はまさに会場一体と言うべき盛り上がりを見せてくれた。
3曲を高らかに歌い切り、挨拶とともにMCへと移行。
水分補給に向かうAZKiに「700円!」(過去のライブで出されたコラボドリンク"ツラニ水"の料金)の声が挙がると、「え?今日600円でしょ?」と返され、会場内から笑い声が響く。
その後「今日がAZKiのライブ初参加だって人ー?」との問い掛けに、多くの参加者が手を挙げたことに彼女も驚きを隠せない様子だった。
今回のライブは"Sightseeing"枠として、ライブチケットとしては破格の1000円で現地参加が出来たことも相まっていたことと思う。
駆け抜けた道程を憂い、そして夜を踊り明かす
最初のMCトークを終え、次に歌うのは「Reflection」。
『without U』収録曲にして、シリーズとしては"AZKi ReD"に冠される楽曲だ。軽快なポップチューンに乗せて歌われる、どことなく暗さを帯びた歌詞のアンバランス感が会場に響き渡り、高まった熱気を緩やかに冷ましていく。
そこから続けて"AZKi WHiTE"シリーズより「Starry Regrets」を披露。
穏やかなメロディーに乗せて、切なさを込めて歌い上げるAZKiの姿には、何処と無く開拓者達との別れを被せているような、そんな様相を醸し出していた。
開幕から一転して、会場に穏やかさが戻った矢先、披露されたのは「Midnight Song」。これも『without U』収録曲である。
アルバム発売後に公開されたMVを背景に、リズムを刻みながら踊り歌うAZKi。それに合わせる様に、開拓者もまた各々の趣くままに揺れ動く。
この1曲で、会場の空気は一瞬にしてダンスフロアへと変貌した。
場内の熱が程よく冷まされたところで、再びMCへ。
ここで話は有明と青海で開催中だった、冬のコミックマーケットC97の話題へ。青海展示場にて出展されていたホロライブブースの頒布物や、販売スペースの後ろ側に展開されていた所属ライバー23人のポップパネル、そしてメインビジュアルを飾る衣装について触れ、「あの衣装でSorAZ(ホロライブ所属、ときのそらとのユニット)見たくない!?見たいよね!?」と熱を込めながら語りかけ、私自身もこれには同意しかなかった。
そんなSorAZ初のオリジナル楽曲が収録された、ときのそらのミニアルバム『My Loving』の宣伝を挟みつつ、次の楽曲について触れられた。
本ライブの1st Pioneer特典CDに収録された楽曲「猫ならばいける」を披露するに辺り、開拓者へ向けて事前にコールの説明がなされた。
説明、と一重に言ったものの、コール自体はサビに合わせて「にゃー!」と声を挙げるもので、初めて聴く曲であっても合わせやすいコールではあった。
気ままな猫への羨望と、アイドルとしての”AZKi”
そんなやり取りを経て披露された「猫ならばいける」。
自由気ままにワガママに生きているだけで愛される猫への羨望を独特の言葉回しと軽やかなメロディーで歌い上げた本楽曲は、作曲を担当したぼっちぼろまるワールドを遺憾なく発揮した、聴いているだけでも合わせてコールをしても楽しい楽曲であった。
会場全体を猫に染め上げた矢先、AZKiの楽曲では聴き馴染みのないイントロが鳴り響く。私自身、一瞬の思考停止から合致する楽曲が瞬時に頭をよぎり、思わず声を挙げた。
それは、ときのそらの最新シングル「フレーフレーLOVE」。
先に記載したとおり、お互いにユニットを組み一緒に歌ってみたを投稿したり配信をする程に中の良い二人であり、僭越ながらそらとも(ときのそらファンの総称)でもある私としてはこのサプライズは予想外であった。
日々を頑張る人々への応援歌を、仮想と現実の隔たりを超えて寄り添う歌姫が大切に歌い上げる。これほどまでに楽曲とマッチした組み合わせはそうそうないだろう。
