意見の異なりはどこからくるのか(4つの異なり)
ダイバーシティ&インクルージョン、多様性という言葉が日本でも広く使われるようになって数年が経ちました。
多様な人たちが集まると多くの意見が生まれますが、これら意見の異なりや議論はややもすると「自分への攻撃」と捉えられてしまうことがあるため、私たちは「なぜ異なっているのか」「その異なりはどこから来ているのか」について自覚的であり、無用なヘイトを生まない必要があります。
個人的にはこの意見の異なりや食い違いの元となっているものは大きく4つに大別されると考えています。
※この記事では「違い」という表現は「違っている→相手が間違っている」というニュアンスを含みかねないので、あえて「異なり」という表現を使っています。
1
「情報」の異なり
情報は意見に影響を与えます。あれ、なんだかおかしいぞ?噛み合っていない!と感じた際には、話し合っていることについてお互いが持っている情報が違うことがあるので要注意です。
このような時は、お互いのが持っている情報や認識を共有することで回避できるかもしれません。情報不足や誤解によって、本来は得られたかもしれない分かち合いをロスしてしまうのはあまりに勿体ないですよね。
2
「価値観」の異なり
持っている情報が同じだったとして、もちろん人それぞれが持っている価値観が異なります。この価値観の差が大きいと「解釈」「判断」などが変わってきます。
これまでのキャリアを通じて形成された価値観、その人の職種における美学、出身や信条による価値観など、お互いの価値観を変えていくことは短期的には難しいものですが、このような時は、相手が何を大切にしているか・どのような価値観に基づいて考えているのかを知ることが大切になります。
お互いの理解を深めることで、意見は同じにならないとしても、意見が違う相手を理解し、(すこし優しく)そのような考えを持つ人がいると受容することに役立つのではないでしょうか。
3
「立場」の異なり
難しいのが「立場」の異なりです。これは立場が変わらない限り、すれ違ったままになりかねません。個人としての意見はあるものの、やはり置かれている立場によって意見は変わってきます。「その人にとっての損得」「置かれている状況」「果たすべき役割」「目標として課されていること」「使命」など、立場というものは少し大変です。
このような場合は相手と意見をすり合わせることがかなり難しいのですが、「この人は自分の見えない何かを守ろうとしている」と慮ることが大事なのかなと思います。
立場の異なりからくる意見の異なりで、人を嫌いになるのはもったいないですからね(そもそも、意見が違うからといって人格まで嫌いになってはいけないのですが)。
4
「力」の異なり
あとは、意見が分かれることがあるとしたら「力」の異なりなのかなと思います。
財力の差、権力の差、能力の差、交渉力の差。これらによって、その人が選べる選択肢が異なってくるので、そもそも世界の見え方も異なっているかもしれません。
このような時は、どうしたらいいか私も分かりませんが、異なるものはしょうがない(=自分の方に寄せようとしない)というスタンスが有効なのかなと思います。
分かり合うことも大事ですが、分かり合えなくてもうまくやる。これはダイバーシティを実現させていく上で必要なベースとなるのではないでしょうか。
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