小説の完成稿発表会が開催されました!
阿賀北ノベルジャム2022完成稿発表会のご紹介
12月18日(日)にオンラインで完成稿発表会が開かれ、蒼杜書房は著者のヤマシタナツミより、2作品について発表させていただきました。
下記は、阿賀北ノベルジャム実行委員会のtwitterで公開された終了後の記念撮影の様子。今回は審査委員長の仲俣暁生さん、審査員の杉﨑文治さん、鈴木美和子さんも参加され、各作品にコメントしていただきました!
緊張しましたが、とても励みになりましたー!
発表者のヤマシタナツミは今回もウサギアバターで登壇。「アバターの瞬きは、ご自身の動きに連動しているんですか?」などご興味を持っていただけたようでした。ちなみに横顔はこんな感じです。
また、背景画像が「蒼杜書房のコンセプト「鬱蒼とした森の中」らしくていいですね」というコメントをいただいたのですが、こちらは阿賀野市にある、新潟薬科大学の薬用植物園で撮影したものです。新潟薬科大学のWebサイトによると「自然に近い森の中で約250種類の薬草や野草等が維持されています。」とのこと。薬草植物の実物を見ることができる、珍しくておもしろい植物園です。
蒼杜書房完成稿発表(1) ヤマシタナツミ作品
審査委員長の仲俣暁生さん、審査員の杉﨑文治さんが今回、初めて発表会に参加されるということで、改めてテーマとストーリー、対象読者をお伝えしました。
そして、タイトルを初お披露目!
タイトルは「パンときみ、そしてゴールライン」となりました。ゴールラインという言葉は、さまざまなスポーツで使われていますが、今回の作品では主人公ががんばってきたバスケットボールの用語として「ゴールとオフェンスをつなぐ架空の線=ゴールライン」という意味合いで使っています。
そして、表紙デザインも初お披露目!
表紙デザインは次のようなことを考えて制作してきました。
また今回は「なぜ、私は書いたのか」と題して、この作品を書こうと思った背景についてもお話ししました。
著者のヤマシタは、ライターとして地域を深掘りするなかで「切っても切れない土地と人との関係性」を感じました。
そうした土地と人との関係性をひもとくうちに「身近な地域」の「知らない世界」を発見してきました。
そんな経験をしてきましたので、今回作品をつくるにあたり「身近なのに知らない、阿賀北地域のこと」を発見いただける作品を書くことで「地域を深掘りするおもしろさ」を届けたいと思いました。その思いを形にしたのが、今回発表した作品「パンときみ、そしてゴールライン」です。
そんな作品と著者について、編集者ヤマダマコトからどんな風に見えていたかも、発表でご紹介。
作品については、「ジャンル的にはヤングアダルトで、たとえ中学生でも動き出せば、地域社会の中で背中を押してくれる大人たちが必ずいる、と知ってもらえれば」とのこと。実際作中では中学生の主人公がさまざまな大人と出会い、背中を押してもらうシーンがあります。
また著者については、「スポーツ選手に例えると…読売ジャイアンツのアダム・ウォーカー?」とのことで、「ライター出身で書くことに慣れてはいるものの小説初挑戦でしかも長編。大丈夫かなと心配したけれど、本人の意欲と成長で完成できた」とのこと。プロ野球がお好きな審査委員長の仲俣暁生さんには伝わったようで良かったです!
発表を終え、どきどきしながら審査委員長の仲俣暁生さん、審査員の杉﨑文治さん、鈴木美和子さんからのコメントをお聞きしました。
審査委員長の仲俣暁生さんより
「主人公が福島県浪江町からの移住者という設定になってますけども、実際に東日本大震災の被災者の方で阿賀北地域に移住しているケースはあるんでしょうか?」とご質問いただいたのですが、実際に阿賀北地域に移住した方はいらっしゃって、とくに小学生では被災地域の学校の先生が新潟の移住先でのフォローをされていたそうで、阿賀北地域との関わりは深いようです。
仲俣さんからはその他「主人公とキーパーソンのキャラクターと関係性」についてもご質問いただき、男子中学生である主人公とキーパーソンの女性が、性別を超えて先輩後輩として学び合う存在であることや、キーパーソンの女性が日本とフランスのハーフであることをお答えしました。
審査員の杉﨑文治さんより
「阿賀野市の水原から、水害に襲われた村上市、関川村にもお話が広がり、自分が現在取材している現場を一緒に見ているかのような感じがしました」「主人公が記者に同行して被災地に、取材助手みたいな形で入っていくというのも、自分だったらどうしたかなと思いながら読みました。純粋無垢な存在がいろんな大人の現場を見て歩き気づいていく設定、非常に面白く、読ませていただきました」というコメントをいただきました。
審査員の鈴木美和子さんより
「村上市にはドイツパンを得意とするパン屋さんがおられますけど、ご存知でしたか?」というご質問をいただき、実際にそのお店でパンを購入したこと、参考にしたことをお答えしました。
また他に「主人公のように(東日本大震災の被災地から)避難してきた人が、その事実を打ち明けずに、長い間暮らしてきたとしたら、その心の苦しみはどれほどだっただろうと思いました。阿賀北全体を見ると相当な数の避難者がいるのではと思いますので、大変重要なテーマを取り上げてくださったと思います」というコメントをいただきました。
蒼杜書房完成稿発表(2) 結城玲夏作品
結城玲夏の作品についても、改めてテーマとストーリー、対象読者をお伝えしました。
こちらの作品についても、タイトルを初お披露目!