しかし、彼女のサプライズはここでは終わらない。
FFLに続けて披露したのは、ホロライブ全体楽曲「Shiny Smily Story」。
1/24の開催を控えた『ノンストップ・ストーリー』を前に、AZKi単体でのSSS披露はもはや言葉にならない感謝が溢れ出し、頬に感情の結晶を伝わせながら全力のコールを送っていた。
新曲からのWサプライズを終え、本ライブ3回目のMCへ。
「FFLとSSS、どうでしたか?びっくりした?アイドルっぽかったかな?」と、僅かばかりの謙遜を交えた質問に会場からは「アイドルだよー!!!」との声が多数挙がる。アイドルとしての”AZKi”を遺憾なく発揮していたのは紛れもない事実であった。
「猫ならばいける」のコールに絶賛しつつ、ここで同時配信されていたREALITYの視聴者数が2000人を突破したことが報告された。
年の瀬かつ翌日以降のコミックマーケットもある中でのこの視聴者数は、いち開拓者として嬉しい限りの数字である。
これがAZKi流の「I've Sound」
次に披露されたのは、こちらも特典CDに収録された新曲「Etanity Bright」。
ライブ直前の生配信にて、マネージャーであるツラニミズ氏が「I've Soundっぽい楽曲を作ってください」と要望して実現した楽曲である。
頭のイントロから、メロディー、サビ、間奏、アウトロに至るまで、その全てにおいて「AZKi流 I've Sound」足らしめる要素がふんだんに盛り込まれていた。
2つ目の新曲を披露し、MCへと移行する。
ここで、AZKiとして活動してからの1年間で彼女が思った事についての話が持ち上がった。
楽しいこと、嬉しいこともありながら、悲しいことやがっかりしたこともあった。その中で「AZKiってなんだろう?この魂ってなんなんだろう?」と何度か考えていたこと、「VTuberは人格か、職業か?」という主題のnoteを読んで思ったことの話を経て、彼女は「AZKiは”このAZKi”以外にいません」とその想いを口にした。
電子の海の中で転生し、常にいのちの意味を思案し続けてきたAZKiから零れ出た言葉には、相当な重みがある。改めてそう感じる一幕であった。
生まれた意味、祝福を受けてなお思案する”いのち”の在り方
そこから披露された、特典CD最後の収録曲「光」。
世界に存在するかすら不明瞭な、日本語とも英語とも異なる言語で歌われるこの曲が示すのは、果たして”祝福”なのか。それとも優しさに包まれた”嘆き”なのか。開拓者の考察心をさらにかき立たせる楽曲である。
神秘的な空間を更に彩ったのは、さめのぽき作詞作曲の「世界は巡り、やがて君のものになる」。
「”AZKi”になる前の”彼女”から送られる祝福の歌」のコンセプトで綴られた本楽曲。当人曰く「国家」であるこの曲は、まさにVの世界における”輪廻”を語るには欠かせない1曲かもしれない。
祝福を得た後、歌われた「いのち Acoustic ver」で、開拓者からは悲鳴にも似た声が多く挙がる。
発表当時のライナーノーツにて語られた歌詞に込められた意味合いも然ることながら、本楽曲は回を追うごとにAZKi本人の感情が如実に込められ、常に進化を遂げてきた。
特にCメロの「わかんない、わかんないよ、ねぇ!」の部分はそれに当たる。
いつまで生きられるのか、いつ消えてしまうかも分からない世界で、彼女はひたすらに歌を歌い続けていく。”そこ”に存在した足跡を残すかの如く。
”いのち”への問い掛けを歌い上げた後のMCでは、方々からすすり泣く声が聞こえた。
そこへ「みんなー、涙腺大丈夫?」と声を掛けるAZKi。それに対して「無理…」「大丈夫じゃない…!」と返す開拓者達。
彼女もまた、涙ながらに歌っていたことを告白した後、「次は”アレ”、やっちゃいましょう!」とにこやかに提案が。
軽いコール練習を経て、みんなで笑顔になれる”あの曲”が始まった。
