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筋肉をつけたら家を買っていた①
筋肉をつけたら家を買っていた。
何を言っているのかわからないと思うが、私も何があったのかよくわかっていない。
わかっていることは二つ。
筋肉がついたことと、持ち家を得たことだ。
【ご報告】
— 蒼月海里 🐬『咎人の刻印』小説⑥/漫画②発売 (@aotsuki_kairi) September 29, 2023
私事で大変恐縮ですが。
海の近くのおうちを買いました。
運動不足野郎はどう生きるか。
時を戻そう。
2023年5月下旬。私はいきなり、「ダンスでダイエットをしよう」と閃いた。
年齢相応に身体の油断が顕著になってきたし、体力も落ちてきたし動きも鈍くなってきた。
自分が猛烈にカッコ悪いと思い始めたのである。
年始に私事がいろいろ重なり、心身ともに病んでしまい、仕事で様々な方のお手を煩わせ、自身のメンタルの弱さにも辟易した。
それに加え、加齢による体力の低下と肉体の緩み。
「そういう年齢だから仕方がない」と言ってしまったらそれまでだが、人生100年あるとしたら、まだ半分も来ていないのだ。
今この状態で、あと半分以上あるかもしれない人生を、自分に絶望せずに生きていけるのか???
ペットボトルのお茶と牛乳をエコバッグに詰め、肩がもげそうになりながら買い物から帰宅する我に問う。
答えは否。
今こそ変わるべきではないかと我は思う。
そもそも、運動を全くやっていないわけではなかった。
フィットボクシングをやっていた時期もあったし、リングフィットとエアロバイクをローテーションでやっていた。
しかし、エアロバイクは動きが単調だし、フィットネス系のゲームは、ゲーム要素の方が気になってしまい、フィットネスに集中できない。筋肉をつけるよりも、スコアを稼ぐ方に重点を置いてしまうのだ。
SNSではランニングをする人が増えていた。
だが、私は走るのが嫌いだ。そもそも、汗だくになっているところを他人に見られるのが嫌だし、我が家の周りは観光地でありオフィス街でもあるので、人が多すぎてランニングに適さないのだ。
カートを引く外国人観光客を蹴散らし、カップルを押しのけ、横に広がって話すビジネスマンを踏み越えるという無粋なことをしなくてはいけない。
…………道路を占拠するビジネスマンは踏み越えても良い気がしてきた。
とにかく、あれこれと考え込んだ結果、ダンスフィットネスを選んだ。
因みに、私はダンスが苦手だ。人様のを見るのは好きだが、自分で踊るのは嫌いだ。何故なら、リズム感がなくて全く動けないし、学生時代に色々とトラウマがあったからだ。
それでも自宅でできるので、ものぐさ太郎の私でも続けられるし、自宅ならば他人に見られることはない。
今は動けないかもしれないが、動けるようになったらカッコいい。
なにせ、動ける人達を間近で見て、「かっけーーー!!!」と感動したばかりだ。
自分がカッケーと認める自分に一歩でも近づくべく、私はYouTubeでダンスフィットネスの動画を漁り始めた。
まずは3分。時短メニューから。
面倒くさがりなのでジムには通えない。
人に見られたくないのでマンションのフィットネスルームは使えない。
そこで私は、YouTubeでフィットネス動画を漁った。
まずは、3分でできるとか時短トレーニングとかを試してみた。
持続力がない私にとって、長いメニューはハードルが高すぎる。
短時間エクササイズを1回やり、余力がありそうなら2,3回リピートする。
そんな感じで、最初は10分ちょっとを目標にした。
すると、すぐに筋肉痛になった。
筋肉痛は効いている証拠だが、筋肉がついていなかった証拠でもある。
しかも、筋肉痛になっているのは足首だった。
足首の柔軟さに欠けていたらしい。そりゃあ、骨折もするさと納得する。
しかし、筋肉痛が取れてしばらくすると、身体がすっかり軽くなり、足首は二度と筋肉痛にならなかった。
少しずつ時間を増やしていって、毎日20分以上やるようになった結果、インナーマッスルがついた(当社比)ようで、ペットボトルと牛乳を担いでも絶望しなくなった。
体重は変わらないが、身体は心なしか引き締まったような気がする。というか、体重や体脂肪は標準なので、特に減らす必要はない。
そして、気持ちはポジティブになってきた。
どんなに失望することが起きても、「今日も20分以上踊った私はえらいのでは?」と自己肯定感を上げることができるのだ。
毎日、一歩ずつ前進しているという実感を得られるようになり、些細なことで落ち込むことが少なくなった。
ネガティブの塊のような私にとって、大きな進歩だ。
そして、いつの間にかダンスに対する苦手意識もなくなっていた。
転機の子。
そんなある日、同業者の友人がデスク回りを整えようというので、一緒に買い物に行った。
その時、自分もニトリのデスクを8年くらい使っているし、新しいデスクを購入してデスク回りを整えようと思った。
だが、デスクを買い替えると周りの家具も一新する必要があり(今のデスクより収納力が低いデスクを買おうとしていたので)、周りの家具まで変えるとなると、壁紙を変えて雰囲気を一新したくなるのが人の性である(いや、私だけか?)
しかし、我が家は賃貸だ。
壁紙の張替えはできない。
というか、リビングのど真ん中にワークスペースがあるという現在のレイアウトが、少し前から気になっていたのだ。ゲーム中もワークスペースがチラつくのでリラックスができない。
だが、動線の関係でレイアウトは変えられないのだ。
私は部屋の模様替えが好きだ。
というか、恐らくリフォームが好きなのだ。
リフォーム系のゲームも複数プレイしているし、どうぶつの森のリフォームにものめり込んだ。
壁紙を変え、床を変え、部屋の雰囲気を変える。
そんな楽しいことを現実でもやってみたい!
気づいた時には、私は中古物件を漁っていた……。
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