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ライブペイントは楽しかったことについて(“12/7音と色の作用点”)

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楽しみだった。12/7川越の<クラフトとギャラリー kalafta(カラフタ)>さんで行われた、音楽イベント「音と光の作用点(さようてん)」。ライブペイントをするために出演させて頂きました。きっかけは、今年早春の展示で行なっていた、「来場者の皆さまに1色ずつ絵具を選んでいただき、その色とインスピレーションをもとに、少しずつキャンバスに絵を描き進め、会期中に完成させる」という実験「ao to iu_ に色をください」という企画を会場の店主が覚えていてくださってオファーをいただきました。

個人的には「立ち位置が自分主催の場ではないこと」「演奏者の方たちと「せーの」で行うようなこと」がはじめてであり、一瞬逡巡しましたが、一瞬でした。「音楽の力にいつも助けられているから、(おこがましくも)恩返ししたいな」「その場所・時間でしか体感できないものがある。一瞬だけど。そこに(わたしは)価値がある(と思っている)」そんなきれい目の言葉が浮かんでは去り。

ふと思い直せば、わたしの「描く」ということは「よく寝てごはんを食べ、お茶でも入れて、音楽をスピーカーで聴きながら」描いておりますもので「よくある光景だ!」と思い、「体調をととのえて、自分のできることに集中しよう。そうすれば楽しめるはず、集中して楽しめたら、場の雰囲気として伝わっていき、もしかすると興味をもってもらい、ひいては楽しんで頂ける人もいらっしゃるのではないか」と仮定し、やってみたいです、と返事をいたしました。

まずは店主に訊くとウクレレ弾きがたりのmiyamoさんからの企画がきっかけとのこと、店主曰く「この店だからできる特別なライブにしたい」という会話も経て、「楽しい」かつ「お役に立てるかもしれない」とあれば、俄然やる気持ちに拍車がかかります。

話が動き出しましたら、別に日をとって、予行演習の依頼をお願いしたところ受けて頂き実施。どのペースでどのくらのエリアを描くことができ、息尽きてしまわないか、自分自身が楽しめるか。それをお客さまはどうやって観るのか、楽しんでもらえるのか。演習当日、キャンバスを乗せる卓上イーゼルが、手仕事でかっこよく作られていたのには感動してしまいました。何だかその近辺頭痛と吐き気におそわれており、食事調整(1日絶食からの工夫おかゆ三昧)加温保湿で、一週間前には回復しました。


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そして本番当日、昼ごろから店に入り準備。既存の絵も飾ってもらい、絵具と筆とキャンバスなどを設置。演奏者のリハーサルを間近で拝見するのも滅多にないので、さあ本番です、という雰囲気が立ち上がっていきました。直前にはふと緊張し、会場の近くのスーパーまで散歩に行って戻ったが寒いだけだった。しまった。
自身にはりつめた気持ちもあったものの、始まると空気が変わり気持ちも変わります。とても自由な感覚でした。

最初の1色は、miyamoさんに選んで頂きました。「占いみたい」と仰っていたのが印象的でした。音を操る人が選ぶ色が気になります。それは不透明の夜の青色でした。ウクレレ(今回はギタレレも)miyamoさんの繊細で透明感のある楽曲、曲間のMCに織り交ぜられるご自身の視点。エピソードに裏打ちされたそこはかとなくほの暗い感触、白昼夢やビール泡のようなあかるい檸檬イエロウの光。ブルーハーツが好きなこと。呼吸に合わせたようなメロディの運び。

古澤ひかりさんの、豊かに響いてゆく祈りを感じる声とギターの楽曲。バラや溶岩のような鮮やかな深い赤のイメージ。つつみ込んでいくようなボリューム。よく覚えていないのだけど「筆を走らせる音が聴こえて心地いい(違ってたらごめんなさい)」と言ってくださって、安心を少し得て。それを支える宮坂洋生さんのコントラバスの黒やムラサキの陰影の音色、楽器の存在感で音が立体になっていく。弓弾きではなく、指弾きでした。古澤さんと宮坂さんのちいさなやりとりも、雰囲気を和やかにしていたように感じました。

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そうして、おかげさまで楽しく描くことができました。2組通して1枚の絵を描きました。その場にいた皆さまはどのように見えたのでしょうか。楽しんで頂けたでしょうか。直接嬉しいコメントを下さった方々、感謝いたします。励みになります。何だか気分が放電しっぱなしで、からまわりしていました。窮屈な思いをされたかたがいらっしゃいましたら、ごめんなさい。体はひどくへろへろで、荷物運びですが行きは車まで1回で済んだところ、帰りは2回に分けて運びました(店主の奥さまも一緒に運んでくださいました)。
ショーは始まればおしまいになってしまいます。何もない。まだアクリル絵具が乾いていない、所在なさ気にしている原画だけが残りました。その後連絡があり、原画はkalaftaさんに預かっていただくことになりましたので、機会があれば、当日来て頂けなかった方にも、ご覧頂けるかもしれません。今回は貴重な場所を作ってくださり、kalaftaさんはじめ皆さま、ほんとうにありがとうございました。また機会がありましたら、ライブペイント、トライしてみたいです。楽しかったのです。

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