歩くような速さで、やりたいことをしていこう
「今日は何曜日?」 \日曜日!/
「今日何しよっか?」 \AZ輪廻!/
「どこいこっか?」 \harevutai!/
開拓者が一つとなってコールを送った「のんびりと、」。
ライブ開催前、一人の開拓者によるTwitter上での提案がそのまま採用された今回のコールは、涙に濡れた会場に再び笑顔と活気を取り戻させた。
この曲は何かと日曜日に歌われることが多いため、”日曜日の歌”とも表されているが、その実は一週間を通して聴きたい楽曲である。
「のんびりと、」が終わり、次の曲転換へ…と思っていると、AZKiの姿が2nd衣装から1st衣装へと変貌し、会場から歓喜の声が。
その流れのまま、2ndシングル「リアルメランコリー」が披露された。
ポップな曲調でありながら、世の中のあれこれへの不満が記された本楽曲。間奏のコールも綺麗に揃い、ちょっとした歌い方のアレンジも加わって、より楽しい空間が出来上がっていた。
ポップな2曲が終わり、MCパートで「(1st衣装で)久しぶりに会えたね!」と喜々として語ったAZKi。デビュー当時から彼女を見ている開拓者には、まさに嬉しい演出であると言えるだろう。
それと同時に、ライブもラストスパートであることが告げられた。
残り僅かの時間を惜しむ声を受けつつ、こちらも当初からは馴染み深い"黒AZKi"の姿へと変貌。次の楽曲は、容易に想像出来た。
全てが”嘘”であっても、”自己”を貫き通せ
ライブ終盤のスタートを飾るのは、”AZKi BLaCK”の「自己アレルギー」。
AZKi2度目の耐久企画『シン・タイキュウアズキ』にて幾度となく歌われ、「これでライブのコールは完璧だね!」と評していただけあって、開拓者達のコールは言葉そのもの。場内に響き渡る「おっおー!おっおー!」の声は、聴いていてとても気持ちが良いものだった。
続けて「嘘嘘嘘嘘」へと繋がり、熱量をさらに引き上げに掛かる。
そこへ止めの「Fake.Fake.Fake.」が掛かり、ボルテージは最高潮に達する。
合間のコールとサビの肩組みジャンプ(会場都合で小ジャンプ程度ではあったが)で、冷えた身体が一気に熱を帯びていくのを感じた。
ハイテンポな3曲を終えて、1部最後のMCパートに移る。
残りの楽曲が2曲であることを告げ、秋葉原エンタスの150人から始まったライブがharevutaiの500人に広がったこと、出会ってくれたことへの感謝を述べたAZKi。ここで2つの情報が解禁となった。
一つは、AZKi公式サイトのオープン告知。これまでの楽曲情報から、直近のライブ出演情報などが一つにまとめられ、よりAZKiの活動を追いやすくなった。
↓AZKi Official Website
もう一つは、開催情報のみであった対バン企画『LAST V STANDiNG vol.2』の正式発表。
開催日は3/22、会場は秋葉原エンタス、そして対バン相手は「エルセとさめのぽき」であることが発表された。
AZラジにて共演した際に「対バンしたい!」と話していただけあって、この発表には嬉しい悲鳴が沸き起こった。
数多くの出会いを経て、”彼女”が決めた物語(じんせい)
情報解禁の盛り上がりそのままに、ライブはついに最終盤2曲へ。
始めに披露したのは「from A to Z」。8ヶ月連続リリースの終盤として"AZKi WHiTE"最後のシングルを飾った、本人作詞の楽曲。
歌を歌う意味、生き続ける意味を得た彼女が、その過程で出会った開拓者達への感謝を綴った1曲である。
ライブでも開拓者が一緒に歌うパートがあり、まさに"みんなで作り上げる楽曲"として完成されている。
そして、本編のトリを飾ったのは「ちいさな心が決めたこと」。
こちらはAZKiが作詞作曲を手掛け、"AZKi BLaCK"シリーズを担当したSCRAMBLESが編曲した楽曲である。
