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6/9 したいことをする2日間

私は夜ご飯を食べないことが多いので、食事の写真は朝食か昼食になる。ホテルの朝食はどこでも似たようなもので、ハムやソーセージ、卵料理にフルーツ、ヨーグルト、ドリンクが並ぶ。日本の場合は和食もあるので、明太子好きの私はお米が見えないほど明太子を盛る。スイーツもあって、朝から甘いもの?と思いながらハーブティーと一緒にいただく。お腹いっぱいまで食べる癖、いかんよな〜と思いつつ食べてしまうのだ。

焼売もあるから和洋中の朝食

1人だけど1人じゃない朝食

テラスで食べる朝食って最高。昨日も今日も晴れて良かった。梅雨入り前に来て正解。暑くもなく寒くもない朝、気持ち良い朝の空気もいただきながらの朝食は食べるペースもゆっくりになる。三井ガーデンホテルの朝食には一口サイズのスイーツも並べられているので、せっかくなのでいただく。私はコーヒーが飲めないのでハーブティーを飲む。温かい飲み物って落ち着くよね。コーヒーじゃないけどダバダ〜♪と歌いたくなる(昭和世代)。

一番乗りでテラス席に座っていると、続いて人が来るがスズメも来る。誰も居ない店に最初に入ると、次々に人が入ってくるあの不思議な現象は、ある種の引き寄せ効果だろうか。誰も居ない所に入るには少しの勇気が要るし、先に誰かがいると安心して入れるというのはある。今朝のテラスもそんな感じで席が埋まって行った。

私は1人でいることを寂しいと思うことがほとんどない。行きたいレストランに予約しようとして「2名から」という文字を見た時は心の中で舌打ちをするが、縁がなかったのねと割とあっさり諦める。そこで誰かを誘って行こうという気にもならない。

おひとり様にも2種類あるような気がする。「放っておいてください」と他を寄せ付けない雰囲気のおひとり様と「あなたもおひとり様なんですね」という連帯感を感じるおひとり様。決してお互いの邪魔はしないけれど、「1人って気ままで最高ですよね」という声が聞こえてくるような人がたまにいる。そういう人を私は勝手に「同志」と呼ぶ。今朝の食事の時に隣の隣に座った女性からそんな雰囲気を感じ取った。だからと言って話しかけるわけでもないし、食事のペースを合わせるわけでもない。ただそこにいる時だけ1人だけど1人じゃない感じにほっこりするだけだ。

無料のコンサート

ホテルステイをする時は、ホテルを予約した後に2日間何をするかを考える。部屋でのんびりするのもいいのだけど、何もしないことがもったいなくてイベントを探しまくる。トーハク(東京国立博物館)の催し物を調べたり、イープラスで舞台やコンサートがあるか探したりする。コンサートホールのホームページを見てイベントがあるか確認することもあって、今回はサントリーホールのホームページに載っていた無料のオルガンコンサートに行くことにした。

誰もいないホールに一番乗り♪

ウィーンのどの教会にもパイプオルガンがあって、弾いているのを聞きたいなと思い、日曜日朝のミサを公開しているところがあったけど、日程が合わず行けなかった。なのでパイプオルガンの音色が聞けるならとすぐに予約した。演奏時間は30分だけど無料なのがありがたい。

パイプオルガンを弾くところをしっかり見たことがなかったけれど、今日は前から4列目の席だったのでよく見えた。鍵盤が4段ある。そして、弾き始める直前に鍵盤の両サイドから突起物がにょきっと出てくる。なんだあれ?

どうやら「ストップ」という名前でパイプの音色のことらしい。オーボエに似た音がしたのはこのストップで調節していたということか。こうやって何気なく行ったコンサートで何気なく見ていたオルガンに興味を持つと、また1つ知識が増える。

楽譜を見たことはないけど、拍子があるのかないのか、カウントしても三拍子なのか四拍子なのかが分からない。そして曲が終わり方がモヤモヤする。というのは、「ああ、これはもうそろそろ終わりなんだろうな」という音を伸ばしているのに最後に主音(その調の音階の最初の音)が来ない。ぇえー!それで終わるの?と気持ちが着地しないまま終わってしまうのだ。私の勉強不足だろうけど、パイプオルガンの曲ってそんなもんなの?

