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あなたの原動力と、刺激するトリガー

 
チームのモチベーションアップのためにいろいろ頑張ってみたけど効果がない。そういうときは「原動力」と、原動力を刺激して引き出す「トリガー」が合っていないのかもしれません。

たとえば、「チームのビジョンを考える」ことは自分の仕事の意義を大事にするビジョンタイプのメンバーの活力を引き出すには効果がありそうですが、とにかく難ミッションに立ち向かうことが好きなクエストクリアタイプのメンバーには響かないことがあります。

そのため、モチベーションについて考える時には、まずは以下のような前提を意識しておく必要があります。すごく当たり前のことしか書いていませんが、実務においてはなぜかこれらの前提は忘れがちなので気をつけたいところですね(僕もです)。

前提 1
人により原動力(モチベーションの源泉)は異なる

なぜかモチベーションアップ施策は組織全体に対して同じ施策をやりがちです。でも、原動力は個人ごとに異なりますので人によってはぜんぜん響いていないこともあります。「最近の若者は」「女性は」というように人をカテゴライズせず、あくまでも「個人」を見ましょう。

※ちなみにこの記事では例として12の原動力タイプを挙げてみましたが、もちろんすべてをカバーできているわけではありません。人によってはこれら以外のものが原動力となっている場合があります。

前提 2
原動力はひとつじゃない

12の原動力タイプのうち、ひとつしか当てはまらないということはおそらくレアであり、多くの人は複数のタイプに当てはまります。

前提 3
原動力のタイプごとにトリガーが異なる

前提1でも書きましたが、原動力の引き出し方がマッチしていなければ、何かしたとしても効果はありません。この記事では12のタイプごとのトリガーについて簡単に付記しておきました。

前提 4
まずは個々人の原動力を知ることが重要

私たちは、部下や後輩・チームメンバーの原動力についてちゃんと理解できていないことがほとんどです。また、私たちも自分自身の原動力をそこまで認識していないことがあります。まずは個々人との対話やワークによって知るところから始めてみましょう。

前提 5
原動力と「やりがい」「満足」は異なる

この記事ではあくまでも原動力に特化して解説しています。原動力とやりがい・満足は重複する部分が多いですが分けて捉えたほうが良いです。原動力は「これがあったら自分の活力やエネルギーが引き出される」というものです。「こうだったら満足する・嬉しい」とは異なりますのでご注意ください。


おもな12の原動力


前置きが長くなりましたが、それでは原動力にはどのようなものがあるか、ひとつずつ見ていきましょう。


第1のタイプはビジョンです。ビジョンタイプは理想や夢や社会的意義が原動力になります。逆に「なぜやるのか」が見えづらい時はエネルギー量が低下しますので、あなたがもし上司や先輩であれば「自分たちの仕事の意義を伝える」ことなどで活力を引き出すサポートができるでしょう。

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第2のタイプはクエストクリアです。クエストクリアタイプは目の前の課題をどうクリアしていくか考え、挑戦していくことが原動力になります。目標が難しいほどエネルギーが湧いてきますが、逆にぬるい業務が続くと活力が低下します。そのため、難しいミッションや高い目標を与えてみる、任せてみることがトリガーとなります。

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第3のタイプは好きなものです。「つらくても音楽が好きだから頑張れる」というように、関わるものが好きかどうかでエネルギー量が大きく変化します。このタイプの難しいところは、好きなものに関わっているだけで満足する(例:憧れの業界に入ったが、いつしかそれが当たり前として慣れてしまう)こともあるので、このタイプの原動力しか持っていないと低空飛行を続ける可能性があります。好きなだけでは続かないというやつです。少し注意が必要です。

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第4のタイプは貢献です。「人の役に立つ」「人に喜ばれる」ことが原動力です。おそらく当てはまる人が多いタイプではないでしょうか。このタイプは誰の役に立っているのか分からない業務だとエネルギーが出にくくなりますので、顧客からの感謝を感じる機会が少ない場合は、身近な人たちが日頃の感謝を伝えることが大事です。

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第5のタイプはチームワークです。よい仲間との協業によってエネルギーが湧いてくるタイプです。取り組むテーマに縛られずに発揮しやすい、いわば「原動力の優等生」なのですが、その発揮のためにはチームの関係性をメンテナンスしていくことが必須となります。マネージャーの腕の見せどころです。

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第6のタイプは責任・役割です。責任や役割を回避したい人たちが少なからずいる一方で、責任の重さや役割の重大さによって燃える人たち・スイッチが入る人たちもいます。

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第7のタイプは成長実感です。これはキャリアのフェーズにもよりますが、特に若手のうちはメインの原動力となる人もいるのではないでしょうか。あくまでも「成長」ではなく「成長実感」なので、本人が実感できるように周囲からの承認や、本人の気付きを促す内省のサポートなどが有効となりそうです。

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第8のタイプは競争・勝負です。競争や勝負は(人によっては)燃えますよね。数字を追う、特に日常的にチーム内で競う特性のある業務だと非常にフィットします。

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第9のタイプはクラフトです。いわゆる「いいものをつくる」「自分が納得できるクオリティのものをつくる」ということが原動力となります。これはデザイナーやエンジニアといった職種に限らず、このような気質を持った人はいます(私もそうです)。

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第10のタイプは好奇心です。常に面白いもの、自分の好奇心が満たされやすいもの、刺激されるものを好みます。逆にマンネリや安定フェーズとなると他の刺激を求め始める傾向にあります。

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第11のタイプは自律です。やるべきことや方法を自分で考えて、自分で決めて、自分の納得感を重視して働くことを重視します。自律的に動くのはいいことですが、その人の目指す先と組織の方向性は揃えておく必要があります(方向性が揃っていて技量もあれば、ある程度は好きにやっていただくのが良いと思います)

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第12のタイプは報酬です。これは分かりやすいですね。自分の仕事の成果が認められて、それが金銭報酬や名誉などで報われることを原動力にして動くタイプです。やはりお金は大事ですね。

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さいごに

このように、本記事では12の原動力とトリガーについてお伝えしましたが、大切なのは自身の原動力を理解し、お互いの原動力は何かを把握しておくことかと思います(特に上司はメンバーの原動力を把握しておく)。


例えばこれは僕の例。12の原動力をTierに分けてみました。チームで相互理解ワークショップとして、実施してみるのも良いかもしれませんね。

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