タイトルは「ここだけの話。」となりました。今回の作品では主人公の女子高生「水島」とその友人「村田」というふたりによる会話を大切にしているのですが、ふたりが会話を重ねた場所が水島の祖父の経営する喫茶店だった、ということから「祖父の喫茶店だけの会話」→「ここだけの話。」というタイトルになりました。
そして、表紙デザインについても、製作中ではありましたが、初お披露目!
表紙デザインは次のようなことを考えて制作してきました。
また今回は「文字組みについて」と題して、この作品の紙書籍での表現についてもお話ししました。
文字組みについては、今、青年期を生きている人たちのための新たな表現への挑戦として、人物の息づかいが感じられる会話文や、レイアウトによる「間」の表現を行っていきます。
こちらの作品と著者についても、編集者ヤマダマコトからどんな風に見えていたかを、発表でご紹介。
作品については、「東京の高校生が阿賀北を学んで書いた、阿賀北の高校生を主人公にした物語で、声高に主張を叫ぶ物語ではなく、等身大の地域の若者とのやりとりから東京と阿賀北を対比させ浮かび上がらせる、どこかラジオドラマ的な作品です」とのこと。完全なフィクションですが、現役高校生ならではのリアリティがあります。
また著者については、「スポーツ選手に例えると…総合格闘家?」とのことで、「演劇など文芸以外の創作表現にも関心があるそうで、小説コンテストの場で果敢に演劇などの表現を取り入れていく様子は、さながらボクシングのリングに立つ総合格闘家でした」とのこと。表現手法にも注目いただけますとうれしいです。
この完成稿発表について、審査委員長の仲俣暁生さん、審査員の杉﨑文治さん、鈴木美和子さんからのコメントをいただきました。
審査委員長の仲俣暁生さんより
「東京の現役の高校生が『阿賀北の同世代が東京についてどんな思いを持っているだろうか』と考えながら書いたと思うので、どのように表現されているかを楽しみにしています」「このチーム(蒼杜書房)は、プレゼンの内容や、『鬱蒼とした森のような』というコンセプトでプレゼンをしたことなどから、良いチームワークで進めて来られたことが伝わってきました」というコメントをいただきました。zoomの背景を森にして、ウサギの姿で発表してよかったです…!
審査員の杉﨑文治さんより
「静かな持続の物語というとおり、平板になりがちなストーリなのかなと思いましたが、若者ならではの表現を目指している、というところが心に残りました」「先輩に送るLINEのメッセージを書いたところで、入力変換の途中を表現するような文章もありました。今後、製本されたときの表現も非常に楽しみにしております」というコメントをいただきました。
審査員の鈴木美和子さんより
「私は教員として高校生に『一度は県外に出ましょう、一度は国外に出ましょう、最終的にはふるさとに帰ってきて活躍してね』と言い続けてきたので、この作品はしみる内容でした」「喫茶店を経営している主人公のおじいさんが、どういう経緯で喫茶店を開くことになったか、をちょっと掘り下げていただくと、お話がすごく深まるかなと思いました」というコメントをいただきました。
みなさんからのコメント、どれも大変励みになりました!
今後の阿賀北ノベルジャムについて
今回のプロジェクトは「小説を完成させて印刷して終わり」ではなく、この後は小説を地域の方に手にとっていただくためのプロモーション活動を行っていきます。
そこで、蒼杜書房ではオンラインとオフラインで次のようなプロモーション活動を計画しています。
地域で活躍されている方々などのお力も借りながら、プロモーションをがんばっていきますので、どうぞよろしくお願いいたします!(ヤマシタ)
蒼杜書房SNSアカウントのご紹介
蒼杜書房では各種SNSでの発信も行なっています。
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