「生まれ変わっても、この物語(はなし)をしよう この物語(じんせい)で良かったと」、歌詞にそう綴った彼女。その選択が無駄にならないよう、この先も共に歩んで行こう。そう思わせてくれる、彼女なりの決意がこもった1曲をここに持ってきたのは、正しく苦難を超えてきたAZKiチームの為せる技だろう。
開拓者達からの「ありがとう」が飛び交う中、AZ輪廻本編は一時の幕を閉じた。
”輪廻”は、まだ続いている
一通りを歌い切り、モニターに映し出されたAZKiのロゴ。
その瞬間、「これだけでは物足りない!」と言わんばかりに、会場からはAZKiコールが飛び交い始めた。
次第にコールのペースが早くなり、「早い、早い!」との突っ込みも入りながら、再びの登場を今か今かと待ちわびる開拓者達。
そう。彼らも、そして彼女自身も、まだ”輪廻”の最中に取り残されたままでは終われないのだ。
共に終わらせよう、長い長い”輪廻の旅”を
果てなき声援は、一気に大歓声へと変わった。
「あともうちょっとだけ、歌わせてください!」そう言いながら再び登場したAZKiは、アルバム表題曲「without U」を披露した。
直訳で「あなたなしでは」の意味が込められた本楽曲は、まさにAZKiと開拓者の関係性を指し示している。
歌うことだけが生きる意味であった彼女が、開拓者なしでは"AZKi"として完成せず、開拓者達もまた、AZKiなしでは"開拓者"でいられない。
先の見えない世界でいつまで一緒にいられるのか。「そんなことわからないよ、わからないから歌うんだよ!」と、あらゆる感情を込めて歌う彼女の姿を、胸を締め付けられる想いで見届ける開拓者達。
互いが互いを求め合い、世界を創る。そんな共依存の関係が、そこにはあった。
アンコール1曲目が終わり、MCパートへ移ったところで、AZKiは再び開拓者へ感謝を述べる。
「みんなと一緒になって歌えることが幸せです!バーチャルだけど、現実だって思わせてくれます!」そう話した彼女は、やりたいことがあると言った。
それは、参加した開拓者達との思い出として全体写真を撮ること。
過去3回のライブの中で全体写真を撮ったことがなく、せっかくのharevutaiということもあって、開拓者全員で腕で開拓マークを作り撮影を行った。
撮影の後、開拓者みんなへの感謝の気持ちを込めて、次なる楽曲を披露した。
"開拓の軌跡"こそ、”輪廻の旅”の果て
アンコール2曲目は、「フロンティアローカス」。
何年か、はたまた何十年か先の”AZKi”から、現在の”AZKi”へのメッセージ。
そんなコンセプトで作られた本楽曲は、まさに旅の終着点。
長く遠い旅路の中で出会った、全ての人々への感謝を込めて歌い上げ、ラスサビでは2ndから1stへの衣装チェンジもなされた。
たくさんの愛で、”わたし”はここまで来れた
2曲目終わりのMCに追加のお知らせとして、PixivFANBOXにて公式ファンクラブ「FRONTLiNE」の開設が発表された。
2020年はより開拓者と共に世界を開拓したい!との想いから、企画の提案や限定生放送、一部公演の先行抽選受付などが予定されている、とのことだ。
そして、次の楽曲が本当に最後の曲目であることが告げられる。
その前に、AZKiから開拓者へ伝えたいことを手紙にしてきた、とのことで、その手紙が読まれた。その一部を抜粋する。
「AZKiがデビューしてから1年、開拓者のみんなからたくさんの愛を貰いました。開拓者なくして、この満員のharevutaiの景色は見れなかったと思います。」
「デビューした頃は、1年もしたらAZKiは消えているんじゃないか?と思っていました。それが今となっては、開拓者の輪が広がり、同じ空間を共にしていることが奇跡で、夢なんじゃないか?と今でも思ってしまいます。」
