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筋肉をつけたら家を買っていた

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個人事業主がおうちを買うエッセイです。完結しましたが気まぐれに後日談を書くかもしれません。
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2023年10月の記事一覧

筋肉をつけたら家を買っていた⑤【回想編:貧乏作家VS蜂一家】

爪に火を点す生活リーマンショックで会社が吹っ飛んで、再就職が上手く行かずに路頭に迷いかけ、なんとか書店のアルバイトができるようになってデビュー作が出る前前では、とにかくお金がなかった。 因みに、書店員は薄給なので、家賃を支払うので精いっぱいだった。 築古アパートとはいえ、東京(しかも、そこそこ便利な西巣鴨)の駅近。 地方の物件に比べたら、家賃はかなり高い。 風邪を引いた時、医療費を払うのが苦しいという理由で自然治癒に任せようと思って放置していたら、肺炎になりかけたことがあ

筋肉をつけたら家を買っていた④【回想編:セキュリティZERO物件】

おのぼりさん、部屋を探す。大家さんがいてくれた物件は、学生のきょうだいが住むというのもあり、親が探してくれたものだ。 だが、社会人一人暮らしで、流石に親を頼りたくない。というか、そうでなくても実家を頼りたくない事情があった。 それはともかく、初の物件探しである。 近所の不動産屋さんに赴き、ワンルームでリーズナブルで駅近で、日当たりがいいところを探した。寒い物件は、もうこりごりだと思ったからだ。 某区の物件が安かったので候補に入れてみたのだが、不動産屋さんから「そこは川が氾濫

筋肉をつけたら家を買っていた③【回想編:大家さん付き物件】

更新までに時間が空いてしまったが、引っ越しをしたからだ。 無事に新居に辿り着き、60箱くらいあるダンボールを一日で解体し、今は自転車を得て行動範囲が広がり、ダンボールの中身を詰め込んだクローゼットの中身を整理している。本棚の本の並びも乱雑で気持ちが悪いので、クローゼットの次にやりたいところだ。 とにかく、今何が足りていて何が足りなくてどれくらい詰め込めるのかがわからないと何も買えない。 そう言えば、コレクションの鉱物も整理しなくては。棚に入り切れずに溢れているのだった……嗚

筋肉をつけたら家を買っていた②

家賃の高い部屋。実は、我が家は『家賃の高い部屋』だ(2023年10月初旬現在)。 六年くらい前に入居してから自分の事情も変わってきたため、身の丈に合わなくなってきたのである。 そこで、2022年末に新しい物件を探していた。 内見RTAというレベルで一日に複数の物件を漁ったのだが、現在は家賃相場が高くなっているため、ワンランク下げてもそんなに家賃が変わらないという事情を知った。 中には、ゾゾゾポイント3.5くらいの物件もあった。 壁に謎の日焼けがあり、大きさと形状から遺影があ