東京さくらトラム

ウィーンにいる時、街中をトラムが走っていたのだけど一度も乗らなかった。路線が分からなくて迷子になるのを避けたかったし、地下鉄に慣れたので移動はもっぱら地下鉄だった(偉そうに言うほど遠出はしていない)。トラムを乗りこなせたらもっと行動範囲が広がっただろうなと思う。次に行く時にはチャレンジしてみよう。

ということで東京さくらトラムに乗りたくて溜池山王から早稲田に移動する。早稲田は昔々何かで来たことがあったな。早稲田大学の社会人講座で、色々な国の言葉を1回1言語を学ぶというのがあって通ったことがある。それ以来何十年ぶりだ。

頭の良い学生さんがたくさん歩いている。もしどこでも好きな大学に行っていいよと言われたら私は早稲田を選ぶ。勝手なイメージだけど早稲田って生命力が強そう。苦労人が多そうというか、なよなよしてなさそうな所が良い。お金持ちのお坊ちゃんって魅力を感じないのよ。

東京さくらトラムの早稲田駅に着くと、トラムは1車両でローカル感たっぷりの駅舎。江ノ電を思い出すけど、江ノ電よりもっとこじんまりしている。

昼過ぎは1車両でも充分足りる乗客数
振り返るとすぐ最後尾

早稲田駅から三ノ輪橋駅まで57分。南武線の各駅停車で川崎駅から立川駅まで58分だから、ほぼ同じ時間と考えると意外と長い。地元の人、仕事で移動する人、外国人、赤ちゃんもいれば杖をついた高齢者もいる。老若男女様々な人が乗っては降りていく。ローカル線だよなぁと思いながらトラムに揺られて三ノ輪橋駅に着いた。

三ノ輪橋駅から日比谷線の三ノ輪駅まで数分歩く。下町の良さってあるんだな。何十年も前に誰かが書いたであろう、三ノ輪駅までの行き方の看板。字が薄くなったり剥げていたりしてようやく見える文字。書いた人はもうこの世にいないかもしれないけれど、看板はまだ生きている。写真を撮っておけば良かった。撮ろうと思ったけど先を急いでしまった。後悔先に立たず。思ったことはその時やっておかないと「その時」は戻ってはこない。

初築地

日本人だけど築地でお寿司を食べたことがなく、昨日はラントマンでウィーン料理だったので、今日はザ・日本の食事にしようとお寿司を食べることにした。多くの店が昼休みに入ってしまう中、営業しているお店を探して歩く。場外市場をぐるっと回って、すし大さんに入ることにした。先週オーストリアから帰国した時、成田で真っ先に食べたのがラーメンだった。その次に食べたかったのがお寿司。なので今日は店長におまかせして日本のお寿司を堪能しよう。

一貫ずつ握ってくれるプラス写真を撮っている人が1人もいなかったので、その雰囲気を壊す勇気がなく、黙々とお寿司を口に運ぶ。美味しい……思わず目を瞑って噛むのを止める。味だけでなく鼻に抜ける香りも美味しい。ああ、来て良かった。
写真撮りたかった〜ということで店を出てから看板を撮った。それで精一杯よ。

好きな握りはごま鯖酢〆と本鮪中トロ
ごちそうさまでした。良きお寿司屋さんでした
紫陽花で梅雨を知る

銀座方面に歩いていると京橋郵便局の前に鮮やかな紫陽花が咲いていて、思わず足を止めた。梅雨だよなぁと紫陽花で季節を知る。季節に合わせて咲く花は人間に時を教えてくれる。桜は春、紫陽花は梅雨、向日葵は夏、秋桜は秋、椿は冬。花を見て「ああ、もう」と気付く。関東地方の梅雨入りは今日だった。

マイベストスイーツ、マヨルカのバスクチーズケーキサンド

すし大を出て近くの芋スイーツに行こうとしたら既にクローズしていて、別腹が満たされないまま銀座線→田園都市線を乗り継いで二子玉川まで来た。そうだ、マヨルカがあるじゃないの。電車を降りてお店に電話をして在庫があるか確認する。夕方近くだったので完売していたらそのまま帰るつもりだった。するとまだあるというじゃないの。すぐ行きますと言って電話を切り、改札を出た。

昨日もここにいたよなと思いつつ、映画館の前にあるマヨルカでバスクチーズケーキサンドを買って外の席で食べる。やっぱり最後は甘いものだよね〜とようやく別腹が満たされた。

一泊二日でも、都内でも、したいことは見つかる。行ったことのない場所はたくさんあるのだから、興味や好奇心が湧くことにどんどん動いた方が楽しい。新しい仕事が始まるまでの間にもう一箇所行きたい場所がある。後悔しないように宿と電車を予約した。この「どこに行こう」「何をしよう」と考えている時間がこの上なく楽しい。私にとっての癒し時間だ。できる限り旅をしよう。そう心に決めた2日間だった。