「大変なことも、辛いこともたくさんあったけど、わたしは開拓者のみんなに支えられて、本当に大切なものをたくさん貰いました!」
「わたしは、これからも自分の歌を、音楽をたくさんの人達に届けたいです!これからも、着いてきてくれますか?」
「最後に。開拓者のみんな、たくさんAZKiを愛してくれてありがとう。AZKiも、みんなを愛しています!」
涙ながらに読み上げた彼女に、惜しみない拍手と「ありがとう」の言葉が飛ぶ。するとここで、「実は、ツラニミズさんにも手紙を書いてきました。」と、思わぬサプライズが。こちらについても抜粋させていただく。
「辛いこととかたくさんありましたが、AZKiはツラニミズさんが描いたAZKiになれていますか?」
「AZKiをここまで連れてきてくれて、AZKiを見つけてくれて、ありがとう。これまでのライブが成功したのは、他でもないカエルさんの力があってこそです。」
「一番思い出に残っているのは、AZKiの誕生日の時に『僕が一番の開拓者になります。』と言ってくれたことです。身体には十分気をつけてください。」
ツラニミズ氏への手紙を読み終えると、今度は「カエルさんありがとう!」の声が挙がる。AZKiが冗談混じりに「今頃うえーん、って泣いてるかな?」と話すと、僅かばかりの笑いが起こった。
束の間のエモ空間が終わり、ついに最後の楽曲へ。
「AZKiの全ては、この曲から始まりました。これからも一緒に、世界を開拓していきましょう!」
”輪廻の果て”に広がるのは、新たな”未開の世界”
ラストアンコールとなったのは、開拓者にはもはやお馴染みとなった「Creating World」。
2018年12月28日。ここから、VSinger AZKiの開拓は始まった。
会場の開拓者と共に原点を歌い上げる彼女は、正しく「世界を開拓する歌姫」足り得る姿そのものであった。
終演のアナウンスの後、突如モニターに映し出された文章。
最後の最後に発表されたのは、AZKi 5TH LiVE [three for the hood]の告知だった。
開催日は5/16。会場は発表時点では未公開のため、続報を待つべし。
新しい世界へ、再び”開拓”を始めよう
仮想世界から音楽を通じて一人一人と繋がりたい。
時間や場所、空間を飛び越えて出会うたくさんの愛や
輝いた才能と一緒に、新しい世界を創るために転生した
仮想世界の伴走する歌姫。 「AZKi Official Website」BIOGRAPHYより抜粋
ほんの一握りの人数から始まった彼女の歴史は、1年の歳月を経て、今や幾万の開拓者と、数多くの協力者、そして"AZKi"を創り上げるチームの面々が協力しあい、成り立っている。
一つの世界は終わり、今再び、新たなる世界への”開拓”が始まろうとしている。
まだまだ先の見えない世界で、どれだけの壁にぶつかるだろう。
果てのない旅路で、何度躓くだろう。何度挫けるのだろうか。
それでも、彼女は進んでいく。
彼女はもう、一人ではない。たくさんの”開拓者(なかま)”が、側にいるのだから…
2019 1.5 文:青兎 写真:ayo kajino/青兎
<セットリスト>
1.Overture
2.コトノハ
3.虹を駆け抜けて
4.ひかりのまち
5.Reflection
6.Starry Regrets
7.Midnight Song
8.猫ならばいける
9.フレーフレーLOVE
10.Shiny Smily Story
11.Eternity Bright
12.光
13.世界は巡り、やがて君のものになる
14.いのち Acoustic ver
15.のんびりと、
16.リアルメランコリー
17.自己アレルギー
18.嘘嘘嘘嘘
19.Fake.Fake.Fake
20.from A to Z
21.ちいさな心が決めたこと
EN1.without U
EN2.フロンティアローカス
EN3.Creating world