『黒革の手帖』と『黒革っぽい手帳』
※少しだけドラマの内容に触れています。ネタバレご注意ください※
年明けに松本清張原作のドラマ『黒革の手帖』スペシャルが放送されました。
2017年に連続ドラマで放送されていた時に夢中になって見ていたので、今回ももちろん視聴しました。
このドラマは銀座のクラブを舞台にしたもので、何といいますか、私にとって武井咲さんの造形美とそのファッションを堪能するためのもの、といっても過言ではありません。
さまざまな着物を凛と着こなしたかと思えば、夜の店に映える華やかなドレスもとてもよくお似合いで、それぞれの衣装に合わせたアクセサリーや小物なんかも見所です。
私は2時間スペシャルを見た後に昔が懐かしくなって、Amazon primeで2017年のシーズン1をエピソード1から8までまた見直しました。
そしたら武井さん、3年前から相変わらずの美を引っ提げて、もう生まれた時からその美で生きる人生ってどんなもんだろうな、と思わずにはいられませんでした。特にライムイエローカラーの着物は本当に素晴らしく、武井さんの溢れ出る若々しさと媚びない個性を、より美しく際立たせていたように思います。
それで楽しく視聴していたところ、1箇所とても驚いたシーンがありました。
武井さん演じる原口と、高畑淳子さん演じる中岡という人物がカフェで待ち合わせるシーンがあるんですよ。
原口(武井さん)と中岡(高畑さん)が会うのは2度目なのですが、原口(武井さん)にとって2度目だとバレたらまずいという設定で、初対面キメ込んで「初めまして」って言うんですね。
そうすると中岡(高畑さん)が、あれ?どっかで見た事ある顔だなって怪訝そうな表情をしながら「どこかでお会いしましましたかしら?」と聞くんですけど、原口(武井さん)はにっこり笑って「いえ、お会いするのは初めてかと」って答えるんです。まぁ、ここまではよくある設定ですよね。
でも事件はそのあと起きました。
原口(武井さん)からとんでもないセリフが飛び出すんですよね。
「よくある顔なので」
えってね。
えって、2度見3度見4度見ぐらいしましたよね。
武井さん程の造形美を持って、たとえドラマといえども“よくある顔“と言わすってどういう事なん。どういう意味でよくある顔なん。目と鼻と口がついてるっていうレベルでの、ホモサピエンスとしてよくある顔って言ってるのかな。そうじゃないよね。
武井さんがよくある顔なら私の顔は珍しい顔ってことになるけど、まあある意味そうか、珍獣って感じかな。イモトにハンティングされる人生。
“よくある顔“がよくわからない事になってますけどとにかくね、美がすごいのなんのって話です。
タイトルにもある『黒革の手帖』は、原口(武井さん)が持つドラマの運命を左右する重要アイテムで、その中にはターゲットとなる人々の借名口座が記されているというストーリー。ISMSのセキュリティ情報レベルでいうところの【極秘】内容が記されているんですね、恐ろしい。
原口(武井さん)がその手帖に記された情報をネタに、数々の大物にゆすりをかけながら大金を手に入れていくその様は、ツッコミどころもありつつ、とても痛快で物語の中に引き込まれていきます。
その【極秘】情報が記された『黒革の手帖』が物語の中でたびたび登場するのですが、私はそれを見ながら自分も昔手帳を使っていた事を思い出しました。
今ではすっかり全てのスケジュールをデジタル化してしまったので、手帳を持たなくなってしまったのですが、今年は買ってもいいかもしれない。
私は過去使っていた手帳を引き出しにしまって保管していますので、久しぶりにどんなだったかなと見たくなりました。
真っ黒の、モレスキンの手帳。
黒革っぽいけど革じゃない手帳。
私はそれをいたく気に入っていて、2008年から2012年頃までずっと同じシリーズを使っていました。
久しぶりに見る手帳、ああ懐かしいな。
この中には過去数年にわたる自分のスケジュールと、自分が重要と思ったであろうさまざまな事が記されていて、いわば私にとっての【極秘】情報が詰まった『黒革っぽい手帳』です。
私は引き出しから2008年のそれを1冊とり出し、そっと開きました。
見開きにエガちゃんのステッカーが貼ってありました。
えってね。
えって、2度見3度見4度見ぐらいしましたよね。デジャヴかな。
エガちゃんの代表的な“がっぺむかつく“のポーズのステッカー。
13年前に何があったんかなって、自分に聞いてみたいです。
全く記憶にないですね。
政治家がよく言うアレです「記憶にございません」ってやつです。
月別のカレンダーページには、仕事のミーティング予定、プレゼン予定、現場予定などこと細かに記されていて、ああこの当時は仕事の事ばっかりだったなーとか、これ楽しかったなーとか色々と思い出して、とても懐かしい気持ちになりました。
メモページを開いてみると、そもそも私は字が壊滅的に汚い上に急いで書いたであろう象形文字的な何かが、いくつも記されていました。
全く読めないですね。
これならある意味紛失しても解読されないので、ISMSの運用観点からするとしっかりとしたセキュリティーが担保されているとも言えます。
それから2009年、2010年と『黒革っぽい手帳』を開いてみたのですが、とにもかくにも私自身のノスタルジーを刺激するものではありましたが、全く何の役にも立たない内容しか記されていない(一部は解読できない)事がわかりました。
私は、やっぱりデジタルでいいかな、という気持ちになりました。
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