頭だけで理解した気になるのは危うい



 直感や閃きが得意な右脳型人間と、論理的な思考が得意な左脳型の人間。ほとんどの人が、この二つのどちらかに当てはまると考えています。後天的に両方できるようになる人もいますが、それは例外とさせてもらいます。



 私は右脳型の人間で、言語化や感情を論理的に理解するよりも、行動を優先することが多かったです。行動する理由を言葉にするのに時間がかかるので、他人から舐められることが多かったのですが、格闘ゲームでも、仕事でも、異常なほどの行動を繰り返して、結果を出してきました。そんな私だからこそ、左脳型の人間に物申したいことがあります。



頭だけで理解した気になるのは危うい。



 です。その理由をこれから説明していきたいと思いますが、このままでは、主観に偏った意見になってしまいます。ですので、右脳型の人間と、左脳型の人間について、できるだけ客観的に書いていきたいと思います。



右脳型と左脳型



 右脳型の人は、理論や理屈は二の次です。思いついた瞬間、即行動。失敗と成功を繰り返し、その中で得た経験を元に、次の行動に活かす人を指します。理由を聞かれて答えられないのに、なぜかできてしまう。他人に真似ができないことから、結果が残せる領域までくれば、天才タイプと称されることが多いでしょう。



 左脳型の人は、理論や理屈にこだわります。成功できる法則性を導き出し、パターン化して、同じ法則を何度も使って成果を出すなど、『効率』の鬼です。無駄な行動を何より嫌い、行動に合理性があることを何より重視します。結果が残せる領域までくれば、他人にその現象を理解させられる人が多いことから、秀才タイプと称されることが多いでしょう。



 客観的にまとめると、こんな感じの分類になると思います。どちらも良い部分があり、結果を出せればどちらでもいいはずなのですが、今までの人生経験上、左脳型の人に馬鹿にされることが多い日常でした。イライラするよりも、モヤモヤすることが多く、自分でもその感情に理由がつけられなかったのですが、一つ気付いたことがありました。それは。



実体験に基づかない理論や理屈は浅い。



 です。今まで左脳型の人が身近にいたので、創作論や理屈を人並み以上には見聞きしてきました。その一例ですが、私が格闘ゲームの実績がある状態で、小説の経験が浅い時、『格闘ゲームで経験した知識は、小説には役に立たない』と左脳型の人に言われたことがありました。



 その人は、私とは真逆で、小説の経験はあっても、格闘ゲームの経験がない人なのですが、そんな状態で、『格闘ゲームで経験した知識は、小説には役に立たない』と言われたところで、なんの説得力もありません。なぜなら、実体験が伴わない意見は、プロ野球選手に野次を飛ばす、野球経験のない厄介なファンと変わらないからです。耳を貸す必要があるとは、到底思えません。



 つまりは、体で確かめず、頭だけで理解した気になっているのが、左脳型の弱点だと気付きました。今考えれば、指摘を受けてモヤモヤしていたのは全て、経験が伴っていない理屈だったんです。



 その状態に陥ってしまう原因として、左脳型の人は『効率』を求めすぎる点にあると思います。右脳型の人はなんでもかんでも、片っ端から行動しますが、左脳型はそれに耐えられません。勝算が見えない行動は、『効率』が悪いと切り捨て、やる前に諦めるからです。もちろん全員に当てはまらないとは思いますが、少なくとも、私が見てきた人はそうでした。


結論 


 『効率』を追い求めることは間違いだとは言いませんが、経験したことのないものを頭だけで分かった気になるのは危険です。断言口調で指摘すれば、それっぽく聞こえるかもしれませんが、経験が伴わない意見は、中身がないとすぐに見破られます。自分の理論を構築するのは構いませんが、他人に理論を構築させる場合は、指摘する資格があるかどうか、発言をする前に、今一度考えていただけると、右脳型の人間としては助かります。

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